【インタビュー】シューズデザイナー勝川永一が語る「感性と機能」（前編）｜＜H? Katsukawa From Tokyo/エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞ポップアップストア開催
シューズデザイナー勝川永一さんが手がける東京発シューズブランド＜エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞のシーズン恒例ポップアップストアが3月9日（水）より地下1階＝紳士靴で開催されます。今回も「Denim Capsule Collection for ISETAN MENS＝伊勢丹新宿店メンズ館限定カプセルコレクション」とファン待望の「パターンオーダー」の2本立て。今回はスニーカーのパターンオーダーも初披露となります。
僕の活動の軸になっているメンズ館でのポップアップ
――勝川さんのポップアップストアの季節がまた巡ってきました。
ブランドスタートが2007年で、伊勢丹新宿店メンズ館では2010年からポップアップをやらせていただいています。＜エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞は数をたくさん売るブランドではないので、メンズ館でのイベントはシーズンの立ち上がりと共に、お客さまとの会話から基本的なことを教わったり、コミュニケーションから気づくことが多かったり、本当に僕の活動の軸になっていますね。今では楽しみの一つです。
――では今回のポップアップの商品をご紹介ください。
今回は、昨秋冬にスタートした新レーベル「CITY CLIMBING（シティ クライミング）」のチロリアンシューズとローファー、新登場のスニーカーのモカ部分（甲部）に“デニム”を採用した「デニムコレクション」を伊勢丹新宿店メンズ館限定のカプセルコレクションとして展開します。
岡山で探し当てた、靴のモカ部分に最適な綾織りのデニム生地
――今シーズンは“デニム”なんですね。
はい、春夏コレクションを考えていたときに、チロリアンのモカ部分を春夏らしい素材にしたいと思い、デニムを探し始めました。自分はアメリカのヴィンテージデニムが好きで、いろいろ調べたら日本のデニム生地はテキスタイルとして世界的にクオリティが高く、バリエーションも多いことを知りました。それで、岡山県井原市にある岡本テキスタイルを探し当てました。
――やはり岡山デニムに行き着きましたか。
岡本テキスタイルは旧式織機でデニム生地を生産していて、僕がオーダーした「革の色にマッチしたデニム」の開発に取り組んでいただき、横糸に白を使うことでネップ感（素材の自然で素朴な味）あるデニムができました。いわゆる綾織りのデニムですが、エイジングも良い味になっていく素材感で、モカ部分に使って実際に履いてみるとソフトな足当たりの新しい感覚があって、出来上がりには満足しています。
メンズ館限定の“ニベ革”パターンオーダー
――そしてブランドの顔でもある“ニベ革”のパターンオーダーも注目です。
ブランドとしてパターンオーダーは伊勢丹新宿店メンズ館でしか受け付けていませんが、今回も僕が一番初めに作った「マッケイのニベ革シューズ」のパターンオーダーを承ります。スタイルは定番の内羽根ストレートチップとブーツなど3種類、レザーソールかクレープソールで、アッパーはニベ革か、革にシルクスクリーンを施したプリントレザーもお選びいただけます。
――勝川さんと言えば“ニベ革”ですが、なぜそんなに熱心に取り組んでいるんですか。
ニベ革の靴は2007年のデビューコレクションからラインナップしていますが、ニベ革の持つ根源的な美しさに惹かれました。革の強度と風合いの両立を求めて何度も何度も皮革業者とチャレンジして、やっと靴のアッパーに使えるモノに仕上げて、以来、オリジナル素材としてこだわっています。
――昨年のイセタンメンズの『JAPAN靴博2015』出展作もニベ革の靴でしたね。
ニベ革も2007年当時と比べると摩耗に強くなるなど進化していて、JAPAN靴博2015に出した「土に還る靴」は究極のニベ革を使用しました。まだ試作段階ですが、今年の秋冬には“ニベ革のスニーカー”を登場させます。ご期待ください！
今回のポップアップでは「スニーカー」パターンオーダーも開始！
――そして、今回のポップアップでは、「デニムコレクション」のスニーカーでもパターンオーダーができるとか。
そうです。アッパーのレザーがネイビー、ブラック、ホワイト、グレーの4色で、デニムとのコンビネーションが可能です。新しい試みなのでぜひ見に来てほしいですね。
――勝川さんの靴づくりの根底には、どんな想いがありますか。
自分は英国・ノーザンプトンの職業訓練校でチャーチやトリッカーズのビズポークの先生に教わったあと、ポール・ハーデンで修行しました。英国の靴の伝統あるオーセンティックな良さを知っていますが、イセタンメンズのような場所では、できる限り面白いものを用意したいと思っています。革にシルクススリーンを施した☆のプリントレザーも、下町の職人と一緒に取り組んでいて、☆以外にもいくつか柄がありますが、お客さまから「もっと面白いものがないの？」と言われるとつい頑張ってしまうんです（笑）。
インタビュー後編では、「都市の中での靴の可能性」をうかがいます。
＜エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞「デニムコレクション」（伊勢丹新宿店メンズ館限定）チロリアン66,960円
＜エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞「デニムコレクション」（伊勢丹新宿店メンズ館限定）ローファー66,960円
＜エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞「デニムコレクション」（伊勢丹新宿店メンズ館限定）スニーカー28,080円
Photo：SUZUKI Shimpei
お問い合わせ
03-3352-1111（大代表）
僕の活動の軸になっているメンズ館でのポップアップ
――勝川さんのポップアップストアの季節がまた巡ってきました。
ブランドスタートが2007年で、伊勢丹新宿店メンズ館では2010年からポップアップをやらせていただいています。＜エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞は数をたくさん売るブランドではないので、メンズ館でのイベントはシーズンの立ち上がりと共に、お客さまとの会話から基本的なことを教わったり、コミュニケーションから気づくことが多かったり、本当に僕の活動の軸になっていますね。今では楽しみの一つです。
――では今回のポップアップの商品をご紹介ください。
今回は、昨秋冬にスタートした新レーベル「CITY CLIMBING（シティ クライミング）」のチロリアンシューズとローファー、新登場のスニーカーのモカ部分（甲部）に“デニム”を採用した「デニムコレクション」を伊勢丹新宿店メンズ館限定のカプセルコレクションとして展開します。
岡山で探し当てた、靴のモカ部分に最適な綾織りのデニム生地
――今シーズンは“デニム”なんですね。
はい、春夏コレクションを考えていたときに、チロリアンのモカ部分を春夏らしい素材にしたいと思い、デニムを探し始めました。自分はアメリカのヴィンテージデニムが好きで、いろいろ調べたら日本のデニム生地はテキスタイルとして世界的にクオリティが高く、バリエーションも多いことを知りました。それで、岡山県井原市にある岡本テキスタイルを探し当てました。
――やはり岡山デニムに行き着きましたか。
岡本テキスタイルは旧式織機でデニム生地を生産していて、僕がオーダーした「革の色にマッチしたデニム」の開発に取り組んでいただき、横糸に白を使うことでネップ感（素材の自然で素朴な味）あるデニムができました。いわゆる綾織りのデニムですが、エイジングも良い味になっていく素材感で、モカ部分に使って実際に履いてみるとソフトな足当たりの新しい感覚があって、出来上がりには満足しています。
メンズ館限定の“ニベ革”パターンオーダー
――そしてブランドの顔でもある“ニベ革”のパターンオーダーも注目です。
ブランドとしてパターンオーダーは伊勢丹新宿店メンズ館でしか受け付けていませんが、今回も僕が一番初めに作った「マッケイのニベ革シューズ」のパターンオーダーを承ります。スタイルは定番の内羽根ストレートチップとブーツなど3種類、レザーソールかクレープソールで、アッパーはニベ革か、革にシルクスクリーンを施したプリントレザーもお選びいただけます。
――勝川さんと言えば“ニベ革”ですが、なぜそんなに熱心に取り組んでいるんですか。
ニベ革の靴は2007年のデビューコレクションからラインナップしていますが、ニベ革の持つ根源的な美しさに惹かれました。革の強度と風合いの両立を求めて何度も何度も皮革業者とチャレンジして、やっと靴のアッパーに使えるモノに仕上げて、以来、オリジナル素材としてこだわっています。
――昨年のイセタンメンズの『JAPAN靴博2015』出展作もニベ革の靴でしたね。
ニベ革も2007年当時と比べると摩耗に強くなるなど進化していて、JAPAN靴博2015に出した「土に還る靴」は究極のニベ革を使用しました。まだ試作段階ですが、今年の秋冬には“ニベ革のスニーカー”を登場させます。ご期待ください！
今回のポップアップでは「スニーカー」パターンオーダーも開始！
――そして、今回のポップアップでは、「デニムコレクション」のスニーカーでもパターンオーダーができるとか。
そうです。アッパーのレザーがネイビー、ブラック、ホワイト、グレーの4色で、デニムとのコンビネーションが可能です。新しい試みなのでぜひ見に来てほしいですね。
――勝川さんの靴づくりの根底には、どんな想いがありますか。
自分は英国・ノーザンプトンの職業訓練校でチャーチやトリッカーズのビズポークの先生に教わったあと、ポール・ハーデンで修行しました。英国の靴の伝統あるオーセンティックな良さを知っていますが、イセタンメンズのような場所では、できる限り面白いものを用意したいと思っています。革にシルクススリーンを施した☆のプリントレザーも、下町の職人と一緒に取り組んでいて、☆以外にもいくつか柄がありますが、お客さまから「もっと面白いものがないの？」と言われるとつい頑張ってしまうんです（笑）。
インタビュー後編では、「都市の中での靴の可能性」をうかがいます。
＜エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞「デニムコレクション」（伊勢丹新宿店メンズ館限定）チロリアン66,960円
＜エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞「デニムコレクション」（伊勢丹新宿店メンズ館限定）ローファー66,960円
＜エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞「デニムコレクション」（伊勢丹新宿店メンズ館限定）スニーカー28,080円
＜エイチ カツカワ フロム トウキョウ＞ポップアップストア
□3月9日（水）～3月15日（火） デザイナー勝川永一さん来店予定 3月12日（土）・13日（日）
□メンズ館地下1階＝紳士靴
■パターンオーダー詳細
・ニベ革（プリントレザー）シューズ「レザーソール」仕様71,820円
・ニベ革（プリントレザー）シューズ「クレープソール」仕様60,480円
・デニムコレクション（伊勢丹新宿店メンズ館限定）スニーカー34,560円
Photo：SUZUKI Shimpei
お問い合わせ
03-3352-1111（大代表）
