2016年春夏コレクション「TOKYO BEST 3」
伊勢丹メンズ館バイヤーと「WWDジャパン」が、10月中旬に始まった2016年春夏東京コレクションを振り返ります。
伊勢丹メンズ館バイヤーがジャッジ!2016年春夏東京コレクションBEST3
10月12日(月・祝)から17日(土)までの間、2016年春夏「メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京」(以下、「MBFWT」)が開かれました。50を超えるブランドがランウエイショーやプレゼンテーションを開催した東京コレクション期間中には、伊勢丹新宿店メンズ館が取り扱う人気ブランドも最新コレクションを発表しました。そこで、今月始まる伊勢丹メンズ館のウェブサイト「イセタンメンズネット」と、ファッション週刊紙「WWDジャパン」のウェブサイト「>WWDjapan.com」のコラボレーション企画を記念して、同館2階インターナショナルクリエーターズの高橋裕二バイヤーが、ファッション週刊紙「WWDジャパン」と「MBFWT」を振り返ります。
──今シーズンの「MBFWT」の印象は?
実力派のデザイナーが、安定したコレクションを見せてくれました。東京のブランドはストリートかテーラードにまとまりがちですが、今シーズンは東京らしいミックス感覚を大事にしながらも、肩の力が抜けたエフォートレスなスタイルを発表したのが印象的です
──そんな中のベストブランドは?
<MIHARA YASUHIRO/ミハラヤスヒロ>は、リネン使いやデニム地を転写プリントしたアイテムなど、クラフトマンシップを重んじながらも軽ろやかにまとまっていました。スポーティーなトレンドや、ウィメンズ由来のライトネス(軽さ)を感じることもできました。<FACTOTUM/ファクトタム>は、オリエンタルなムード漂うコレクション。シンプルでベーシックなレイヤードが多い中、刺繍やプリントで強い柄を加えたアイテムが目立っていました。オリエンタルなモチーフは、海外バイヤーからも反応が良かったと聞いています。
──新人の中の注目株は?
<sulvam/サルバム>は<Yohji Yamamoto/ヨウジヤマモト>出身のデザイナー、藤田哲平さんのち密なパターンが光るコレクションでした。部分的に施した装飾など、シーズンを追うごとに完成度が上がっています。デニムというカジュアルな素材のコートも良かった。まだまだ東コレ2シーズン目ではありますが、今後の活躍が期待できそうです。
━━━ 2016S/S COLLECTION DIGEST ━━━
<MIHARA YASUHIRO/ミハラヤスヒロ>
テーマは「ダダ(DADA)」。異なるものを組み合わせ、そこから新たな美を見出す芸術思想「ダダイズム」にインスピレーション源を得た。ある時は1着の洋服でワークやミリタリーをハイブリッド。ある時はテイストもシルエットも異なる複数の洋服をレイヤードすることで、1着、もしくは1つのスタイルの中で「ダダイズム」を表現する。
<FACTOTUM/ファクトタム>
<sulvam/サルバム>
デニムにフォーカスしたコレクションは、敢えて縫い目を表に出したインサイドアウトのジャケットやロングガウンなど、オーバーサイズのアウターが充実。裾を切りっぱなしにしたテンセルのシャツは、メンズが着るとゆったりしたトップスに、ウィメンズが着るとショート丈のワンピースにとジェンダーレスなアイテムも増えている。