ヒップな新宿クルージング VOL.2 |コーヒーの街育ちのヴォーン、“クレイジーな街”新宿で心落ち着けるコーヒー店はどこ?
さまざまなシーン・カルチャーが交錯する街・新宿を、ヒップな遊び方を知る外国人たちがナビゲートするシリーズ。2回目は、コーヒー/カフェカルチャーのメッカとして知られるメルボルン育ちで、東京のカフェ事情をマニアックに知り尽くすヴォーンさんが登場。クレイジーな街新宿で、生粋のコーヒー好きが心落ち着かせるお店とは?
モデル、ライター、イベントオーガナイザー、文化服装学院の英語講師など、さまざまな分野で活躍するオーストラリア出身、日本在住11年目のヴォーン。コーヒー/カフェカルチャーのメッカとして知られる都市メルボルンで育った生粋のコーヒー好きで、自身でコーヒー専門のブログを運営するほかコーヒー好きのためのWEBメディアでの執筆活動も行い、老舗から注目の新店まで東京のカフェ事情を知り尽くす。現在妻と4歳の息子とともに住み、“クレイジー”だけど“ライフスタイルに合う街“と気に入る新宿で、心落ち着けるとびきりオススメのコーヒースポットを、「新宿」「コーヒー」「カフェ」への想いとともに案内してくれた。
■プロフィール
オーストラリア・メルボルン出身。コーヒー好きによる、コーヒー好きのためのウェブサイト「Good Coffee」に掲載したコラムが人気を博し、“コーヒーライター”として東京中のカフェを巡る。自らの足と舌で培った経験とセンスを武器に、コーヒーカルチャーを発信し続ける。ファッションモデル、イベントオーガナイザー、文化服装学院の英語講師など多方面で活躍中。https://instagram.com/vja/
━━━ 日本に来て11年のヴォーンさんですが、初めて新宿に来たときの印象は?
「なんてクレイジーなんだ!」と思いましたよ。うっかり新宿駅で待ち合わせの約束をしてしまったのですが、駅に降り立った瞬間に希望が絶たれました(笑) 。街並が地元のメルボルンとかなり違ってエキサイティングだったし、とにかく圧倒されました。
━━━ 新宿に住んでいるということですが、気に入っていますか?
とっても。ロケーションがライフスタイルに合うから便利なんです。家から伊勢丹(新宿店)が近いから、食品フロアで買い物をして家族と家で食べたりするし、大好きなカフェに関しても荘厳な雰囲気の老舗もあればカジュアルな店も、もちろんチェーン店だってある。ライター活動での執筆のために一日中カフェに居ることもあるんですが、朝の10時から夜中の2時までカフェに居てコーヒーを飲み続けた時は、さすがに眠れなかったけどね(笑)。
━━━ 新宿はどのように楽しむのがベストだと思いますか?
昼間に仕事の合間の休憩でカフェに行くのはもちろんいいし、夜は夜でまた違った楽しみ方がありますよね。ボクはお酒も好きだからバーにもよく行きます。ゴールデン街の独特な古い雰囲気の場所も気に入っているし、お酒を飲んだ後にほろ酔い気分で歌舞伎町をただただ歩くのも好きですね。
━━━ 出身地のメルボルンはコーヒー/カフェ文化が発達していますが、東京と比べてどうですか?
東京のコーヒーは、メルボルンと比べてきめ細かさがある。コーヒーをきっちりレシピと時間を決めて、まるで化学のように調合して作る。本当に職人技だと思います。僕も自宅で作ったりするけど、結構適当にフィーリングで作ってしまうけど、それはそれで味わい深いです(笑) 。
━━━ 今日は新宿でお気に入りのコーヒースポットを2店案内してくれました。まず、自家焙煎が有名で、1,500種以上のカップが並ぶ老舗の「凡」に行きましたが、何か思い入れはありますか?
「凡」は新宿駅東口、アルタのすぐ近くにあることから店の前は何度も通っていたけれど、人に教えられるまで気付かなかった。でも初めて知ってからは興味津々! 店名と僕の名前が似ているしね。この店は東京の中でも最もクオリティも値段も高いお店のひとつで、僕はここに来るときは、何か良いことがあったときや、大きな仕事を成し遂げたとき、自分へのご褒美としてコーヒーを堪能するようにしています。だから必然的に「凡」には良い思い出が沢山つまっていますね。
━━━ 次にビジネスエリアの中心にあり、多くの人で賑わう「Paul Bassett(ポールバセット)」に行きましたが、こちらは?
僕が好きなカフェは大体オープン時間が遅いんですが、「Paul Bassett」だけは早い時間から開いていて重宝しています。バリスタは2014年のエアロプレス世界大会(WAC)で日本人初の世界チャンピオンに輝いた佐々木修一さん。味は保証されているのに値段はお手頃で、親しみやすい雰囲気が良いんです。このお店で何年も働いて修行を積んだ人が独立して、自身のお店をオープンしていたりと、人を育てる環境でもある。そういったポジティブな空気が好きです。
━━━ ヴォーンさんはカフェという場所・空間のどこに惹かれているんですか?
本を読んだり考えごとをしたり、リラックスして自分と向き合えるからですかね。逆に何も考えずに、ただ身体を休めることも有意義だと思います。急がしい東京で特に新宿はクレイジーな街だから落ち着いた空間があるのは嬉しいし、そのギャップも面白い。
━━━ そもそもどうしてこんなにもコーヒーが好きなんですか? 味そのもの以外に魅了される何かがあるのでしょうか?
僕の故郷のオーストラリアでは、カプチーノの上にチョコレートパウダーをふりかけて飲むんですが、幼い頃、母親がそのチョコレートパウダーの部分をすくって、僕に分けてくれたのを覚えています。コーヒーのほろ苦さと相まってとても美味しかった。その温かい記憶もあってか、高校生にもなると、放課後はいつもカフェに行き青春を過ごしました。今となっては、200以上の「行きたいカフェリスト」があります。歴史上、多くの学者、作家、芸術家たちがカフェで時間を過ごし、インスピレーションを得ていたというのも面白いですね。
━━━ コミュニケーションツールとしてもコーヒーは役立ってくれますが、コーヒーを通しての印象的なエピソードを教えてください。
光栄なことに、コーヒー界のレジェンドである、101歳のカフェ店主にインタビューする機会に恵まれたことがあります。そのときの空気は荘厳で、言葉では表わせない何か強いオーラのようなものを感じました。あの経験は忘れられません。
■今回遊んだスポット
<自家焙煎珈琲 凡>
住所:東京都新宿区新宿3-23-1 都里ビル B1F
電話番号:03-3341-0179
営業時間:12:30 – 23:00
定休日: 無し
<Paul Bassett 新宿>
住所:東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル 新宿野村ビルB1F
電話番号: 03-5324-5090
営業時間: 7:30 - 20:30 (平日) 8:00 - 20:00(土) 9:00 - 19:00(日祝)
定休日: 無し
URL: www.paulbassett.jp/
■その他ヴォーンさんオススメの新宿スポット
<toilet(トイレット)>
「世界で一番好きなバーです。バスタブに座って、ピアノを聴きながらお酒が飲む、変わったスタイルが特徴的。ライアン・マッギンレーの大きなプリントも飾ってあって、ずっとそれを眺める洗練された時間が素晴らしい。オーナーもすごく良い人たちです」
住所:東京都新宿区新宿1-16-9 2F
電話番号:03-3226-5678
<アパートメントホテル新宿>
「宿泊費もリーズナブルだし、家具やディスプレイも全て日本製で、大正時代に作られた物もあって面白い。海外から友人が来る際は毎回薦めています。僕もここに住みたい!
住所:東京都新宿区新宿4-4-10
電話番号:03-6273-0991
URL:www.ap-shinjuku.com/
■ヴォーンさんの新宿遊びの持ち物
「自分でもびっくりするくらい沢山カフェ関連のカードを持ち歩いていますね!」
文化服装学院の英語の授業テキスト
オーストラリアのパスポート
カフェのショップカードの数々
トートバッグ:メルボルンのバンド「The Harpoons」のもの。イラストは中瀬萌さん。
コーヒーファイル:コーヒーに関するすべてがまとめられている
キーチェーン:バリスタからのプレゼント
ボイスレコーダー:ソニー
ノート:モレスキン
ペン:マッキー/ギッシャー
「ヒップな新宿クルージングVOL.1|台湾生まれ新宿育ちのモデルは”大人の遊園地”で遊ぶ」