ゆったりと流れる静かな時間
いつもは賑やかなサロン ド シマジ。この日は珍しく静かに開店しました。
最初の来店は常連の方お一人だけ。
その方はドアの方を見つめながら「今日は人が少ないですね。」とつぶやきます。
「こういう日もいいじゃない。じっくり話ができて。」
グラスを傾けながら島地氏はこの静かな時間を楽しんでいるようです。
逆にお客さまはいつも賑わっているサロンに慣れていて、島地氏とお二人だと少々落ち着かないご様子。
「大丈夫。そのうち混みますよ。人を待たせるより、待ったほうがいい。だから気長に他のお客さまが来るのを待ちましょう。」
その言葉にお客さまは「そうですね。むしろラッキーです、島地さんとゆっくり話ができて。」と島地氏の方に目を向けられました。
「ははは、そう言ってもらえるとうれしいな。」とお二人で談笑されていました。
お客さまがふと時計を見て、その時計が逆回りだということに気が付かれました。
「これは来店されるお客さまが若返る様にと願いを込めて逆回りなんです。」
「じゃあ通ってるうちに未成年になってしまうかもしれませんね。」
「そのときはコーヒーか紅茶をお出ししますよ。」
このようにゆっくりとお二人で会話をされていました。
気づけば時刻は夕方。お客さまが続々とご来店され、いつもの様に満員御礼です。
「やっぱり待っててよかったね。」
今週の格言
人を待たせるより待ったほうがいい
今週のお酒は、ラフロイグ10年。イギリス王室御用達の証であるロイヤルワラントが刻まれたアイラ島を代表するモルトです。
プロフィール - 島地勝彦
メンズ館8階=イセタンメンズレジデンス<サロン ド シマジ>のプロデューサー。1941年生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。「週刊プレイボーイ」に配属され、1983年に同紙編集長に就任、柴田 錬三郎・今 東光・開高健を回答者に据えた「人生相談」で一世を風靡し100万部雑誌に育て上げる。その後、「PLAYBOY日本版」「BART」の編集長を歴任。集英社インターナショナルの代表取締役を経て、2008年に退任。現在は作家・エッセイストに転向。
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