【インタビュー】ウールと、ちょっとカシミヤ|ファッションディレクター長谷川昭雄が監修する雑誌<CAHLUMN>が、今季一推しのシティウェアを提案するイベントを開催。|THE T-SHIRT 2024 @ ISETAN MEN’S
- 05.08 Wed -05.28 Tue
- 伊勢丹新宿店 メンズ館1階 プロモーション
スタイリスト/ファッションディレクターの長谷川昭雄氏がクリエイティブディレクターを務める<CAHLUMN/カウラム>は、服を作りながら不定期でライフスタイルマガジンも刊行しているメディア。
5月8日(水)より伊勢丹新宿店 メンズ館1階 メンズ館1階 プロモーションでは、<CAHLUMN>が春夏向けのシティウェアを提案するイベントを開催。「ウールと、ちょっとカシミヤ」と題して、春夏から秋冬までオールシーズンに対応する機能素材、ウォッシャブルメリノウールやカシミヤを使ったTシャツの展示、販売を行います。
ラインナップは<SNBYA.H>、<AMERIYAS>、<BODHI>。同時に今回のイベント用に7冊目となるマガジンの5.4号をリリース。会場で無料配布致します。また、同誌のカバーを描くアーティストのKAMI氏や同梱されるステッカーを描いたグラフィティーライターのSECT UNO氏によるプリントTシャツの販売や、SECT UNO氏の描いたグラフィックの刺繍Tシャツのオーダー受注会も会場限定で行われます。
- 開催期間:2024年5月8日(水)~5月28日(火)
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階 プロモーション
*混雑時には入場規制または整理券を配布し対応させていただく場合がございます。
*また当日の混雑状況次第でご案内方法の変更の可能性がございます。あらかじめご了承ください
*混雑状況により、購入点数を制限させていただく場合がございます。
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長谷川昭雄氏インタビュー
――これから夏なのに、ウールとカシミヤのT シャツでいいんですか?
長谷川昭雄(A.H): ウールとかカシミヤは、春夏にこそ、めちゃくちゃ快適な素材なんだよ。
コットンよりも。で、吸湿速乾で抗菌、消臭効果がある天然の機能素材なんだ。だから、化繊
なんかよりも断然着心地がいい。それを伝えたくて、この企画をやりたいと思ったんだ。研究
開発に時間がかかるから、<CAHLUMN>でT シャツはまだ作れてないけどね。
――そうなんですね。機能性でいうと、たとえばどんな点に優れているんですか?
A.H: 機能という面では、本当にいいことしかなくて。たとえば、天然の抗菌、消臭効果があっ
て臭いが付きにくいから、数日間着ても大丈夫。だから、出張とかにすごく便利。僕は、コットンのT シャツなら分厚いものが好きだけど、あんなものを何枚も出張に持って行くと、すごく嵩張るし邪魔になる。しかも、T シャツの下にタンクトップも着るから、それも合わせるとすごい荷物になってしまうんだ。ところが、僕が<SN>と一緒に始めた<SNBYA.H>では、ウールのT シャツとタンクトップも作っているんだけど、薄くて軽いから、コンパクトに収まるんだ。それはカシミヤも同じで、臭いもしないから、数日なら洗濯しなくても大丈夫なんだ。ということは、日程が短い出張には1枚でいいし、着替えもいらない。ただ、汗の塩で白っぽくなってきてしまうから、一応替えは持って行ったほうがいいのだけれど、洗えばすぐに乾くしね。
――コンパクトさという点は、意外と知られていないことかもしれませんね。
A.H: あと、ボディの色は、ウールとカシミヤは基本的には白が作れないんだよね。オフホワイトになってしまうか、こういう濃色しかない。でも逆に言うと、シックで大人っぽいのが魅力。コットンのT シャツなら、白いほうが清潔感があって好きだけど、たとえば仕事の商談とかするような人たちは、白いT シャツで行くのも、体裁が少し気になると思う。でも、ウールとカシミヤのT シャツは濃い色が多いから、仕事着にもいいと思う。もともとスーツを毎日着ていた職種の人たちも、今はそれほどスーツを着なくなっていると思うから、そういう人たちにぜひ、着てほしい。黒いT シャツって、洗っていくうちに少しずつ白っちゃけてくるけど、ウールは繊維の奥まで色が染み込むので、色落ちしづらくて、長持ちするし、洗濯機でも普通に洗える。カシミヤもそれほど洗濯をおすすめはできないそうだけど、<BODHI>は生地にしてから一度洗って縮ませているので、水洗いしても縮みにくいみたいだよ。
――洗濯してもいいというのも、あまり認知されていないような気がします。目から鱗ですね。あとは、どんな機能があるんですか?
A.H:「臭いにくい」ということかな。汗が臭いのもとになっているのだけれど、ウールは菌が繁殖しにくいって、3ブランドの人たちが共通して話していたね。そもそも羊の毛には抗菌作用があるらしいんだ。バクテリアが繁殖しやすいと羊が病気しやすくなってしまうから。人の髪の毛も同じだけど、毛自体にもともとバクテリアが繁殖しづらい機能があるらしくて。だから、汗から出るいろんな成分で、普通ならバクテリアが繁殖してアンモニアとかに変わって臭いのもとになっていくけど、それが出にくい。コットンの T シャツに比べたら、断然臭いがしないんだよね。
――ウールは羊の毛で、カシミヤはヤギの毛からできている。ともに、動物の毛という天然素材だからこそ、そこにもともと備わった機能があるんですね。臭いが付きづらいのは、大人のエチケットという点でも魅力的ですね。
A.H:<BODHI>のカシミヤも、ヤギと羊という動物の違いなだけで、同じような原理みたい。ウォッシャブルメリノウールの糸はクルクルした毛を伸ばして、毛の表面を加工して作っているんだけど、カシミヤはそもそも直毛だからコーティングなしで作られているんだ。油分量がウールよりも多いから、バクテリアの繁殖がしにくい性質があるらしい。あと、消臭効果と防臭効果を両方持っているみたい。臭いを吸い取ることができて、臭いも付きづらい。さらに汚れも付きづらい防汚効果もある。なおかつ、羊が太陽から身を守るために持っている機能として、紫外線にも強いからUV カットにもなる。<BODHI>が使っているカシミヤのヤギは内モンゴルに生息していて、夏は40度で冬はマイナス30度という環境にいるから、その寒暖差に対応する天然の毛は、人が着るときでも機能するということだよね。
――タフな環境で育っている分、機能面も豊かなんですね。それ以外にも利点があると聞きましたが、特筆すると、どんな点が挙げられますか?
A.H: 洗濯回数が増えると、海洋汚染が進むでしょ? これは抗菌してくれて、ニオわないから洗わなくていいんだ。だから、少しでも環境を考えなければいけない今の時代に合っていると思う。ファッションって、サステナブルのような取り組みが意外と難しくて、結局はポリエステルとか化繊の服を作らざるを得なくなっているわけで。ウールとカシミヤはその点でも理にかなっている。いい捉え方をすると、羊もヤギも、基本的には毛がどんどん生えてくるものを刈っているだけで、殺しているわけではない。ウールの羊はオーストラリアとか多いらしいけど、土地があって、雨が降って、草が生えて、それを羊が食べて、羊の毛が生える。メリノ種って毛が伸び放題なので、年に2回ぐらい毛を刈ってあげないとならないのだとか。要するに、太陽と水と土があれば、ずっと採れ続けるんだよね。しかも、ウールとカシミヤ100% なら、タンパク質(プロテイン)なので、土に還って、肥料にもなるらしい。
――いま世界のファッション業界全体が直面している問題に対しても、ウールとカシミヤは一歩先を行っているんですね。
A.H:あと、ウールとカシミヤは、多少濡れても、サラッとしているところがいいんだ。コットンだと、吸水はするけど放出はしづらいから、肌にベタつくけど、ウールって水分を閉じ込めるんだよね。よくウールの服を洗濯した後に、濡れてはいるんだけど、濡れてない感じがする。
あれって、表面は濡れていないけど、繊維の中に水分を閉じ込めているからなんだって。ウールの断面って、中は蓮みたいに穴が開いていて、外側は少しツルツルしているから、外側から中の穴に向かって、水蒸気がどんどん入っていって、最大で自重の35% ぐらいの水分を閉じ込めることができるらしい。だから、ウールは触るとドライな感じがする。ただ、日本の夏は、多湿すぎるからウールとカシミヤのその機能が追いつかない。でも、真夏じゃないかぎりは、すごく機能して、コットンより全然いい。ある人は、洗濯機から乾燥機をかけない状態でそのまま着てしまう人もいるぐらい。<SNBYA.H>では、タンクトップとT シャツの重ね着の提案をしているんだけど、中に着るタンクトップのほうで汗を吸ってくれるんだよね。
――だから表面はドライな肌触りなんですね。タンクトップの重ね着のメリットも、コットン
よりも理にかなっているんですね。
A.H: ウールとカシミヤT シャツのよくないところでいうと、薄いから、体の線が出やすいところかな。ただ、ある程度、太らないようにしなければいけないと戒めるためにいいんじゃないかな(笑)。たとえば、登山家は、登山中に洗濯ができないから、肌着を化繊ではなくウールにする人がいる。だから、アウトドアブランドの肌着にメリノウールが使われていることが多いけど、シームとか縫製がアウトドア的すぎるのがすごく嫌で。<SNBYA.H>ではパッカリングとかパターンとかを工夫して、街着として普通に着られるものを作りたかったんだ。機能性を重視すると、ジャストフィットで着ることが一番だと思う。つまり、登山ではジャストサイズで着ないとハイパフォーマンスは出ないけど、街着だと厳しい。いつも着ているような、ちょっとゆったりしたシルエットで服づくりをしていくということが、3ブランドが共通して目指したところでもあるんじゃないかな。ゆったりさせることで、生地の面積が大きくなる分、金額が高くなってしまうけど、長持ちもするし、ゆったり着ることで、涼しげでもあるから。
――夏に着るうえでも、本当にいいことしかないですね。
A.H: ちなみに、冬は暖かくて、断熱性が高い。夏は暑さから守ってくれて、冬は寒さから守ってくれる。だから、ワインのボトルバッグにウールを使うのもいいのかな。古着のセーターとかで作ったら、クッション性もあるし、断熱性もあるから、いいのかもしれない。
Fashion Direction, Styling:Akio Hasegawa
Photography:Seishi Shirakawa
Edit & Text:Hiroshi Kagiyama
その他商品詳細
Brand’s Profile
<BODHI>
<Ameriyas>
<SNBYA.H>
<CAHLUMN>
刺繍受注イベント
5月18日(土)から5月28日(火)の期間中、<CAHLUMN>SECT UNO氏との限定Tシャツ、<SNBYA.H><BODHI><Ameriyas>のTシャツいずれかをお買上いただいたお客さまに、「LAUGH AND SUNNYDAY」による刺繍サービス(有料)を受注で承ります。
- 受注期間:5月18日(土)~5月28日(火)
- 刺繡価格:大 2,200円、小 1,100円
- お渡し機関:7月下旬以降~
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階 プロモーション
販売方法について *5月10日(金)更新
「長谷川昭雄氏セレクション」
販売方法について
■伊勢丹新宿店 メンズ館1階 プロモーション
5月10日(金)更新
《5月11日(土)・18日(土)の販売方法に関して》
THE T-SHIRT 2024 @ ISETAN MEN’S「長谷川昭雄氏セレクション」にご入場ご希望のお客さまは、午前10時10分までに伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ裏(図中★の位置)までお越し下さい。入場の順番を決める抽選を行います。
※抽選の時間に遅れた場合は、いかなる理由であっても抽選には参加いただけません。
※どちらも抽選実施後、随時一般整理券をお配りいたします。
※お一人さま1型1点までとさせていただきます。
※抽選にご参加され、整理券をお持ちになった方ご本人のみ入場が可能となります。ご同伴者さまはご入場いただけません。
※商品の数に限りがございますので、ご入場前にご希望のお品物が品切れになってしまう場合もございます。予めご了承ください。
《5月8日(水)の販売方法に関して》 *抽選は終了しました。
THE T-SHIRT 2024 @ ISETAN MEN’S「長谷川昭雄氏セレクション」にご入場ご希望のお客さまは、午前10時10分までに伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ裏(図中★の位置)までお越し下さい。入場の順番を決める抽選を行います。
※抽選の時間に遅れた場合は、いかなる理由であっても抽選には参加いただけません。
※どちらも抽選実施後、随時一般整理券をお配りいたします。
※お一人さま1型1点までとさせていただきます。
※抽選にご参加され、整理券をお持ちになった方ご本人のみ入場が可能となります。ご同伴者さまはご入場いただけません。
※商品の数に限りがございますので、ご入場前にご希望のお品物が品切れになってしまう場合もございます。予めご了承ください。
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*価格はすべて、税込です。
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
*イベント会期中のご案内につきましては、予告なく変更させていただく可能性がございます。予めご了承ください。
*当日の混雑状況によっては、購入までに長時間お待ちいただく場合がございます。
*ご購入希望者多数の場合は、お越しいただいてもご希望の商品をご購入いただけない可能性がございます。
*販売方法を追記しました。 5月10日
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伊勢丹新宿店 メンズ館地下1階 肌着・靴下・ナイティ
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