ステレオタイプを打ち破る、"快適&酒脱"な名靴の新境地とは? 『THE GENTLEMEN CLOTHING SPRING & SUMMER 2024』
スニーカーをはじめとするコンフォートシューズが全盛を迎える昨今。上質、かつ他人とカブらない知られざるエフォートレスな靴がトレンドとなり、より関心が高まっている。一方、王道クラシックな靴ブランドであっても、誰もが知る定番モデルとは一味違う、新境地とも言えるようなリラックスして履けるモデルに注目が集まっている。そんな、快適かつ洒脱な、大人の新たな選択肢としてうってつけの4ブランドをご紹介。
<Y-3/ ワイスリー>
スニーカー界の大定番を再解釈
今季メンズ館地下1階紳士靴で初登場となるのは、〈アディダス〉がクリエイティブディレクターとして山本耀司氏を迎え入れたコラボレーションブランドである〈Y-3〉。モードなデザインのスニーカーを多数ラインナップしているが、注目したいのはクラシックスニーカーをベースにしたシリーズだ。「スーパースター」や「ガゼル」、「スタンスミス」といった〈アディダス オリジナルス〉の大定番スニーカーを再解釈したデザインは、エッジの効かせ方が絶妙。白・黒に統一したミニマルな色使いだが、凹凸やパンチングでアイコンのスリーストライプスを表現するなど意匠は実に凝っている。アッパーはレザーが主体のため上質感もアップ。セットアップなどテーラードウェアとの相性も抜群だ。
<HENDERSON/ヘンダーソン>
柔らかくしなやかな履き心地
イタリア北部に拠点を構える〈ヘンダーソン〉は、知る人ぞ知る実力派シューメーカーだ。とりわけコンフォートシューズ作りのスペシャリストとして知られ、世界的トップブランドからも靴作りを依頼されている。高品質なレザーとアウトソールを惜しみなく使った一足は、極めて柔らかな履き心地を実現。今季メンズ館では、鉄板のコートシューズ型のスニーカーに加えてスエードスリッポンも展開。A 、Bはアンライニング仕立てで抜群の軽やかさを叶えたもの。サドルを省いたUチップのC〜Fは、近年洒落者たちの間で人気が集まっているデザインで、上品でありながら独特の抜け感を備えた表情が魅力だ。
<SANTONI/サントーニ>
時代のムードを捉えた知られざる名靴
〈サントーニ〉といえば、グラマラスなシェイプで色気を放つドレスシューズ、あるいはクリーンなレザースニーカーをまずイメージする方が多いことだろう。それだけに、こちらで紹介するスリッポンは新鮮に映るはずだ。前ページでも触れたとおり、サドルレスのUチップスリッポンは今、ウェルドレッサーたちがこぞって注目する旬のデザイン。ドレスパンツにもマッチする上品さを備えつつ、どこか力の抜けたリラックス感を足元に演出できるのがその醍醐味だ。さらによく見ると、スエードに自然な濃淡をつけてニュアンスを加えていることに気づく。ドレスシューズにもしばしば用いられるアンティーク調の仕上げは〈サントーニ〉ならではの手腕だ。
<Church’s /チャーチ>
既存のイメージを覆すEVAソールの採用
1999年にプラダグループとなり、大きく躍進を遂げた〈チャーチ〉。質実剛健な靴作りにモードの革新性という武器が加わり、名門ひしめく英国靴業界において唯一無二の存在となっている。「コンサル」(F)や「シャノン」(B)といった大定番は堅持しつつ、英国靴の固定観念を覆すような新機軸を続々と打ち出しているのだ。その代表例といえるのが「ストラットン L」(C)。ドレス木型の名作「173」を採用してシャープに仕上げ、ソールにはEVAラバーを装着して圧倒的な軽快さを実現している。まさに温故知新の一足といえるだろう。ややロングノーズに仕上げた「ゲイツヘッド」(A)やスニーカーソールのカジュアル靴など、モダンな休日靴も良作揃いだ。
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Text:ISETAN MEN’S net
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