【特集】クラフトマンシップとデザイン性を両立!バイヤーが語る、革小物の新潮流
世界的メゾンブランドから知る人ぞ知る実力派ブランドまで、多彩な革小物を取り揃える伊勢丹新宿店メンズ館。しかし、バイヤー宮下はこう話します。「実は今まで、メンズ館には“革小物の空白地帯”がありました。今季は、その空白を埋めるブランドに注目しているのです」。さて、その心とは?
ありそうでなかった、革小物の新境地に注目
「メンズ館の革小物コレクションは今、大きくふたつの柱で成り立っています。ひとつは、ファッション性・デザイン性に優れたラグジュアリーファッションブランドの革小物。そしてもうひとつは、素材や技術に特化したファクトリーブランドです。それぞれファンのお客さまがいらっしゃって、人気を支えていただいているわけですが、いわば両極的なこの二本柱の“間”をお求めのかたも少なくないのでは?とも思ったのです」
昨年メンズアクセサリーバイヤーに就任した宮下は、革小物の現況についてこのように感じたと話します。そして宮下の言う “クラフトマンシップとデザイン性の両立を体現するブランドとして新たにバイイングしたのが<ITTI/イッチ>と<ED ROBERT JUDSON/エド ロバート ジャドソン>でした。
「どちらも革小物ブランドとしては珍しく、デザイナーを冠しているところがポイントです。それだけに、ルックスはとてもファッショナブル。一方で、どちらのデザイナーもモノづくりに強いこだわりがある方ですので、クオリティも申し分ない。クラフトマンシップとデザイン性の魅力を兼ね備えたバランスに目を奪われました。機能面にもユニークなアイデアが詰まっていて、それも新鮮に感じましたね。これなら、ファクトリーブランドが並ぶメンズ館レザーグッズ売り場の中に並べても違和感なくハマりつつ、新しいご提案ができるなと思ったんです」
昨年のクリスマス時期から販売を開始したふたつの新ブランド、その反応に、宮下は確かな手応えを感じたといいます。
「デザイナーズブランドの洋服を着こなしたお客さまたちが、<ITTI/イッチ>や<ED ROBERT JUDSON/エド ロバート ジャドソン>にとても興味をもっていただいたんです。まさに思い描いていたところでしたので、とても嬉しかったですね。ルックスやクオリティに加え、価格にも魅力を感じていただいている様子でした。新しい財布に買い替えたいけれど、いまいちピンとくるものが見つからない……と感じていらっしゃる方にぜひおすすめしたいですね」
昨年クリスマス時期から展開以降、大好評の<ITTI/イッチ>。
武蔵野美術大学を卒業したデザイナーの青木 渉さんが2017年に始めたブランドです。
「青木さんのお祖父様は、昭和を代表する書道家として知られる青木香流氏。その活動に感銘を受け、ご自身もファッションを通じて日本の伝統を継承したいと思ったことが革小物デザイナーになったきっかけだそうです。昔ながらの革小物作りが息づく東京下町で生産を行っていて、日本職人の技がいかんなく発揮されたクオリティは非常にハイレベル。デザインに関しても、一見シンプルながら非常に凝っています。聞けば、洋服の型紙にあたる金型を何度も微修正しながら試行錯誤しているそう。これはとてもコストがかかることなので、青木さんのこだわりが窺えますね」
こちらも先日販売開始したばかりの<ED ROBERT JUDSON/エド ロバート ジャドソン>。
インポートブランドのような響きの名前ですが、デザイナーの江崎 賢さんが2009年に立ち上げた日本発のブランドです。
「ブランド名は“架空の職人”をイメージしたもので、ファスナーを発明したウィットコム・L・ジャドソンとバネを考案したロバート・フックの名前に由来してつけたそうです。ちなみに“エド”は日本発であることの矜持を込めて“江戸”から着想しています。
バネとファスナーの発明者をブランド名に掲げているだけあり、プロダクトデザインのエッセンスを融合させた革小物作りが<エド ロバート ジャドソン>の特徴。電気のスイッチを思わせる金具をあしらった財布(写真右上)などはその象徴的な例ですね。
コインケースの構造など、設計の面でもプロダクトデザインの魅力を感じられます。ファッション性・クオリティ・機能性のバランスが非常に優秀ですね」
コンパクトウォレットとカードケースのディテールをご紹介!
今期メンズ館でお取り扱いがあるのは、両ブランド共に「コンパクトウォレット」と「カードケース」。その仕様を解説します。
<ED ROBERT JUDSON/エド ロバート ジャドソン>
■三つ折り財布(ゴートレザー)
展開カラー:ブラック/グリーン 31,900円<エド ロバート ジャドソン>からは今季、三つ折り財布をバイイング。こちらはユニークかつ機能的な仕様に注目です。
「コインケースには板状の口金がついていて、左右から指でつまむと開く構造になっています。ワンタッチで開閉できるのが魅力ですが、さらに便利なのが、その先に“受け口”を設けていること。を逆さにして口を開けると、滑り出てきたコインがこの受け口にキャッチされる形になります(写真左上)。これなら、指を入れてコインを探す必要なし。非常に考えられていますね。スナップボタン式のフラップがついた大容量のカードポケットも便利です」
■三つ折り財布(シープレザー)
展開カラー:ブラック/グリーン/ブラック×グリーン*メンズ館別注カラー 34,000円 「デザイン性を重視される方にはこちらがおすすめ。工業的な電気のスイッチにインスピレーションを得たという留め具使いが大変アイコニックです。メンズ館別注として、外側をブラック、内側をグリーンに切り替えたコンビカラーもご用意しました。開けたときに目を引くさりげないアクセントがポイントです。札入れ、カードポケット、コインケースと収納力も備わっています」
便利なカード&コインケース、一体型のデザイン
■カード&コインケース(ゴートレザー)
展開カラー:ブラック/グリーン/ベージュ 17,600円
「フラップポケットにカードを収め、その裏側にしつらえられたポケットにコインを入れる設計になっています。前出の財布と同様、コインケースの先に“受け口”があるので、スマートにコインを出し入れできるところが便利ですね。近頃はキャッシュレス化が進み、現金をほとんど使わなくなったという方も増えています。とはいえちょっとした際にコインが必要……というニーズに応えて、こういったハイブリッド型が生まれました」
■カード&コインケース(シープレザー)
展開カラー:ブラック/グリーン/ブラック×グリーン*メンズ館別注カラー 20,900円
「財布と同じ電気のスイッチをモチーフにしたカードケースも展開しています。こちらもブラック×グリーンのコンビカラーを伊勢丹館別注で製作しました。よく見ると、留め具の上下には「OPN」「CLS」の文字が型押しであしらわれています。これもスイッチの「ON」「OFF」をイメージしたもので、さりげない遊び心が光っていますね」
<ITTI/イッチ>
<イッチ>のコンパクトウォレットは、独自設計の札入れに注目
■Lジップ二つ折り財布
展開カラー:ブラック/ライトブルー/トープ/グリーン*メンズ館別注カラー 27,500円 <イッチ>のベストセラーとなっているのが、コンパクトなL字ジップ。
「まずユニークなのは、札入れの構造。普通は紙幣を横から滑り込ませるように入れますが、<イッチ>は縦方向に収める設計になっています。これが非常に便利で、慣れると使い勝手抜群です。コインケースもしっかりついて、手のひらサイズながら収納力抜群です」
■ラウンドジップ二つ折り財布
展開カラー:ブラック/ライトブルー/トープ/グリーン*メンズ館別注カラー 35,200円 「スマホサイズのラウンドジップウォレットも展開しています。
こちらもお札を縦に入れる設計は同様で、多数のカードポケットを備えているのが特徴。紙幣、コイン、カードを整理して収納したい方におすすめです。札入れが2つに分かれているので、紙幣と領収書を別々に収納することもできます」
■コンパクト二つ折り財布
展開カラー:ブラック/ライトブルー/トープ/グリーン*メンズ館別注カラー 28,600円
「二つ折り財布も同様に、コンパクトながら収納力にも優れています。カードポケットの部分は薄く漉いたレザーの内側にカーボンの芯を挟んで薄さと強度を両立させることで、1つのカードポケットに複数枚のカードを収納することを可能にしました。ちなみにここで紹介した<イッチ>のアイテムは、すべてペリンガー社の『シュランケンカーフ』を採用。ジップウォレットにはYKKの高級ファスナーである「エクセラ」を使うなど、素材の品質の良さも抜きん出ています」
ミニマルなデザインを求めるならエンベロープ型カードケース
■カードケース
展開カラー:ブラック/ライトブルー/トープ/グリーン*メンズ館別注カラー 14,300円 <イッチ>のカードケースは、近年人気のエンベロープ型。
「ステッチを一切使わない、ミニマルな顔つきが魅力です。開くと両側にカード収納があり、それぞれ約20枚の名刺を収納可能。片側に自分の名刺、反対側もらった名刺、という具合に仕分けしてもいいですね」
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)
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