“この足元がいいね”から始まる、靴下スタイリングの新提案
「11」という数字が靴下を2足並べたように見えること、そしてペアを表すことから、11月11日は「靴下の日」とされています。これは日本靴下協会によって1993年に制定されたもので、今年30周年を迎える由緒正しきアニバーサリーデイなのです。そこでメンズ館地下1階靴下売り場でも、この佳き日を盛り上げようと、これまで扱いのなかったスポーツソックスやこだわりブランドといった品揃えにトライしています。そこで担当バイヤーの木村に、新たな試みともいえる品揃えについて話を聞きました。
「本格的な競技で履くハイスペックな靴下は、スポーツ専門店で競技ごとにラインナップされていますが、ジムやジョギング、会社帰りのフットサルなどで気軽にスポーツするときの靴下って、どんなものを履いたらいいのかわからないですよね。オフィスカジュアルやジャケパンスタイルの浸透によって、スニーカー通勤を考えた機能的でお洒落な靴下や、フォーマルのドレスコードが拡大していることで足元のお洒落も様々に広がっています。11月11日は、そんな靴下の新しいシーンを提案する試みに取り組むイベントデーにしたいと思っています。」
オフィスに戻りつつあるとはいえ、在宅勤務もローテーション化し、靴下を履かない日が増えたとも言われますが、再び外出する機会が増えたことで、あらためてソックスを買い替える方も増えています。さらにくるぶし丈のパンツは定着しましたが、かつてのような”ノー靴下”ブームは下火となり、あらためて靴下のお洒落も見直されています。靴とのコーディネートにも新しい提案がされるなど、何気に靴下業界も動いているようです。
「ニッティングの技術が進化して精密な柄作りや立体的な編み立てが可能になってきたことも、新しい靴下を生み出す原動力となっています。これまであまり靴下にフォーカスした企画って、みられないと思うのですが、だからこそメンズ館は定番靴下の充実はもちろんですが、新しいことにもチャレンジしていこうと思っています。」
意気込む木村バイヤーに、自ら今回の目玉ブランドの靴下について解説してもらいました。スポーツ、カジュアル、ドレスアップの3つのカテゴリーからセレクトした話題作をご覧ください。
<Sports>日常の足元に本格スポーツソックスの機能性を
リアルな競技シーンから、日常に溶け込むアクティブなシーンまで、足下にスニーカーを取り入れるスタイリングの際はスポーツソックスを合わせたいところと思います。そこで本格派アスリートも着用するスポーツソックスブランドをピックアップしました。本格的なアスリート仕様の機能性を、日常使いできるカジュアルソックスに落とし込んだコレクションは、伊勢丹新宿店では初お目見えとなるハイパフォーマンスなラインナップです。
<OLENO>プロアスリートのスポーツ機能を採用したウールソックス
「パフォーマンス ウール クルー」は、アスリートがソックスに求める機能をカジュアルソックスに落とし込みました。厳選したメリノウールを採用してオールシーズンに対応。アーチサポート部分はコンプレッションを高く、かかと部分は伸縮性に優れるなどパーツごとに編み地を変更することで快適な履き心地も実現しています。
つま先は左右対称設計で着用時のフィット性を高めています。つま先の縫い合わせがフラットでゴロつかないようになっているのも細かい気配りですよね。甲部はメッシュ構造になっていて、足底部は高密度パイル地でクッション性を備えました。パーツごとのパネルカラーも個性的で、足首部分にビビッドカラーを採用している点もポイントです。
アスレジャー風のコーディネートは、スニーカーで合わせるのが定番なので、グレーにオレンジのビタミンカラーを利かせた配色ならスポーツらしさが際立つと思います。くるぶし丈ではく今どきのジョグパンを引き立ててくれるのではないでしょうか。
<VIBSOX>最新ソックス選びのキーワードは消臭・抗菌の「清潔感」
「VIBTEX」とは「VIRUS BLOCKING TEXTILE 」いうテクノロジーのことで、国内の繊維メーカーが開発した抗ウイルス加工のこと。繊維に付着した細菌やウイルスなど有害物質を、空気中の酸素と水分と化学反応することで分解を促進するのだそうです。<VIBSOX>はこの技術を使って糸からオリジナルで生産されています。コットン100%の素材は肌当たりがよいことも特長のひとつです。<FreshService>や<BIOTOP>などともコラボ展開されていて、多方面から注目されています。
足筒部分は程よく緩めにフィットするガーゼ素材の2重仕立て。肌にリブ跡がつきにくく、蒸れたりかゆくなったりすることを軽減します。履き口はリブを2重にしてずり落ち防止も考慮されています。アーチサポートはハイコンプレッション、足底部はパイル地でクッション性を高め、モデルによっては甲部をメッシュ素材にしている点にも、こだわり加減が滲むところ。スポーツに限らず、日常からビジネスカジュアルまで、多様なシーンにフィットしそうです。
カラーリングに悩みそうな蛍光グリーンのソックスも、ポップなカラーを取り入れたハイテク系のスニーカーなら違和感なく合わせられます。ラグジュアリー&スポーティな足元コーディネートも余裕ですね。
<Smart Casual>スマートカジュアルに最新の機能を秘めて
近年多様化しているビジネスカジュアルでは、足下は革靴でもスニーカーでもどちらもOKといったオフィスのドレスコードが拡大しています。このような中で革靴にもスニーカーにも合わせられるソックスは、とても重宝すると思います。これから紹介するシンプルで合わせる靴を選ばない汎用性の高いソックスこそ、いまもっとも求められているソックスといえるのではないでしょうか。
<RANGL>快適を求めて研究したL字型ソックス
筒部分は特殊な編みにすることでソフトフィットになっています。足首部分から曲線を描く4段階の編み立てがかかと部分のフィッティングを高めているそうで、この編み立てができる技術はすごく稀少で、穿いた瞬間から心踊るような高揚感と、着用時に足の気持ちを紐解くといわれる、最新の快適感は最新の技術によって生み出されています。
秋らしいスウェードのローファーには、ポイントカラーになる中肉のソックスが似合いそうです。ラングルはコーディネートしやすいシンプルカラーが揃っているので、こんな合わせ方がオススメです。
<YUQRI>「熟練の職人技術」と「最先端技術」をゆっくりと融合
機能面も最先端です。ユクリ プロテクションは抗菌防臭・消臭・制菌機能を備える機能的な靴下です。さらに足底部には吸着制のある糸を採用することで、滑りやすい革靴のレザーインソールをしっかり掴んでくれます。靴内が滑りやすい革靴が、より履きやすくなる靴下です。
フランネルのライトグレーパンツにダークカラー系のソックスは足が短く見えてしまうことがあるのでご注意を。そこでおすすめはグレー無地。パンツとくるぶしが一体化して脚長見えする視覚効果が期待できます。
<Dress Up>足元から彩るドレスアップスタイル
ビジネスはともかくパーティなど華やかなシーンでスーツを着るときには、靴も最上級の革靴を選ぶことと思います。そんなとき靴下はダークカラーの無地と相場が決まっていましたが、いまはもっと自由な色柄選びが可能です。でも探してみると、色柄のドレスソックスは意外とないもの。そこでレディスで人気のブランドに、メンズの色柄ソックスをお願いしました。
<Kiwanda>アバンギャルドでミステリアスなチラ見せ色柄
メンズではあまり使われない色柄を取り入れたり、毎シーズン、テーマに則した柄作りをしている点もデザイナーズソックスらしいところ。今季は「Black Magic」というテーマでミステリアスな色柄を豊富に展開しています。技術と知識、デザイン力に溢れるデザイナーズならではの精密な柄は必見です。
本館で展開しているレディスラインでも垣間見せていたアバンギャルドで攻めた色柄使いを、メンズソックスでも余すことなく披露しています。いままでにない色柄は、ファッション好きな男性なら年齢を問わずきっと刺さるはず。ドレススタイルにきっと彩りを添えてくれるとこでしょう。
ドレスアップしたスーツスタイルの足元には、繊細な編み柄の靴下がアクセント。靴下に意外性のある色柄使いをするのは、ジャケットの裏地に凝るようにお洒落な紳士の洒脱さを感じさせます。
Text:Yasuyuki Ikeda
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