【インタビュー】<Omar Afridi>が魅せる、インセタンメンズ でのポップアップ「A DRAWING ROOM」とは
- 08.30 Wed -09.05 Tue
- 伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ
──気鋭のジャパニーズ・デュオが「THE MOMENTS」で提示する、未来のファッションという“コミュニティ”
「Incubation for the future〜未来を創る実験〜」というテーマを掲げ、“ファッションの伊勢丹”がその威信をかけてファッション、アート、ミュージックなどのジャンルを横断して“いま”を切り取り、未来を創造する──そんな話題の取り組み「THE MOMENTS」の最新プロジェクトが、いよいよ8月30日(水)から伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージにてスタートする。
今回フィーチャーされるのは、ロンドンをベースに活動・発表され、国内での人気も急上昇中。メンズ館6階 メンズコンテンポラリーがおすすめする注目の英国ブランド、<Omar Afridi/オマール アフリディ>。
そのキーマンである日本人デザインデュオの市森天颯氏と菊田潤氏を訪ね、ブランドの現在地や今後の展望、そして最新コレクションを含めた「THE MOMENTS」で披露される多彩なコンテンツについて、話を聞いた。
対極的な要素の融合が生み出す、“心地よい違和感”
<オマール・アフリディ>は日本人デュオがデザインを手がける異色の英国ブランドだ。アフガニスタン出身のファウンダーであるオマール・アフリディは2017年、武蔵野美術大学でファッションデザインを学ん
だ市森 天颯(はやて)を前身ブランド<レオンバラ>のデザイナーに抜擢。後に市森の学生時代からの盟友で
ある菊田 潤が合流。共同でリブランディングを進める中で、ブランド名もオマール自身の名へと一新され
た。今年の2月に開催されたロンドンファッションウィークで、ブランドとしては初めてのショーも披露し
話題を呼んだのも記憶に新しい。
市森 天颯(以下、市森):「<オマール アフリディ>として、今年で5年目。24年春夏コレクションで10
シーズン目になるのですが、(前身の<レオンバラ>を除くと)僕はそれまで“作る側”で働いた経験がなかった
んです。学生の時に課題で作品は作っていたはものの、コレクションとなると話は違った。ブランドが設立
されて二ヶ月後にはロンドンコレクションでのデビューが決まっていたので急いでファーストコレクション
を作りました。
僕も菊田も、とにかく最初はコレクションを形にすることだけで精一杯で。最初の何シーズンかは勢いだけ
で突っ走り、徐々にシーズンを重ねながら『自分たちが表現したいことはなんなのか』の確認を繰り返して
きたような気がします。」
“プリミティブ・モード(原始的な流行)”を独自のデザインコードとする<オマール アフリディ>のコレクションは、テクニカルな素材に職人的技巧、あるいは伝統的な素材にテクニカルなディテールなど、相反する要素を巧みに融合させたスタイルが特徴的だ。それはツイード生地にブランドのシグネチャーとなっているスナップボタンを組み合わせるような、プロダクト内で完結しているケースもある。
しかし“プリミティブ・テック”をテーマとした23年秋冬では、クラシカルな素材のアウターにテック素材のフーディーを合わせるといった、着こなし提案を含めたムードに、この対極的要素のミクスチュアを強く感じさせる。
市森:「“プリミティブ・テック”のヒントとなったのは、テクノの野外フェスに参加したときの僕の経験なんです。テクノのイベントって、大体の人がテック系のスポーティな格好をしています。でもそのなかに1人、オーガニック感のあるコットンのシャツを着て、頭にターバン、足元はサンダルというナチュラルなスタイルでガンガン踊っている女性がいました。そういう全体感における“違和感”というか、ちょっとしたノイズのようなものに、すごく惹かれてしまったんですよ」
プロダクトやスタイル、ムードや世界観全体で生み出すクラシックとコンテンポラリーの融合。この鮮烈なカウンターのような“心地よい違和感”こそが、<オマール アフリディ>ならではの魅力といえそうだ。
<オマール アフリディ>のクリエーション、世界観を象徴するコミュニティ
今回、イセタンメンズが満を持して全館企画「THE MONENTS」のフィーチャーブランドとして白羽の矢を立てたのが、ほかでもない<オマール アフリディ>である。この「THE MOMENTS」で、<オマール アフリディ>の“世界観”を伝えるポップアップショップを開催したい──そんなイセタンメンズのリクエストに対する彼らの回答は、<オマール アフリディ>のクリエーションの延長にある“コミュニティ”を表現するということだった。
菊田 潤(以下、菊田):「服作りにおける“自分たちらしさ”を確立したいと思ったとき、僕たちのクリエーションを軸に、どのように横のつながりを広げられるか、どんなコミュニティを構築して世界中の人と繋がることができるか、そんなことを考えるようになりました。この“コミュニティ”こそが、最近の僕らのキーワードでもあるんです」
人気スタイリストでプロジェクト「K8.0」を主宰する猪塚慶太、そして猪塚とも親交のあるフォトグラファーで、クリエイティブユニット「サウンドスポーツ」のメンバー石井涼太や、クリエイティブディレクターであり、プロダクト/空間デザイナーとして活動する「フォーミュラ」の柳澤春馬。さらには韓国を拠点にする「リー・シサン」や「オ・ヒョンソク」など、名だたるクリエーターがコラボレーターとして集結。<オマール アフリディ>と同じコミュニティに属する一員として、「THE MOMENTS」を盛り上げてくれるのだという。
最新の23年秋冬コレクションに加え、この会場のみで販売される別注アイテムや家具コレクションなどが一堂に会するこのポップアップは、まさに<オマール アフリディ>的世界観の結晶。ともに未来を描こうとする、“コミュニティ”そのものといえるだろう。
菊田:「猪塚さんは僕がまだ東京の古着屋で働いていた頃、その店で初めてお会いしました。何度かお話させていただいているうちに、僕が留学準備のポートフォリオとして、たった1シーズンだけ制作した<コレキヨ>というブランドのことをご存知だということがわかって……。個人のInstagramでしか公開したことがないくらいのマイナーブランドを知っているなんて、一体どんなリサーチ力をしてるんだと。それ以来なにかと仲良くさせていただいていて、今回もイベント用のスペシャルヴィジュアルを製作していただけることになりました。猪塚さんとは、別注のコラボアイテムも製作しているんです」
聞けば、猪塚との協業による<Omar Afridi×K8.0>名義のエクスクルーシブアイテムは、カンフーシャツとカンフーパンツのセットアップを意識したものなのだそう。
菊田:「お互いがいま何に興味があるかという話をした時に、猪塚さんがカンフーにハマっていると(笑)。単体でもセットアップでも着ることもできるスタンドカラーのシャツとパンツだけど、シルエットはカンフーっぽいのがすごいかっこいいと思うんだよねとなって。そこから徹底的にカンフー着をリサーチし、着丈だったり、パンツの太さや生地のテンションのベストを追求しましたね」
世界へと広がった<オマール アフリディ>のコミュニティは、それぞれにこだわりが強く、エッジィなクリエーターばかり。だが誰もが多忙を極めるなか、「オマールのためならば!」とコラボの依頼を快諾。<オマール アフリディ>の最新コレクションを軸に展開される家具や映像、別注&セレクトアイテムで構成される立体的で奥行きのある“世界観”は、未来のファッションブランドのひとつのあり方を示しているといっても過言ではない。
菊田:「今回は念願かなって、大好きな人たちとご一緒できるのが本当にうれしいですね。うれしいんですけど、めちゃくちゃ“大変”。特に海外とはリモートでのやりとりということもあってビックリするほど大変で……。ただ最後、同じ空間にみんなのものが集まるのをすごく楽しみにしています」
伊勢丹や「THE MOMENTS」への期待と、今後のビジョン
すでにメンズコンテンポラリーで不動の人気を獲得している<オマール アフリディ>だが、メンズ館1階 ザ・ステージで行われる「THE MOMENTS」のポップアップともなれば、注目度や来店者数は比較にならないほど高まるだろう。菊田:「伊勢丹といえば、海外であっても展示会にいらっしゃる方なら誰もが知っているような存在ですよね。新宿という街の魅力もあるし、まさに日本の“顔”のようなショーケースだと思っています」
市森:「お酒好きな僕らとしては、“デパ地下”といえば?といわれても『伊勢丹』が真っ先に思い浮かびますけどね(笑)」
菊田:「確かに(笑)。ファッション分野では特に突出していて、今回開催させていただくポップアップの会場も、錚々たる一流ブランドさんがフィーチャーされてきたスペシャルな空間。経済的に飛び抜けて豊かな方も数多くいらっしゃるようなので、僕らが普段お目にかかれないような、<オマール アフリディ>のことをご存知ない方々と出会えるのが、いまからとても楽しみですね」
市森:「会期中は店頭に立たせていただく日もありますし、僕らが普段接点をもつことが難しそうな方々とお話できるというだけで、大変ありがたいですよね。<オマール アフリディ>を表現し、より多くの人と繋がる“場”を提供していただけたのが、何よりうれしいです」
<オマール アフリディ>は伊勢丹で新たな顧客と出合い、彼らに大きな刺激を与えることだろう。だが同時に伊勢丹も、<オマール アフリディ>の斬新な表現からジャンルを越境する次代のファッションの息吹を感じ、新たな顧客や若い世代のファッショニスタたちと出合うはずだ。「THE MOMENTS」とは、そんな実験的で革新的なイベントなのだ。
市森:「僕らはシーズンごとに新しい洋服を発表する、ただそれだけの“ファッションブランド”にはなりたくない。単純な繰り返しでは、どんどん新鮮味も失われていきますしね。僕らが大切にしているのはあくまでコミュニティであって、洋服を通して誰と知り合い、空間をもつことで何ができるかということが重要なんです」
菊田:「来年の頭、イーストロンドンにアトリエ兼、初の直営店舗をオープンする予定です。ここではもちろん<オマール アフリディ>の洋服を売るんですが、単なる洋服屋にするつもりもありません。市森が大好きな“食”にまつわるポップアップをやってもいいし、飲食界隈の友だちを呼んでなにかイベントをやるのもいい。家具を販売してもいい。<オマール アフリディ>を通して、僕らは人と繋がりたいんです」
ファッションとはなにか、かっこいいとはどういうことか──ファッションブランドの常識を華麗に塗り替えてしまいそうな<オマール アフリディ>の本質は、きっとロンドンの新店舗で見事に具現化されることだろう。だが“サンプル”のような体験が、この「THE MOMENTS」という自由で、立体的な空間で繰り広げられることになるはずだ。
<オマール アフリディ>「A DRAWING ROOM」ポップアップ
8月30日(水)の店頭販売について
■伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ
ご購入をご希望のお客様は、伊勢丹新宿店 メンズ館1階 <イソップ>脇階段までお越し下さい。
午前10時15分より、入場の順番を決める抽選を行います。 (抽選の時間に遅れた場合は、いかなる理由であっても抽選には参加いただけません)
混雑緩和のため、エムアイカードをお持ちの方と、エムアイカードオンライン申し込みが完了している方を優先して抽選と入場をスタートいたします。
*上記URL以外から申し込みされた場合、対象外となりますのでご注意ください。
*抽選の際にエムアイカードのご提示か、エムアイカードオンライン申し込み完了メールの画面をご提示いただけますと、優先抽選にご参加いただけますので、エムアイカードをお持ちでない方は抽選開始時間までにオンライン申し込みの完了をお願いいたします。
*エムアイカードをお持ちでない方、オンライン申し込みが抽選開始時刻までにお済みでない方は、いかなる理由であっても優先抽選にはご参加いただけませんので予めご了承ください。
*エムアイカードをお持ちでない方、オンライン申し込みが抽選開始時刻までにお済みでない方は、優先抽選が終了後に抽選を実施させていただきます。
*エムアイカードをお持ちのお客さまとオンライン申し込みが完了されているお客さまの人数により、当選枠が埋まってしまう可能性がございます。その際は抽選を終了させていただきますので、予めご了承ください。
*抽選の時間に遅れた場合は、抽選にご参加いただいた方の最後尾からお並びいただきます。
【お客さまへのお願い事項】
・ご入場いただいたお客さまご本人さま名義の決済のみ有効とさせていただきます。 当日は顔写真付きの身分証明書をご持参ください。
・ご購入希望者多数の場合、抽選に当選いただいてもご購入いただけない可能性がございます。
・抽選にご当選されたお客さまも、ご案内まで少々お時間を頂く場合がございますので、予めご了承ください。
・お並びの状況により、購入制限を設けさせていただく場合がございます。
*当日変更させていただく場合がございますので、予めご了承ください。
- 開催期間:8月30日(水)~9月5日(火)
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ
<オマール・アフリディ>がポップアップ開催!23年秋冬の新作やクリエーターと協業した多彩なアウトプットを展開
*誠に勝手ながら、2023年9月1日(金) 伊勢丹新宿店本館・メンズ館は全館イベント開催につき休業させていただきます。
THE MOMENTS
服と出合い、選び、身にまとい、装う・・・。ファッションにまつわる一連の動作に思いを馳せてみると
そこにはいつも、そのときの気分が隠れているはずです。
ファッションは、自己表現のためのツールである。
そう捉えることで、さらに身近なものになっていくのではないでしょうか。
自分らしさを自由な形で表現できるようになった時代だからこそ
ファッションももっと枠にとらわれないものへ・・・。
装うことで気持ちを明るく。足取りを軽やかに。いつもと違う自分に。
私たちを新しい場所へと導いてくれる可能性に満ちているのです。
わたしたちの気分を変え、自分軸を拡張し、
自分らしく世の中とリンクできるもの。
そのすべてがファッションであり、自分のスタイルになる。
この瞬間に寄り添った在り方と楽しみ方を提案していきます。
- 2023年8月30日(水)から
- 伊勢丹新宿店 本館3階 センターパーク/プロモーション、リ・スタイル、インターナショナルクリエーターズ、インターナショナルデザイナーズ
- 伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ、メンズ館2階 メンズクリエーターズ、メンズ館6階 メンズコンテンポラリー
- 伊勢丹新宿店 本館5階 センターパーク大、プロモーション
Text:Junya Hasegawa(america)
photographer:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)