メンズ館で出会った、ジュエリーマニア 菱沼さん「店頭ではMyジュエリーはシンプルに。気軽に入りやすい店作りを心掛けています」
伊勢丹新宿店 メンズ館にはマニアックな知識をもつファッショニスタから、ハイセンスなウェルドレッサーまでさまざまなスタイリストがお客さまをお迎えします。しかし誰もがはじめはお洒落の初心者。若い頃、初めて買ったアイテムには並々ならぬこだわりもあるはずです。今回クローズアップする「ジュエリーマニア」の菱沼さんも、16歳のとき初めて買ったピアスを、今も大切にされているそう。
ジュエリーは「人生の節目」と「奇跡の出会い」の記念品
「初めて自分で買ったジュエリーは16歳のとき。当時高校生の僕にとって、1万円のピアスは結構頑張った買い物でした。学校にしていくのは校則で禁止されていたのですが、それでも隠して付けていました。そういうのがカッコいいと思ってたので。」中学生の頃から洋服に興味を持ちはじめ、友達と、ときにはひとりでも原宿へ遊びにいっていたという菱沼さん。高校生になるとアルバイトでお金を貯めて、服とジュエリー&アクセサリーにそのほとんどをつぎ込んでいました。
自分で買ったジュエリーは、ピラミッド型のブラックオニキスがセットされたシルバーピアス。いまも大切にお持ちです。
「このピアスは、いまジュエリーの世界で仕事をしている僕の、原点となった最初のアイテム。それから今日まで、本当にたくさんのジュエリーを買い集めてきました。なかには売ってしまったり、人に譲ったり、なくしてしまったものもありますが、これは思い入れが強すぎて、一生手放さないと思います。」
ジュエリーのひとつひとつに思い出があるという菱沼さん。ジュエリーは人生の節目や、強い決断をしたときに買うことが多いのだそう。自身も店長に昇格したときや、転職したときにジュエリーを買い揃えてきたのだそうです。
「でも、意外と買うつもりがなく覗いた店で、出会ってしまうこともあるんです。あるとき、ふと覗いた店で、ずっと欲しかったネックレスとペンダントを見つけたときは15万円下ろしにATMに走りました。そういう奇跡的な出会いも大切にしたいと思っているんです。」
大切なジュエリーだからこそ大切な人へと受け継いで
思い返すと、幼い頃からジュエリー&アクセサリー好きだったといいます。それは、まだ小学校に入学する前のこと、友達と近所の公園で遊ぶときも、おもちゃのアクセサリーをつけていくことを忘れない子供だったのだそうです。
「500円ぐらいのプラスチックのアクセサリーでしたけど、必ず付けて遊びに出るような子供でした。よく母と一緒に買い物に行くと、アクセサリー屋さんに立ち寄っていたことも覚えています。今思えば、元々は母がアクセサリーやジュエリー好きだったのかもしれません。キラキラしているものが好きだったのは、そんな母の影響だったのかな。」
幼い頃からキラキラ輝く宝石に興味があり、鉱石とか天然石などを集めていたことも。やがてロックに夢中になっていた6歳上の兄の影響も受けて、ジュエリー熱は本格化していきます。
「当時から兄はジュエリーをジャラジャラさせていて、それが弟の僕から見るとカッコよかったんです。年が離れていたこともあって、あまり話した記憶はないのですが、服とかブランドとかの話しは兄としていました。15万円のネックレス&ペンダントは、何年か前に兄に上げたんです。」
僕がつけなくなったジュエリーは兄の他、後輩やお世話になった人に受け継いでもらうのも、菱沼さんにとって大切なジュエリーの使い方。自身が大切にしてきたジュエリーを受け継いでもらうことは、菱沼さん自身の「思い」を手渡すことなのでしょう。
ジュエリー初心者も上級者も、女性も入りやすい店作り
伊勢丹新宿店メンズ館1階のジュエリーコーナーは、正面入口入ってすぐ右手。じつはこのコーナーは、菱沼さんをはじめ、さまざまなブランドからセールススタッフが集っています。菱沼さんは、恵比寿に本店があるS.O.S fpのスタッフ。同店で扱うブランドだけでなく、他ブランドを販売することもあるため、商品知識はつねにアップデートしているのだそう。「接客時、他のブランドついてもご説明したり提案することはよくあります。そのために、普段からセールススタッフみんなと交流することで知識を蓄えているんです。お客様は、どこのブランドのスタッフなのか、わからないですから、僕たちは自分のところだけでなく、他社ブランド、アイテムについてもきちんと説明できるようにしなくてはなりません。新作が入ると、空いてる時間にいろいろとレクチャー受けて知識を蓄えています。」
そう話す菱沼さんはネックレスとリングぐらいのシンプルなジュエリー使い。でも、これは”伊勢丹新宿店スタイル”なのだそう。普段は全部の指にリングをセットし、小指は重ね付けすることもあるほど。両腕にバングルとブレスレット、ネックレスは重ね付けが基本で、ピアスも左右に3つずつ開いていますが、店頭に立つときは何もつけないことも多いのだそう。
「伊勢丹はジュエリー初心者のお客さまもいらっしゃるので、ジャラジャラさせてるスタッフではさすがに話しかけづらいですよね。あくまでシンプルに、ファッションと合わせて使いたいというお客さまのために参考になるジュエリーの付け方を心がけています。もちろん、上級者の方には、こんな素材でこんなジュエリーをオーダーしたいというお客さまもいらっしゃいますので、そのような場合もしっかり対応できます。」
前職のジュエリーブランドではブランドマネージャーまで務めただけあって、その知識と経験は相当なもの。あえてお客さまに合わせてスタイリングを控えめにしているとの心遣いは、ジュエリー初心者や、ウィンドーショッピングのお客さまにも安心感を与え、話しやすい雰囲気を感じさせてくれます。
「メンズ館は、女性のお客さまも多いんです。だからこそ、入りやすい雰囲気作りには気を使っています。僕がそうだったように、服やジュエリーを買いに行くことを、楽しんでもらいたいですから。是非、お気軽にお買い物に来ていただきたいですね!」
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Photograph:Tatsuya Ozawa
Text:Yasuyuki Ikeda
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