【完全保存版!ブランド徹底ガイド】vol.11 ジョンロブ
今回の【完全保存版!ブランド徹底ガイド】は、大人の男なら誰もが持ちたい憧れの革靴<JOHNLOBB/ジョンロブ>をクローズアップ!”革靴の王様”とも呼ばれ、人々が憧れてやまない<ジョンロブ>の魅力を6つのポイントから紐解いていく。
1.<ジョンロブ>が築いた150年の歴史を辿る
1829年に英国で生まれたジョン・ロブ氏はロンドンで靴の製法を学び、ゴールドラッシュ時代にオーストラリアへ渡ると、鉱夫の為のブーツを製造したことで大成功を収める。その後、1866年に自らの名を冠した「ジョンロブ」を創業し、オーストラリアでビスポークブーツのビジネスを確立した。洗練されたスタイルに最高の履き心地をもたらす<ジョンロブ>の革靴はその技術力が評価され、1862年に英国万国博覧会で金賞を受賞。翌年には英国王室御用達に任命されるほどであった。
1863年にロンドンに戻ると、リージェントストリートに「ジョンロブ」第1号店をオープン。その後、経営者が2代目ウイリアム・ロブ氏になるとパリへも進出した。
1976年、ジョンロブ社がエルメスグループの傘下に入ると、パリのアトリエにてビスポークの製作を開始(現在も英国内のビスポークのみ創業一族が継続)。1982年には既製靴のコレクションを発表した。1994年には革靴の聖地と言われる英国ノーザンプトンにファクトリーを開設し、ビスポークによって培われた精神や技術を受け継ぎながら、既製靴のデザインおよび製作を行う世界最高峰のシューメーカーとなった。
2.押さえるべき<ジョンロブ>の代表作はこれ!!
まずは<ジョンロブ>の150年の歴史の中で誕生した数々の代表作から、イセタンメンズが注目する6つの人気モデルをご紹介。ブランドの精神が吹き込まれた気品漂うこれらは、<ジョンロブ>を語るには外せない、革靴好きを名乗るなら覚えておくべきモデルだ。1.CITY 2|シティ2
1足目にご紹介するのは間違いなくこのモデル。「キング・オブ・ストレートチップ」の呼び声高い、ブランドを語るうえで欠かせない名作ストレートチップ「CITY2」だ。定番「7000」ラストを採用した、スタイリッシュなエッグトゥが美しいオックスフォード(内羽根)シューズ。
2.PHILIP2|フィリップ2
伊勢丹新宿店では限定商品として「CITY」「PHILIP」も展開している。こちらは「CITY2」,「PHILIP2」の基となったいわゆる「旧」モデル。ディテールはそのままに、「8695」ラストというややボリュームあるクラシカルなラストを採用している。
3.LOPEZ|ロペス
カジュアルスタイルにも使用できる<ジョンロブ>の代表的なローファー、「LOPEZ」。アッパーに手作業で施されたU字型ののステッチが、エレガントな印象を醸し出す。ラウンドトゥのローファー専用、「4395」ラストを採用。
4.WILLIAM|ウイリアム
考案者の2代目経営者ウィリアム・ロブ氏にちなんで名付けられた、ダブルモンクシューズの起源<ジョンロブ>のアイコンモデル「WILLIAM」。アビエイターシューズをモチーフとした機能的なデザインが特徴で、ドレスだけでなくカジュアルスタイルのパンツにもエレガントにマッチする。ラウンドトゥの「9795」ラストを使用。
5.CHAPEL|チャペル
セミスクエアトゥの「8000」ラストを採用した、プレステージラインに属するエレガントなダブルモンクシューズ。なめらかに流れるようなフォルムに沿って2つのバックルが平行に施されている。ストラップの幅が短いため、ドレッシーな印象に。
6.2022イヤーモデル「HENLEY|ヘンリー」
<ジョンロブ>には10月25日のサンクリスピンデーに合わせ、1996年から年に1型だけイヤーモデルという限定モデルをリリースしている。デザインは毎年異なるが、どれも<ジョンロブ>の技術力の高さが伺えるものばかり。限定足数のみの生産のため、伊勢丹新宿店でも少数限定展開ではあるが、ほぼ毎年ご紹介している。
2022年のモデル(2021年10月発売)は「HENLEY」、毎年心待ちにしているブランドファンも多い。
2つのライン、「クラシックライン」、「プレステージライン」とは
<ジョンロブ>の既製品は、クラシックラインとプレステージラインに大別される。
クラシックラインは、文字通り英国靴の伝統にのっとったライン。グッドイヤーウェルト製法の既製靴のライン。主なモデル:「シティ2」や「ロペス」など
対するプレステージラインは既製靴でありながら、ビスポークに使われるような意匠を取り入れたライン。
土踏まず(ウェスト)をぐっとえぐることでアーチフィッティングを向上させるベヴェルトウェストと、かかと部の継ぎ目をなくすことでより快適な履き心地と見た目の美しさを両立させたシームレスカウンターといった高度な職人技術が使われているのがポイント。主なモデル:「フィリップ2」や「チャペル」など
メンズ館でも人気の<ジョンロブ>BY REQUESTについて
ジョンロブのBY REQUESTとは、<ジョンロブ>が現在販売しているモデル、または過去に展開していたモデルの中から、お好みのスタイル、素材、色、ソールなどが選べるパーソナルオーダーのこと。モデルによってはバックルの種類が選べるほか、イニシャル刻印も承れるようになっている。
このBY REQUESTはフルオーダーとは異なり、モデルごとに選べる素材の組み合わせが変わるなど、ゆるやかな制約があるのが特徴。裏を返せば<ジョンロブ>が認めた組み合わせの中からシューズを作れることになるので、オーダーしても失敗が少ない、間違いのなさには安心できる。
通常このオーダーは直営店をはじめ、メンズ館などの限られた店舗で、定価にプラス20%のサーチャージにて承っている。メンズ館では年に1回、プラスサーチャージなし(ノーチャージ)でオーダーを承る「バイリクエストフェア」を開催している。その年限定のオプションも多数ご用意しており、内容も毎年若干変わるため気になる方は逐一確認いただきたい。
3.ものづくりへの徹底的なこだわり
品質の高さと気品あふれるスタイルに、他では味わうことの出来ない履き心地を提供する<ジョンロブ>。世界中のジェントルマンを魅了するのは、今も昔も変わらない徹底的な品質へのこだわりと靴作りの精神を継承し続けているから。徹底的な革へのこだわり
“奥からじんわりと光る”と形容されるほど美しさは、こだわり抜かれた上質な革選びに始まる。必要以上に革を加工せず製品に仕立て上げるため、<ジョンロブ>では革の中でも特に状態の良い部分のみを厳選して使用する。また、副資材と呼ばれる靴の内部に使われる素材も天然の革を使用。これにより<ジョンロブ>のシューズは履き進めるにしたがって自分の足に馴染んでいく感覚が味わえる。また沈み込みもそこまで大きくないため、おろしたての時のような快適さが長く続くのも、履いた人にだけ分かる醍醐味ともいえる。
<ジョンロブ>が得意とするミュージアムカーフについて
ミュージアムカーフとは、「大理石のよう」と称される独特のマーブル模様が特徴で、あえてムラが残されたような染めを施されたカーフレザー(牛革)のことを言う。ブラウンカラーでは濃淡異なる茶色が、ブラックカラーでは所々グレーやパープルカラーが覗かせる。ムラ感を強く残すため、あえて無色のクリームのみでケアするというファンもいるほどだ。
こうした語りつくせないほどの革のクオリティへの追及は、<ジョンロブ>の上質な靴づくりのベースをなす、大事な要素となっている。
また、ビスポークの精神が注ぎ込まれた<ジョンロブ>の製造工程は圧巻だ。一足あたり190以上もの工程をかけ製作される靴は、その一つ一つの工程にも丁寧さが宿る。ステッチの細かさや手作業による吊りこみの証となる継ぎ目のないシームレスカウンターなどはそれを裏付けている。
4.木型(ラスト)サイズ選びについて
伊勢丹新宿店では、さまざまなウィズ、木型のものを幅広く取り揃えている。高価なシューズゆえ、サイズ選びは慎重に行いたいもの。木型の特徴を知り、靴選びの参考に。
美しいプロポーションを作る木型について
<ジョンロブ>には名作ラストと呼ばれるような木型が多数存在する。ビスポークで培ったラストメイキングの妙が反映されており、「快適さ」と「フォルムの美しさ」の両立が、高い次元でなされている。その中でも「シティ2」などに採用される「7000」ラストは特に評判が高い。
主なラストの特徴を解説!
#7000
「CITY2」・「PHILIP2」などに使用される、〈ジョンロブ〉の中でも定番の呼び声が高い名作ラスト。ブランドの中でも中庸なフォルムで、やや細身のエレガントな木型。長すぎず短すぎずのトゥなどバランスの良さは、革靴好きならだれもが一目を置く。
#9795
バックルシューズのために作られたラウンドトゥが特徴のラスト。ゆったりとしており、甲がやや高めに設定されている。シューズのフォルムも相まってスポーティでややカジュアルな印象を与える。
#8000
セミスクエアトゥが特徴の木型で「CHAPEL」などに使用されている。ややロングノーズでシャープな印象。「CHAPEL」ではその形状から、かかとに若干のゆとりが生まれることもある。
#8695
アーモンドトゥと呼ばれる、楕円形のトゥラインが特徴のラスト。「CITY2」の前身となった「CITY」などに使用されている、ブランドの中でもクラシックなラスト。7000番より縦の長さは短く、幅広な印象を受けるが実は7000番より細身。
#4395
ローファー用のラスト。適度な厚みがあり、ややワイドなラウンドトゥが特徴。ほんの少し長めのノーズがローファーながらエレガントな雰囲気を漂わせる。
<ジョンロブ>シューズのフィッティングを実際にメンズ館スタッフがコメント。
サイズ選びの参考に!
紳士靴アシスタントバイヤー岩田の場合
足型タイプ:細め
足長はUK6相当で、ウィズはCからD。<チャーチ>や<アンソニークレバリー>はUK6を選ぶことが多いが、ある程度タイトに合わせることを考えて<ジョンロブ>では「#7000」ラストをはじめUK5.5サイズEウィズを選ぶことが多い。
紳士靴バイヤー宮下の場合
足型タイプ:幅広
足長はUK9ハーフ相当だが、幅広の足。<ジェイエムウエストン>では9ハーフのFウィズを選ぶ。甲は高くない。<ジョンロブ>ではUK9ハーフサイズのEEウィズを選ぶ。
5.ブランドの世界観が味わえるグッズ
伊勢丹新宿店では、ジョンロブ純正のシューケアグッズも豊富にご用意。本章では店頭スタイリストがシューケアグッズについて解説。ジョンロブの靴は持っていない、という方でもブランドの世界観が味わえる魅力あふれるアイテムも合わせてご紹介するので是非ご覧いただきたい。
「<ジョンロブ>シューズを手に入れたら、ケアグッズも純正で揃えるとテンションが上がりますよね。もちろん純正ではないアイテムをお選びいただいても問題はありません。ジョンロブに憧れる革靴初心者の方はまずは雑貨から揃えてみるのもおすすめです。」
「選び方は、クリーム。ワックスのカラーはシューズと同じ名前のものを選んでいただければまず間違いがありません。店頭ではケアの方法なども、革の種類に合わせて細かくご案内いたします。ブラシ、グローブなどのアイテムはご自身用のみならず、プレゼントとして選ばれる方も。ラッピングももちろん承りますのでお気軽にお声がけください。」
「靴と合わせて購入したい純正ツリー。ジョンロブの木型にぴったり合い、シワもきちんと伸ばしてくれます。サイズ展開も豊富です。」
「ジョンロブのシューズは良質な革を使用していますが、だからといってシューケアを怠ってしまうと靴の寿命を縮めてしまいます。定期的なブラッシング、クリームによるケアを行えば、10年単位で使用できます。美しい状態を保つため、ポリッシュなどを行うのも良いかと思います。
またシューケアをする時間がない、ポリッシュが苦手という方も、伊勢丹新宿店でお買い上げいただいたジョンロブであれば、スタイリストが無料でお磨きをいたします。お日にちを頂戴してしまいますが、 定期検診のつもりでお持ち込みいただけるとシューズの状態もチェックできるので、一石二鳥です。」
6.お客さまからのお問い合わせ内容BEST3
<ジョンロブ>を履いてみたいけれど、と、伊勢丹メンズ館の紳士靴でも、お客さまからよくいただく同ブランドのお問い合わせ内容をQ&A形式でお答えします。また、店頭ではスタッフがご質問にお答えできるので、ぜひ気軽にお問い合わせいただきたい。
Q1.<ジョンロブ>を純正メニューでの修理はできますか?
A1.伊勢丹新宿店を窓口として承ることができます。
お日にちをいただき、有料でのご対応となることが多いためその旨ご承知おきの上ご相談いただけますと幸いです。
Q2.<ジョンロブ>の汚れ落としローションはないのですか?
A2.<ジョンロブ>では汚れ落としの際に、革を傷めないようデリケートクリームを使います。
時間はかかりますがデリケートクリームでなでるように擦ることで古いクリームや汚れがしっかりと落ちていきます。<ジョンロブ>の直営店舗でも行っているケア方法です。
Q3.<ジョンロブ>のビスポークについて興味があるのですが…
A3.専門スタッフによる完全予約制となりますが、ビスポークも伊勢丹新宿店にてお承りいたします。
オーダー価格やデザイン等の詳細につきましては、内容により大きく変動いたしますので直接ご質問いただければお答えいたします。
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