2月9日に、メンズ館2階 メンズクリエーターズに国内初のメンズショップをオープンした＜JW ANDERSON/ジェイダブリューアンダーソン＞。最新のメンズコレクションはもちろん、今季で第3弾となるOSCAR WILDE（オスカー・ワイルド）カプセルコレクションなど、ユニークでジェンダーレスなシリーズも充実しています。ブランドヒストリーから、話題のカプセルコレクションまで、まるごと＜ジェイダブリューアンダーソン＞の世界をご堪能あれ！

新しいプロポーションを創り出す＜ジェイダブリューアンダーソン＞の発想力

2008年にデザイナーのジョナサン・アンダーソンにより設立されたイギリスのファッションブランド＜ジェイダブリューアンダーソン＞。ジョナサンは、1984年北アイルランドに生まれ、俳優を志し18歳で渡米しますが、その後ファッションに目覚め、London College of Fashion（ロンドン芸術大学の中のカレッジの一つで、イギリスで唯一のファッション、スタイル、美容系の専門大学）でメンズウエアデザインを学びます。

 2008年春夏、ジュエリーとメンズアンダーウエアのカプセルコレクションを発表し、自身の名を冠したブランドをローンチ。その約2年後にウィメンズコレクションもスタートし、2012年以降、数多くのブランドとのコラボレーションも発表。さらに2015年には＜LOEWE/ロエベ＞のクリエイティブディレクターに就任し、ブランドイメージを刷新するなど、活動は多岐に渡ります。

＜ジェイダブリューアンダーソン＞は、フェミニンとマスキュリンが交差する独創的なスタイルと、ユニークなデザインの美学で、ファッション界で唯一無二の存在感をアピール。ジェンダーや世代などを悠々と超えて、着る人が自由にファッションを楽しめる、新しいプロポーションとスタイリングを提案します。

ブランドの「JW」をアンカー＝錨に見立てたロゴと、グリットロゴ

＜ジェイダブリューアンダーソン＞らしさ溢れるアンカー（anchor)ロゴと、グリットロゴ（ブランドロゴが格子状に配置されたもの）のアイテムをピックアップ。ロゴを大胆に全面に使ったTシャツや、トーンオントーンのロゴ使いなど、トラディショナルなスタイルにインパクトを与えます。

ポル・アングラダのアートワークが冴えるカプセルコレクション第2弾

 ジョナサンとも親交が深いPol Anglada（ポル・アングラダ）は、スペイン・カタルーニャ地方、ピレネー山脈の近くで育ったアーティスト。幼少期から10代後半まで、家族でヨーロッパ中を旅し、雑誌、漫画、グラフィックへの情熱を育みます。絵を描くことは続けながらも、ファッションデザインの学位を取得し、ファッション業界でも働いた経験があるそうです。

そのポル・アングラダのアートワークを使用したコレクション第2弾は、フィールドやロッカールームなど、さまざまな状態のラグビープレーヤーをフィーチャーしたグラフィックを展開。

デザイナーのジョナサンの父は元プロラグビー選手で、引退後はアイルランド代表チームのコーチを務めた経歴の持ち主であり、ジョナサンの兄もラグビー選手という、ジョナサンにとって“ラグビー”は幼少期に常に身近にあったもので、今シーズンのコレクションのキーワードの一つである“ノスタルジー”を連想させるものであったため、今回モチーフに採用されています。

大胆で鮮やかなカラーリングと“苺”モチーフに溢れたコレクション

＜ジェイダブリューアンダーソン＞メンズコレクションは、キッチュな苺モチーフが満載。このモチーフは、“苺のボウルの近くで、どんぐりを食べているリス”を描いた18世紀の絵画から、「苺柄が連なるような、ちょっぴり悪趣味な壁紙」をジョナサンが想像したことから誕生しました。苺をフェミニンかつ愛らしいモチーフとして使用するのではなく、毒々しく熟れたレッドから、グリーンやブルーに“変色”しているものまで、様々なカラーで表現しています。

 今季のメンズコレクションは、「ジョナサンが育った北アイルランドでの子供時代」がインスピレーションで、どこかノスタルジックなムードが漂うビジュアルと、少年らしいスタイリングが特徴的。ボーイッシュな服装を代表するランニングショーツやトラックスーツと、クルーネックセーターやフーディ、ジップアップトラックスーツを合わせたスタイリングは、＜ジェイダブリューアンダーソン＞らしいジェンダーの概念を超えて、思春期の少年特有の“とらえどころのないマスキュリニティ”な香りに満ちています。

オスカー・ワイルドからインスピレーションを得たカプセルコレクション第3弾

2021年春夏・秋冬に続く、19 世紀のアイルランド人詩人・劇作家・作家（1854～1900年）、オスカー・ワイルド（Oscar Wilde）にインスピレーションを得て作られたカプセルコレクション第3弾。オスカー・ワイルドは、同性愛者であり、自らの信条を臆することなく声高に主張して、当時の社会の既成概念に挑んだ偉人といわれています。

ジョナサンは、その文学的才能はもちろんのこと、世の中に迎合しない度胸を持ったワイルドに多大なる畏敬の念を抱き、＜ジェイダブリューアンダーソン＞を、「文化に一石を投じるアジテーター」であるとして、社会通念に挑むファッションブランドであると考えています。

 あるオークションでワイルドの直筆サインと「The secret of life is in art」というフレーズが書かれた紙切れを見つけたジョナサンは、今回のカプセルコレクションを通して、自身が感銘を受けたワイルドのメッセージを伝え、「美しいものはときにただただ美しい」というワイルドの美学を体現したメッセージを伝える、美しい作品を創り出します。

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