【対談】オリンピアンが手掛けるライフスタイルブランド<I SWIM>とは|種市暁×橋本敦×YASU
伊勢丹新宿店 メンズ館1階にて、9月8日(水)から9月21日(火)まで期間限定にて開催される「my condition」。オープンウォーター種目のオリンピアンとして、過去に二度オリンピックへ出場を果たした経験のある、ブランドディレクターのYASU(平井康翔)が手掛ける<I SWIM TRAVEL ARROUND THE WORLD/アイ スイム トラベル アラウンド ザ ワールド>(以下、<アイ スイム>)が登場します。
<アイ スイム>はライフスタイルに泳ぐことがある世界中の人たちへ向けた、カジュアルからフォーマルまで網羅するライフスタイルブランド。水泳選手時代からファッションに興味を抱き、世界を回る中でまたこういうものがあったらいいなという視点から編み出されたプロダクトは、デザイン、機能性、着心地の良さ、そして日本人としてのアイデンティティが備わった内容に仕上がっています。
そこでこの度、ヤスさんがファッション界の先輩として尊敬する、フリープランナーの種市暁さんと、スタイリスト橋本敦さんに<アイ スイム>についての魅力と、プロダクトから得られるメンタル的な部分について話を聞きました。
ライフスタイルブランド<I SWIM>とは|【対談】種市暁×橋本敦×YASU
(写真)左_YASUさん、中_橋本敦さん、右_種市暁さん
<アイ スイム>は視点が面白いキャラクターのあるブランド
—橋本さんが初めて<アイ スイム>の存在を知ったのはいつ頃でしたか?
橋本 ブランドを知るきっかけになったのは、<N.ハリウッド>デザイナー尾花くんのInstagramで、最近スイミングの投稿が多いなあと思って見ていたのがきっかけだと思います。ヤスくんのことは前から知っていましたが、出会うタイミングがないまま時間が経っていましたね。
—スタイリストとしてブランドの印象はいかがでしたか?
橋本 初めてショールームでヤスくんに会ったんですけど、まったく事前情報なく伺って、仕事目線というよりはプライベートな目線で服を見させてもらいました。そこでブランドの話をいろいろ聞かせてもらたんですよね。僕は私用のものを選ぶときは、生地感やディテールやサイズなどのシルエット、着心地のよさ、ライフスタイルに対してオーバースペックになっていないかなど、デイリーに使えるのかをまず見ているんですね。あとはデザイナー本人の思い(=メッセージ・パッションや、考え方、ビジョン)が伝わってくるものを好んでセレクトすることが多いんですが、話を聞いたときに、ヤスくんの洋服に対するスタンスが自分のフィーリングと合う点があるなと感じて、「アイディアの気づき」が面白いと思ったのが最初の印象でした。
—種市さんは、<アイ スイム>に関してどんな印象をお持ちですか。
種市 ヤスくんがそのまま表れてるというか、真っ直ぐ直球でくる感じという印象がありました。<ワコマリア>という僕の友人で、元Jリーガー森敦彦くんのブランドがあるんですけど、その最初の頃と少し似てるなと思ったのは、「やりたい」「作りたい」というパッションがそのまま出ているんです。服作りを下手に知っていると、たいていMD的に作ってしまうことが多い。でもヤスくんはそういうのは関係なく、これあったら面白いし格好いい、撥水しているのがいい、飛行機に乗るときに気持ちよければいいなって、全部に嘘がないというか。今の時代がより機能的だったり、快適だったり、リラックスした感じになりたいって、そういうふうになってきたときに、<アイ スイム>は出てきたというか。で、そこにひとつ付け加えると、ちゃんとキャラクターが乗ってる服でもあるところがいいんです。
橋本 あとヤスくんの作る服はいい意味で無国籍な感覚で、彼自身がさまざまな世界を広い視野で純粋な目線で見てきた中で、自分の好き嫌いを取捨選択したのかなと。また日本製にこだわり、日本人ならではのきめ細やかさやアイデンティティを大事にしながらも、世界のいろいろなものに触れて見てきた人なのかって。その経験を垣間見させてくれるようなものが多いなと思いました。あと<アイ スイム>は、すごく男性的。いい意味で、どこかしら色気を感じるんですよ。
長時間着ていてもストレスを感じず、品のある服を目指して
ヤス 種市さん、履いてくださってるスウェットはいかがですか?
種市 気持ちいい。これ山形で作ったやつ?
ヤス そうです。ビーサンはもちろんですけど、革靴やローファーにも合うだろうし、上品さを出してみました。シルエットも下に行くと細くなるようにして、上に同じニットを使ったダブルのジャケットを合わせてもいいかなとか。<アイ スイム>の服では、最小限のものでいろんな着回しができるようにしているんです。あとは天然素材の本当にいいものにこだわっています。飛行機や新幹線の中で長時間過ごす人たちが心地よくいられるように。なのでスウェットに関しては、なるべくストレスをなくすようにあえて紐をなくしたりしているんです。
種市 これ紐ないんだ! すごいね。<ビームス>にいたときに月1ぐらいで、忙しいときはドバイ行って、バスク行って、パリ行ってみたいなこともあったんですけど、出張行くときは荷物をできる限り減らすためにどうしたらいいだろうと考える方なんですね。本当に一番ミニマムにしたいときは、インドに出張に行ったときに、ウエストバッグ一個で行ったこともあるんですよ(笑)。
―カジュアルだけど、品がある。
種市 スウェットを僕らが作ったら、細かいディテールや色の選び方とかも、デニムのパッチにこんなブルー使わないと思うし。そういうのが凄くブランドのキャラクターになってるなって思います。ただデザインっていうより、自分が好きな情熱とか信念で成り立っているというか。そこに嘘がないから嫌な感じがしないんですよね。
—ヤスさんが世界を回って体験してきたことが、リアルに服作りに反映されているということですね。
ヤス スウェットにローファーを履くスタイルなんかは、自分がずっと転戦してきた中でそういう着こなしを見てきたというのはありますね。
橋本 僕も種さん(種市)のようにビーサンを履いたり、ブーツ履いたり、ソックスにシューズ履いたり、シンプルに健康的(ヘルシー)な着こなしをしたいですね。
ヤス プロダクトを通じて水泳をはじめ、トランアスロン、サーフィン、ダイビングだとか、泳ぐ人たちと世界中でつながる。コロナが明けたらそういう世界中のスイマーとの繋がりイベントをやってみたいなと思っています。
コンディションをキープして長く着る服にしていく
―橋本さんは普段はロゴ入りの服をほぼ着ないとおっしゃっていましたが、シンプルな服がお好きですか?
橋本 シンプルな着こなしは好きです。頑なに着ないわけではないんですが、あまりロゴものを好んで着ることはないですね。元々、何を着てる人というふうに思われるのがあまり好きじゃないのかもしれません。素材やサイズ感、シルエットだとかそういうところにこだわりがあるんだと思います。それと黒を昔は一切着なかったのに、ここ最近は仕事のときほぼ黒一辺倒になってしまっているんです。黒ってシーズンが変わっても新しく買い足さなくても、ちょっとした着方やリサイズしたりとかで、シーズンが分かりにくなるし、使い勝手よく便利でいいんですよね。この先もシンプルな趣味趣向は変わることはないと思います。
—サステナブルですね。いろいろな服を見てきている橋本さんがそうおっしゃるとすごく腑に落ちます。
橋本 そうかもしれませんね。だから服のコンデションをなるべくよい状態で保てるように洗濯やクリーニングをしています。ヤスくんが作る服はシンプルなので、いい意味で長く着られる、着る人を選ばない服だと思うんです。 服でも長く着て経年経過がかっこいいものもたくさんあるし、人前出るときはなるべくコンディションが良い状態で着ていたいじゃないですか。だから着古したものは家着にもなるような、長い目で見て長時間着れるものはいいなと思います。そういう意味では、<アイ スイム>は、破棄するまでの時間が長い服だと思います。ただそうするためには、しっかりとコンディションをキープできることが重要な気がしますね。
ヤス そうですね。服のコンディションキープすることを意識できたら、それってスポーツすることや、ヘルスケアと一緒だと思うんですけど、自分の身だしなみを、体調を管理するのと同じように意識ができる感じがしています。
橋本 それがたぶん、健康的な服にも見えるのかもしれないですね。もちろんどうやって状態を良くキープしていくかは、結局その人次第だと思うんですけど(笑)。
種市 僕はいくつかの企業やセレクトショップ、ブランドのコンサルティングをさせていただいているんですけど、今は世の中的には、ものを持ちすぎないムードじゃないですか。それでもこの状況下で人々が「それでも欲しい!」と思えるものってなんだろうと考える中で、ただデザインに特徴があるとかそう言っただけのものではなく、その中にカルチャーだったりのストーリーも大切になってくるし、個人的には機能的や着心地ちの良さに加えて、疲れが取れるような服が気になっているんです。
ヤス そういった点では<アイ スイム>は、普段着ているウエアから、心身ともにコンディションを自然に高められるプロダクトを作りたいと思いから、素材選びを大切にしています。
今日、種市さんと橋本さんに着て頂いているTシャツの生地は、農薬を使わず、水質汚染を防ぐオーガニックコットン100%(GOTS認証)の生地を使用しているんですね。泳ぐことがライフスタイルにある人たちは、海や川を泳ぐことがあると思うんですが、海洋汚染を考えるきっかけにもできたらと思い、この生地を選びました。通気性や肌に馴染む優しさを持っているので、日焼けした肌にも痛くないし、オールシーズン着られる生地ですね。
―素材のこだわりはもちろんですけれど、タオル以外のプロダクトには、すべて撥水がかかっているのも<アイ スイム>のい魅力ですよね。
ヤス 私も含め、ライフスタイルに泳ぐがある人たちは「水を弾く」ということが好きなんです。水泳選手は、試合の前に自分の腕を水の中に入れて、肌の水の弾き具合で調子がわかるんです。また、競泳用の水着やトライアスロンスーツに水抵抗を軽減させるために撥水機能が必ずあるので、日常着にも撥水機能がついていたらいいなと思ったんです。なので<アイ スイム>では、天然素材のプロダクト且つ、撥水機能が付いているものにしようと。それで水を弾く光景を見たときに、潜在意識の中でメンタルやウェルネスに対してアプローチできたらいいなと思っています。
それぞれがが思うコンデションの整え方
—最後に、橋本さん、種市さんがご自身のコンションの保ち方を教えていただけますでしょうか?
橋本 自分は食事とトレーニングぐらいですかね。時間がある限りゴルフとサーフィンも好きでやります。このあたりのバランスが崩れてるときは、大体全体的なリズムも崩れ気味です(笑)。食事については、なるべく朝食は同じメニューを食べるようにしているんですよ。コロナ禍になってからは、外食はかなり減りましたが、普段は家を出る前2時間前に起きて、一通りニュースをチェックして、同じメニューの朝食を摂るという朝のルーティーンなんですが、朝が毎日同じだけでその日のリズムが崩れにくいと思い込んでいるんです。海やゴルフへ行くときはケースバイケースなんですけど、結果的にルーティンワークしている方が自分は安心感がある。ひとりで仕事しているので、合理的にそのあたりは考えています。不器用なんでコンディションをキープするために、いつの間にか繰り返すということをしていましたね(笑)。
種市 僕はやっぱりサーフィンの存在は大きいですね。サーフィンって予定を立てづらいし、明日何時に誰々といこうみたいなことができないんです。天気もだし、朝になって風が変わったり、行ってみたら混んでいて他の場所に行こうだとか。そういう風に、なにかあったら慌てずにとか、腹たつときもあるけど、そこはリセットして、例えば鹿島までいったけど波が悪かったから、湘南行ってしまった方が良くない? とか。一度は行ったけど波がなくて、福島から静岡まで行ったこともあるので(笑)。だけどそれを楽しんでやるというか、サーフィンのそういったいろんなバランスを整えてくれる部分は、自分のコンデションを整えてくれるにはすごくいいですね。やっぱり自然の環境に身をまかせると、仕方ないなって思ったりするんですよ。諦められるメンタルって重要で、メンタルがも身体が鍛えられていきますね。あとはサーフィンとか1人で行くことが多いんですけど、その行き帰りの車の中で仕事のことを考えたりして、自分を整えています。
ヤス コンディションの整え方はそれぞれですね。今日はありがとうございました。
- 伊勢丹新宿店 メンズ館1F プロモーション
Photograph:Roku Watanabe
Text:Kana Yoshioka
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