【特集】<Onkyo/オンキヨー>が提案する新しい音楽との付き合い方。Port of NotesとBegin光木編集長と語る、ポータブルレコードプレーヤーのある生活とは
いまストリーミングで音楽を聴くスタイルが定着した時代に、世界的にアナログレコードの人気が急上昇している。しかもアナログレコード(LP)の売上が、CDを上回る現象まで起きていて、これまでDJや一部の音楽マニア御用達だった中古レコード店にも、多くの若者が足を運んでいるという。
そんな時代に音響機器メーカーの<オンキヨー>がポータブルレコードプレーヤー「OCP-01」をリリースした。カラフルなトランク型のプレイヤーは、これまで質実剛健かつストイックに音を追求してきたイメージのある<オンキヨー>製品として新鮮な、お洒落でポップで目を引くデザイン。クラウンドファウンディングで支援募集開始後目標金額に対し4,000%を超える支援を得て先日サクセスしたことも、ネットニュースで話題となった。
このポータブルレコードプレーヤーは発売日の7月7日(水)から伊勢丹新宿店メンズ館のポップアップショップで展示販売開始となる。このポップアップには、12年ぶりの新作アルバム『TWO』をリリースして話題のPort of Notesと、雑誌Beginが監修する"TOKYO LEATHER CLUB"も参加。ともにオリジナルのレコードバッグを企画して7月7日(水)にリリースする。
- 伊勢丹新宿店メンズ館1階 レザーグッズ
らしくない? ポータブルレコードプレーヤー「OCP-01」
<オンキヨー>は、プロはもちろん音にこだわる音楽ファンから熱狂的に支持されているハイエンドオーディオメーカー。そのメーカーが、ポップなデザインとカラーリングで持ち運びもできるレコードプレーヤーをリリースしたことは革命的なことだったに違いない。そこで実物を前に、その製作秘話を聞きたいと関係者が集まった。
本ポップアップは、レコードプレーヤーの発売日と同じ7月7日(水)に始まり期間は7月20日(火)まで。初日は今年結成25周年を迎えたPort of Notesの新譜の発売日でもある。
小島 スタジオでもサウンドシステムに使われているところが多いので、馴染みのあるメーカーですね。音も聞き慣れているので、安心感があります。
畠山 私も、<オンキヨー>は端正な音響機器というイメージがあります。
上山 今回のポータブルレコードプレーヤーは、ハイエンドチューニングできないかわりに、いまの<オンキヨー>が考える新しい時代の音楽との付き合い方をかたちにしたものです。
小島 <オンキヨー>のアンプやプレーヤーって、シルバーとかシャンパンゴールドとか、そういうイメージでしたよね?
上山 おっしゃるとおり、時代に合わせて筐体にも流行がありましたので。今回はスーツケース型のプレーヤーにソニックブルー、シェルピンク、ヴィンテージホワイト、ミスティックブラックの4色を展開します。
畠山 色も可愛くて気分も上がりますし、ケースの端にステッチが入っているのが素敵ですね。
光木 このテのスーツケース型プレーヤーは他社からも出ていますが、<オンキヨー>のようなハイエンド・オーディオメーカーが製作しているものは、他にないと思います。だからでしょうか、細かいところまでしっかり作り込んでますね。そのステッチも他では見られない繊細なデザインですね。
林原 ケースを開くと蓋の裏側に「Onkyo」とロゴが入っています。この書体は新鮮ですね。<オンキヨー>さんって、ブロック体のイメージだったので。
上山 このロゴデザインは、1950年代に一時期使われていたものを復刻させたものなんです。
光木 一般的に家電メーカーなど、最新技術を取り扱うメーカーは、つねに進歩前進しているので、旧ロゴって衰退や退化をイメージさせるといって使わないんですよね。ファッションだとヴィンテージロゴって、すごく人気あるのに。
林原 たしかにそのポイントをついていて、さすがですよね。 実は僕も自宅でレコードを聴くことがあるのですが、いま使ってるプレーヤーは、結構大きくてゴツくて...。こちらの今回の製品はインテリアとしても部屋に馴染みやすいデザインだと思いました。
上山 ポータブルレコードプレーヤーとしてだけでなく、Bluetoothを搭載しているのでワイヤレススピーカー単体としてもお使いいただけます。アウトプット端子やヘッドホン端子も搭載しているので、さまざまな使い方もできる設計です。
小島 やっぱり外に持ち出してレコード聞きたいですね。電源はポータブル電源があれば長時間使えるし。
光木 小島さん、アウトドアお好きなんですか?
小島 いま僕は東京から一歩離れた自然豊かな町に住んでいるので、環境からしてアウトドアという(笑)。でも本当に庭先とか自然の中で音楽を聞くのに、これぐらいの程よい音質って心地良いと思うな。
デジタルの時代だからこそ、僕らはアナログを目指している
上山 私もレコードの音って大好きなんです。ジャケットから取り出し、ターンテーブルに乗せて、針を乗せる一連の儀式が楽しい。それにこのプレーヤー、蓋のところにジャケットが立てかけられるようになってるんです。
光木 アーティストにとって、ジャケットも作品の一部ですからね。
林原 コロナ禍で家で過ごす時間が増えたことで、さまざまな価値観が変わってきました。オンラインで連絡は取れますが、対面で人に会えなくなったことで"実際に会うこと"の価値観が増していたり、通販が普及したことで"店頭で接客すること"の大切さを再認識しました。ストリーミングやサブスクだけでない、音楽との付き合い方も変わってきたように思うんです。
光木 確かに、ハイエンドでクリアな音を追求するだけでなく、ときにはアナログの音を楽しむことの良さを再確認しました。アナログであることが、心の余裕につながっていくように思います。
畠山 私は、毎週土曜レギュラーを務めるFMヨコハマの番組で、「レコード万歳」っていう特集をやってるんです。その日は、オンエア曲からBGMまで全部レコードを回すんですよ。なんかアナログの音って、ノイズまで含めて情報量が多くて好きなんです。
小島 いままで頑張ってノイズ取ってきたのに、いま逆にレコードやカセットテープのヒスノイズが心地良いなんてね(笑)。
光木 わかるような気がします。液晶テレビがブラウン管に近づこうとしていたり、カメラのレンズも人間の目に近づこうとしているように、みんなアナログを目指しているんですよね。ファッションだって、昔のデニムを目指したり、ムラ糸を使って旧式織機で織った布に価値を見出しているように。
小島 私たちも、やっぱりライブがやりたいって思いますね。
音楽、情報、人の心、etc...。アナログだから伝わること
さまざまな業界でDX化が進む時代。アナログは時代に逆行するものではない。誰もがデジタルを享受できる時代だからこそ、アナログならではの特別な感覚や感情を大切にすることで、より豊かな生活を送ることができるのだ。今回お集まりいただいた皆さんも、デジタルの長所を理解しつつ、アナログの良さを再確認している人たちだ。光木 『TWO』の新譜はアナログ盤の発売もあるんですよね。
小島 はい。音質によりこだわった、2枚組で発売されます。まろやかな音世界を楽しんで頂けたら嬉しいです。
光木 小島さんのギターはレコードで聴くと、すごく癒されるんです。こんな時代だからこそ、改めてレコードで聴きたいです。今回は<オンキヨー>さんとのコラボで、レコードを持ち運ぶ際にも便利な、レコードバッグも発売されます。
光木 雨に強いPVCのモデルは梅雨時にありがたいですよね。ちなみにスエードは英チャールズ・F・ステッド社のスーパーバッグと言って、高級メゾンも使う素材です。
畠山 スエード、肌触りがすごく滑らかです。なのにしっかりしてて。レコードって結構重いから、これぐらいしっかりしたバッグはありがたいですね。
光木 2つ折りにするとクラッチバッグ風に持ち歩けて、中にはポケットもつけたので、普段使いもしやすいかと。
上山 業界的に過去6年間、アナログレコードは2桁成長を続けています。
林原 ストリーミングやサブスクは便利ですし、これからも使うと思いますが、本当に好きなアーティストや気に入ったアルバムは、レコードで残しておきたいと思います。
小島 目に見えないデジタル信号より、価値あるものはカタチとして残しておきたいですね。
光木 私たちもWEBでは読めない情報を、紙の雑誌で発信しています。時代は変わっても永遠に残るものを「定番」を呼びますが、「定番」は古いものばかりではなく、これからも生まれてくるものですから。
林原 私達も接客することで、これからも商品の価値とともに作り手の熱意を伝えて行きたいと思います。
上山 今回のポータブルレコードプレーヤーは、未来に残したい音楽と、デジタルだけではない音楽との付き合い方を提案する一つのきっかけになればと思っています。
三越伊勢丹オンラインストアで
<Onkyo>の商品一覧を見る
Text:Yasuyuki Ikeda
*価格はすべて、税込です。
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
お問い合わせ
伊勢丹新宿店メンズ館1階 レザーグッズ
電話03-3352-1111 大代表
メールでのお問い合わせはこちら