【特集】ボリューム感が今っぽい。2020年版メンズサンダルのススメ
デザインのテイストや色を揃えると上手にまとまる
ここ数年のトレンドの目であるビッグシルエット。足元もそれに合わせるようにボリューミーなものが増えてきている。足元にインパクトがなければ、コーディネートのバランスが取りづらいのがその理由の一つだ。例えば、オーバーサイズのTシャツにゆとりのあるパンツを合わせた時、足元がベーシックなデザインのスニーカーだとバランス感がチグハグな上に、どうしてもパンチに欠ける印象になってしまう。そこでここ数年はモードブランドを筆頭に、ランウェイ上でもボリューミーなスニーカー(革靴も含む)でバランスを取ったコーディネート提案が多く見られる。とはいえ、これらのサンダルは、ビッグシルエットに慎重な人にもおすすめである。細身のIラインシルエットに、足元だけボリュームを持たせるというのも非常にまとまりよく見せられるからだ。というわけで、今旬な3ブランド3コーディネートを紹介。それぞれのデザインの特徴に合わせて、トップスで色を合わせたり、デザインを拾ったりしてまとめるのが正攻法となる。リゾートテイストを意識して組み合わせるのも一興。適材適所で、楽しみながらコーディネートを考えるといいだろう。
1. 1017 ALYX 9SM
バックルデザインが目を引く、リラックスサンダル
つい先日、<ジバンシィ>の新たなアーティスティック・ディレクターへの就任が決まった<1017 アリクス 9SM>のデザイナー、マシュー・ウィリアムズ。元々小物作りが得意なブランドゆえ、サンダルも気の利いたデザインが楽しめる。デザインを決定付けるのは、シグネチャーモチーフであるコブラバックル。スリッポンスタイルで楽に履けるスライドサンダルは、クッション付きのフットベッドで疲れにくいつくりに。ストリートスタイルのほか、モードなカジュアルスタイルのアクセントにも最適。
ミリタリーテイストと素材感をリンクさせる
コーディネートとしても、コブラバックルのミリタリー感を上手く用いたい。ミリタリー系のインナーに見られるような、メッシュ素材のシャツは<OAMC>のもの。サンダルの金具のシルバーとシャツのグレーの色合わせ、レザーの光沢感とショーツの光沢感をリンクさせることで、統一感を高めている。ショーツは日本の気鋭デザイナーが手がける<アマチ>をセレクト。裾広がりのシルエットで、ボリューミーなサンダルとも好相性。
2. Hender Scheme
見慣れたデザインを”かまぼこ”ソールで新鮮に
アッパーはイタリアのタンナーによる、ベジタブルタンニン鞣しのバケッタレザーを使用。ベーシックな見慣れたデザインだが、<エンダースキーマ>の代名詞である”かまぼこ”ソールでインパクト大。レザーは厚手だが柔らかく、履き込んでほぐれてくると足あたりが良くなり馴染んでいく。かかとまでしっかりとホールドされるデザインなので、歩きやすさも抜群で、なおかつ非常に軽量な一足に仕上がっている。
リゾート感を意識して、大人っぽい抜け感を演出
ベーシックなサンダルのデザインを活かすべく、リゾートライクに仕上げたコーディネート。コットンをボンディングさせた技術力が光る<バーバラ アラン>のシャツに、<OAMC>のドローコード付きパジャマ風のパンツを合わせて、リラックス感を強調。トップス、ボトムス、サンダルと、3拍子揃ったボリュームのあるシルエットが今っぽい。コットン、レザー、シルクといったなめらかな素材感が統一感のあるコーディネートに一役買っている。
3. FUMITO GANRYU
スポーティで軽快なムードを後押し
今や数多くの有名ブランドとコラボするまでに至った<スイコック>とのコラボモデル。ソールには独自開発のEVAフットベッドを使用。柔軟な踏み心地に加え、反発性を兼ね備えた仕上がりとなっている。アッパーはPVC素材、アウトサイドにはドローコードが蛇行するようにアクセントを付ける。大ぶりなベルクロのようなデザインで、ホールド感もバッチリだ。
アウトドアテイストを生かして、ラギッドかつ都会的に
トップスに選んだのは<カラー>のポリエステル100%の開襟シャツ。ボディ下部にはビビッドなカラーコードがあしらわれており、サンダルのデザインと呼応する。ボディには南国っぽいボタニカル柄がプリントしてあり、エキゾチックなムードを掻き立てる。ボトムスはテクニカルな素材使いで人気のオランダ発ブランド〈バイボレ〉をセレクト。9分丈で足元をすっきりと見せてくれる。前面にはゴアテックスインフィニウム、背面はヒップから膝裏にかけて、コンピューター出力された独自のニット素材で、防水・はっ水性と透湿性を両立させている。全体的にブラックのワントーンでまとめることで、都会的な装いに。
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Photo:Tatsuya Ozawa
Styling:Akihiko Sekigawa
Text:Ryuta Morishita