フレッシャーズ必見、業種別のスーツ選びと着こなし方
1. ドレスコードに厳格な業種でも通用するドレッシーなスーツスタイル
銀行や生命保険などの金融業や不動産など、信頼性が大切な業種に向けたもっともドレッシーなビジネススタイル。あくまで基本に忠実に、ネイビースーツに白無地のワイシャツ、ネクタイの色も落ち着いた色にして、シックで控えめな装いに仕上げている。靴と鞄を黒革で統一したところも重要なところ。若いビジネスマンは靴や革小物に茶色を選びがちだが、黒を選ぶことでフォーマルな印象が高まるからだ。シャツ袖がジャケットの袖から出ている分量や、靴下が覗かないパンツの裾丈も参考にしたい。
ネクタイにスーツと同色を使えばVゾーンは落ち着きます
「Vゾーンは色柄の合わせ方と共にサイズ感を見るうえでも重要な箇所です。ジャケットはラペルが胸板から浮かないこと。シャツのサイズが合っていないと、Vゾーンに覗く部分に余計なシワが増えてだらしなく見えます。ネクタイはスーツと合わせて、柄や地色にネイビーを使っているものなら胸元だけ浮いて見えることもありません。ネイビーにグレーを配色することで、誠実さと落ち着きがある洗練されたビジネスマンを演出してみました」(関川)
もっともフォーマルとされるのは黒の内羽根ストレートチップです
「黒革の内羽根式ストレートチップは、ビジネスはもちろん冠婚葬祭などフォーマルでも使える靴です。学生さんやフレッシャーズの方には自分の足のサイズが分かっていない人が少なくないため、正しい靴選びが大切です。伊勢丹メンズ館ではこの春から、3D計測によって履く人の足にぴったりの靴を検索できるYourFIT365(*)というサービスが導入されますので、ぜひ活用してほしいですね」(関川)
革小物は若いうちから長く使える上質なものを
「ビジネスバッグの基本はブリーフケースです。斜めに背負えるショルダーストラップは、スーツを痛めるので外して持つことをおすすめします。靴もそうですが、鞄やベルトなどの革小物は、大事に手入れをすればモノによっては10年以上は使えますので、ビジネスマンとして長く使うことを考えれば、少しでも品質の良いものを選んだ方が良いでしょう」(関川)
- 革靴ならなんでもいいと思ってました(汗)(山本)
- 「スーツってこういうものだと思っていましたが、これだと堅すぎると思われる業種もあるんですね。同じ会社でも部署によって服装が違ったりするのは意外でした。靴については、あまり考えたことが無くて、シンプルな革靴ならなんでもいいと思っていたのですが、きちんと色や形、サイズを選ぶ必要があることを知りました。金融系に就職していたら、こういうスーツスタイルで決めたいですね」
2. エレガントなお洒落を意識させるイタリアンなスーツスタイル
コンサルや外資系企業など信頼感や安心感と共にセンスや柔軟性も求められる業種では、硬すぎないスーツスタイルが好印象。同じネイビースーツでも先程の直線的でかっちりしたネイビースーツとは、印象が異なることがわかる。
こちらはナポリ風に丸みのあるフォルムで、実際に着心地も柔らかく軽いスーツ。同じネイビースーツでも先ほどの直線的でかっちりしたネイビースーツとは、印象が異なることが分かる。生地は<VITALE BARBERIS CANONICO/ヴィターレバルべリス・カノニコ>で、光の加減で上質なツヤが浮き上がる、少し背伸びをして身に着けたいスーツだ。こちらのスタイリングは、ネイビーとブラウンを組み合わせたイタリア風のお洒落ビジネススタイル。「アズーロ・エ・マローネ(紺×茶)」といわれる配色は、メンズファッションの基本的なカラーリングとしても覚えておきたい。
自由度のあるスーツスタイルには、シャツ・ネクタイで味付けを
「フレッシャーズにはストライプタイを使う方が多いので、あえて小紋柄のネクタイにして個性をアピールするのも良いでしょう。あまり派手な色柄は避けて、黒、紺、白、茶、グレーといったビジネスカラーを選ぶのがフレッシャーズらしいと思います。スーツ、シャツ、ネクタイ全てにストライプ柄を合わせるには、ストライプの幅に差を付けるなど、少しコツが必要なので上級者向きです」(関川)
茶靴を選べばイタリア風ビジネススタイルに
「トゥ(つま先)の切り替え部分に穴飾りを施した靴を『パンチドキャップトゥ』と言います。黒の内羽ストレートチップと比べると硬すぎず、少し華やかな印象になり、様々なビジネスシーンで活躍するデザインです。明るい茶靴は少しカジュアルに見えますので、ダークトーンのものを選ぶほうがよいでしょう」(関川)
革小物は色を統一してコーディネートします
「ナイロンとレザーをコンビ使いした<Felisi/フェリージ>のフラップブリーフは、ビジネスマンに人気のある名作鞄です。これはショルダーストラップがつけられる新作モデルで、横マチ部分がレザーからナイロンに変更されてより軽くなりました。鞄と靴の色を合わせるのも、ビジネススタイルの基本です。レザーは色を統一する、と覚えておいてください」(関川)
- 外資系企業だったら、こういうスーツだったかな?(妻嶋)
- 「ネイビーとブラウンの組み合わせは、かなりお洒落な感じがします。外資系に勤めている方はこのようなイメージですね。革靴もこういう穴飾りの入った靴は、大人っぽいかなと思って考えてなかったのですが、つま先だけのデザインなら気にせず履けそうです。茶色はたしかに濃いほうが落ち着いて見えますね。」
3. 人気のジャケパンスタイルは紺ジャケ+グレスラが王道
大人のファッションセンスが現れる同系色Vゾーン
「ネイビージャケットにサックスブルーのシャツという同系色のVゾーンコーデは、明るさのトーンの合わせ方に注目します。ここではジャケットのネイビーは明るめ、シャツのサックスは濃いめにしました。ネクタイの選び方も、若い方が赤や緑や黄色のレジメンタルストライプを取り入れると、学生の制服のように見えやすくなってしまいます。靴や鞄、ジャケットと合わせて茶とネイビーを使い、全体のトーンを揃えることで、落ち着いた印象に仕上げます」(関川)
モノ選びにこだわって、足に合ったローファーを選ぶ
「スーツには紐靴が基本ですが、ジャケパンのときはローファーも選択肢に挙げられます。ここでは表情豊かなタッセルローファーをチョイスしました。最近の若い方は踵が小さい傾向にあります。きちんとサイズが合ってないと、踵が脱げやすいのでセレクトは慎重に。伊勢丹メンズ館ではこの春からミレニアルラスト(*)といって、若い世代の足に合う木型のシューズを豊富に展開しています」(関川)
トートはキャンバスよりレザーなら仕事に使える
「ジャケパンスタイルなら鞄はトートでもいいでしょう。ただしキャンバストートではカジュアル過ぎますので、レザーのトートを選びましょう。ここでも鞄はブラウンにして、靴との色目を揃えました。靴やネクタイ、鞄のほかベルトや時計のベルトまで、革の色はブラウン系の同系色で統一するのが望ましいですね」(関川)
- スーツよりジャケパンのほうが自分でも取り入れやすそうです!(山本)
- 「ジャケットとパンツという合わせ方も仕事着としてOKなのは知ってましたが、ネイビーのジャケットとグレーのスラックスという配色の基本は参考になります。就職してしばらくはスーツがマストですが、その後は、このぐらいのスタイルのほうが自分としても着やすいように思います。ジャケパンスタイルはコーディネートの幅も広がりそうなので買い物も楽しくなりそうですね」
4. ドレスコード撤廃後の新しいオフィスカジュアル
IT系やベンチャー企業など、スーツスタイルにこだわらない業種では、いまやカジュアル出勤は当たり前。ただしデニムやTシャツなど、カジュアル過ぎるスタイルはNGとされているところが多く、必要なときにはジャケットを羽織ることも求められる。そこでシワになりにくい機能性素材のジャケットをチョイス。
会社に「置きジャケ」しておいてもいいし、パッカブル仕様を活かし、内側にあるポーチ型のポケットに収納して持ち歩けばいい。パンツはウール素材をセレクト。クリースのはいらないリラックスシルエットだが、デニム以外のカジュアルパンツが許容されているオフィスも多い。シャツの裾出しは一見だらしなく見られることもあるが、はじめから裾出しで着ることを考えたシャツを清潔感をもって着こなすことができれば上司が眉をひそめることもないはずだ。
ノータイビズに、Tシャツ以上ドレスシャツ未満のシャツを着る
「ノータイのビジネススタイルが推奨されているなか、ただタイを外してボタンを開けただけのドレスシャツは、衿羽根が横に開いたり、胸元が開きすぎたり、インナーが覗いたりしてむしろだらしなく見えることも。そこであえてタイドアップしないバンドカラーを選んでみました。ボタンをきっちり閉じて着れば、ノータイでもきちんとして見えます」(関川)
歩きやすいカジュアル革靴は品よく見えるものを
「ドレスコードを撤廃したオフィスでも、靴の選択はいろいろ。スニーカーOKのところもあればNGのところもあります。とくに最近では、非常時に公共交通機関がストップしても歩ける靴が推奨されています。派手なハイテクスニーカーや、ワークブーツは制限されてしまう会社もあると思いますが、こんなレザーのカジュアルシューズはどこでも通用するカジュアルビズですね」(関川)
社会人であることを証明するのは確かなバッグ
「ビジネスにリュックを背負う人が多くなりました。とくにフレッシャーズのカジュアルビズの場合、組み合わせ方によってはリュックを背負うと大学生に見えてしまうこともあるので注意したいですね」(関川)
- ビジネススタイルって意外と幅広いですね!(妻嶋)
- 「業界にもよると思いますが、このぐらいだと普段着のように、リラックスして着られます。ジャケットを着ることと、きちんとしたバッグを持つこと、上質な素材とつくりの良い小物を持つことで、ビジネススタイルとして認められるというのは目からウロコが落ちました。自分が想像していたより、ビジネススタイルには細かいマナーがあると同時に、意外と幅広いことがわかってよかったです」
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