2019.09.25 update

【特集】戸賀敬城がナビゲートする、クリス・ヴァン・アッシュを迎えた<Berluti/ベルルッティ>の最新

9月18日(水)から10月1日(火)まで、メンズ館1階=プロモーションに、<Berluti/ベルルッティ>のポップアップショップが出現。ここで新クリエイティブディレクター、クリス・ヴァン・アッシュが手がけたコレクションと出会うことができる。ご存じのようにクリスの就任は昨春なのだが、今春はカプセルコレクションに留まっていたのだ。ゆえに、この秋のコレクションこそが、彼のクリエイションの全貌なのである。


「今回のコレクションは、クリス・ヴァン・アッシュの才能が如何なく発揮されています。それはサヴォアフェール(伝統技術)と未来とが交差する、新生ベルルッティの第一幕。本当の意味でのスタートといえるんです」

案内してくれるのは、元『メンズクラブ』編集長の戸賀敬城さん。現在はクリエイティブディレクター、ラグジュアリーブランドのアンバサダーなど多くの肩書きをもつ氏。自身<ベルルッティ>ユーザーとして、数々のメディアで私物を公開するなど、ビッグファンでありエバンジェリストとしても名高い。

「コレクションを見る前に、ウッドブロックを積み上げたファサードにも注目してほしいです。これラストを削る前のシダーウッドのブロックなんです。ビスポークすると、ここから木型を削り出すんですね。これだけでもワクワクしちゃうんだけど(笑)」

©Berluti

一歩足を踏み入れると、そこに新生<ベルルッティ>の全貌が現れた。まずは新型ラストで生まれ変わったアイコンモデルの"アレッサンドロ"や"アンディ"に目を奪われた。

「このコバのカッティングが凄いよね。僕が今日履いてきたアンディと、同じ靴とは思えないよね」

©Berluti

シューズ 各281,000円


この日、戸賀さんが履いている"アンディ"もクリス・ヴァン・アッシュが手がけたラバーソールのモデルだ。しかし新作は、アウトソールが鋭利な刃物のようにカッティングされている新型ラスト「エッジ」を採用しているため、一瞬まったくの別物に見えるのだ。

しかしその伝統的な仕立てと美しいパティーヌが施されたヴェネチアレザーの艶は、奥に並ぶクラシックモデルのアンディとなんら変わらない、伝統技術と未来が交差するクリエイションが見事に表現されている。

「今シーズンはスニーカーが充実しているのも特徴的。ステラはスニーカーの新モデルだけど、トゥにメタルパーツを使ったデザインが面白いよね。これ、ハイシャインをイメージしたものなんだって。今回のポップアップで先行発売だそうです」

©Berluti

スニーカー 196,000円


つま先だけ鏡面のように磨き上げるハイシャインを、実際に鏡のようなメタルパーツで表現したのはクリス・ヴァン・アッシュの遊び心。そんな遊び心あふれるデザインエレメンツは、さまざまなアイテムで表現されている。

©Berluti

「このマーブル模様はベルルッティの工房で実際に使われている巨大な大理石のテーブルなんだそうです。実寸でプリントしているのだそうで、Tシャツやコート、バッグにも使われている、今季のベルルッティを象徴するアイコンパターン」

「Tシャツは日本限定で、11月発売の先行オーダーなので、ここで注文しておかないとね」

©Berluti

左:Tシャツ 69,500円、右:バックパック 334,000円


「パティーヌもアイスブラウンの上品な色合いがいいよね。僕もポーチ「テルシオ」で持ってるんだけど、ブラウンにブルーを重ねたこの色はベルルッティのオリジナルレザー・ヴェネチアレザーの色合いからきてるんだとか」

「コレクションのウェアにもパティーヌ風のレザーブルゾンが気になります。コートにもなってたりして、かなりユニーク。スポーティなアイテムも揃っていて、いまのラグジュアリーメゾンのトレンドを確実に捉えているなって思います。もうベルルッティが靴ブランドとは言わせないぐらい、トータルラグジュアリーメゾンとしての地位は盤石っていう感じがします」


「メタルパーツ」や「マーブルプリント」「アイスブラウン」といったキーワードが並ぶ。そう<ベルルッティ>は、アイコンデザインのキーワードも多彩だ。「スクリット」と呼ばれるアイコン柄をご存じだろう。羽根ペンで書かれたようなクラシックな筆記体文字はカリグラフィとも呼ばれ、18世紀の手紙から取り出した<ベルルッティ>のオリジナルモチーフ。他所がブランド名をロゴデザインとして多用するなか、<ベルルッティ>は頑なにロゴはあくまで控えめに、他のアイコニックなデザインモチーフで、静かに自身を主張する。

「わかる人にはわかるというモチーフの使い方がベルルッティ最大の魅力です。ブランド名を声高に主張するメゾンが多いなか、ベルルッティのロゴデザインは、あくまでもさりげなく上品そのもの。だからこそロゴで主張したくない人たちからも支持されているんです」


街中で誰もがブランドロゴが読めて「あぁ、あのブランドね」と思われるのではない。だが誰が見ても明らかにハイクオリティ&ラグジュアリーな品々は、知らない人が見たらどこのブランドかさっぱりわからないだろう。だが、知ってる人ならアイコンタクトだけで通じ合える、

「同じ感性とステイタスを持つ者同士が響き合う。ベルルッティを愛用する人って、そういうところで通じてるんじゃないのかなって思うんです」

 

イベント情報

<ベルルッティ>2019年秋冬コレクションポップアップストア

□9月18日(水)~10月1日(火)
□伊勢丹新宿店メンズ館1階=プロモーション
▶詳しくはこちら

 

Photo(Portrait):Tatsuya Ozawa
Text:Yasuyuki Ikeda

*価格はすべて、税別です。2019年10月1日(火)より消費税率が変更されます。 

お問い合わせ
メンズ館3階=メンズデザイナーズ
03-3352-1111(大代表)
メールでのお問い合わせはこちら