【特集|インタビュー】素材を極めれば──。<BOHÈME/ボエム>がバッグをアートに変える。(1/2)
今回、メンズ館地下1階=バッグでは「ART of VISUAL」と題し、カバンをキャンバスと見立てた”気軽に持ち運べるアート”を作成。アーティストとして迎えたのは生嶋時彦氏。氏は40年以上続くバッグブランド<BEAUDESSIN/ボーデッサン>の立ち上げから携わり、長年ディレクターとしてブランドを牽引。一昨年に独立し、今現在は台東区谷中にてショップを営みながら自身のブランド<BOHÈME/ボエム>のデザイナーとして活動している。
今回は生嶋氏に、ご自身のキャリアを振り返っていただくとともに、メンズ館との取り組みやものづくりに掛ける想いなどを語っていただいた。
イベント情報
「ART of VISUAL」バッグプロモーション
□8月21日(水)~9月3日(火)
□メンズ館地下1階=バッグ、本館地下1階=トラベルバッグ
■展開ブランド:<ボエム><ダニエル&ボブ><ステファノマーノ><ランツォ>
*<ランツォ>のみ本館地下1階=トラベルバッグで展開▶詳しくはこちら
本企画では、<ボエム>はもちろんのこと<ステファノマーノ><ダニエル&ボブ><ランツォ>など、国内外の人気ブランドとコラボレーション。 イタリア・リモンタ社のベストセラー素材であるナイロン「デイビス」を用いて、各ブランドのベストセラーモデルを表現している。
<ボエム>ボストンバッグ 左:45,000円(33×46×24㎝)、右:38,000円(33×38×24㎝)
バッグは素材で決まる
──まずはご自身のブランド<ボエム>を立ち上げたきっかけから教えていただければと思います。
60歳になったがきっかけの一つではあるのですが、病気もその一つです。病気をしたことで、長年勤めた<ボーデッサン>にも迷惑をかけました。その時に「若い人が育たなければボーデッサンのためにならない」と思ったんです。それまではすべてのことを自分でやっていましたからね。<ボーデッサン>は自分の生涯をかけたブランド。そこで学んだものを、自分なりに生かすべく、そして同時に改めて<ボーデッサン>の魅力を消費者へ伝えるため、「ボエム プリュス ボーデッサン」というショップを立ち上げました。
──一つのブランドが40年続くというのはすごいことだと思います。
オーナーは「世界に負けないバッグを作る」という情熱にあふれた人でした。その頃は日本で自社ブランドを持っているところはほとんどなかったんです。大きな商社が幅を利かせていて、商社がメーカーさんにお願いして、大量にモノを作って売っていました。世界では、デザイナーと作り手は同じか、もしくは密接な関係性を持っているのがほとんど。日本でも同じことができないかと、ものづくりがスタートしました。
──当時はものづくりや流通に対するノウハウも少なかった時代だと思います。
卸業として、大きくはないものの、それなりの支持を得てきたと思っています。オイルショックの時も、バブル崩壊の前後も、とにかくコツコツ、黙々とものづくりを続けてきました。地方の小さなセレクトショップさんや専門店さんに、応援・支持を得て、ここまで来る事ができたと思っています。ですが、地方では大型ショッピングモールが消費をリードしていて、都心部でもライバルが多く、我々が作ったものの出口、つまり見てもらう場所が少なくなってきました。それならば自分たちでやってみようということで、谷中に一号店を出し、銀座、恵比寿、立川と出店をしてきました。
──生嶋さんが思う”いいバッグ”とはどんなものなのでしょうか。
僕は素材が好きなんです。キャンバス、ナイロン、レザー。バッグの魅力は、7割以上素材の良し悪しで決まると思っています。素材を活かすために、デザインも縫製も変わってきますから。僕が作るバッグは、カテゴリ分けが難しいんです。年齢も性差にも縛られないものですから。なかなか百貨店さんとは相容れない存在でした。というのも、ビジネス用、トラベル用と明確にカテゴリが分かれているわけではないですから。仕事に使う人もいれば旅に使う人もいます。
これは機能面でもそうです。もちろん、ノートパソコンや筆記具を入れるところなど考えた上で作っているのですが、こちらが決めることではないですから。どこに何を入れるかというのも含めてその人の個性ですから。だから”袋”という感覚が近いと思います。
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