【特集】「Charcoal TOKYO(チャコール トーキョー)」のポケットTシャツから始める唯一無二の大人スタイル
<チャコール トーキョー>の代表を務める板谷大作さん(左)と、店長兼バイヤーの武井 涼さん(右)
ジェンダーレスでエイジレスな、大人の“ポケT”専門店。
<チャコール トーキョー>がオープンしたのは、2018年の10月。まだ1歳にも満たない若い店だが、ショップのコンセプトは渋すぎるほどにシンプル。品揃えも幅広さよりもオリジナリティと深みを追求し、実に成熟して見える。それもそのはず、代表の板谷大作さんは学生時代からアルバイトとして大手セレクトショップで働き始め、30年近いそのキャリアにおいて販売員やMD、経営にまで携わってきたファッションの達人。その盟友である武井さんも、25年以上ショップの最前線で活躍してきたスペシャリストだ。
<チャコール トーキョー>のコンセプトとはすなわち、このショップでしか手に入らない、ポケットTシャツを軸とした大人のカジュアルを提案すること。彼ら自身が「取り憑かれている」という“ポケT”の魅力を、その着こなし方を含めて紹介したいという熱い想いが込められている。
「とにかく好きすぎて、普段から本当にTシャツはポケット付きしか着ないんですよ(笑)。ポケットが付くだけでドレッシーな雰囲気を作れるし、機能的にも優れている。さりげなく個性を主張できる、特別なアイテムだと思っています」
そう語る板谷さんは、ポケットのないTシャツを最後に着たのがいつなのか、思い出せないほどだという。一方の武井さんは、大好きなメジャーリーグものなどに限ってはポケット無しTシャツを着ることもあるのだとか。だが「やっぱり胸元が寂しいんですよね(笑)」と、これまたかなりの偏愛ぶりだ。
一口にポケTといっても、半袖や長袖、無地やロゴ、プリント、素材もワッフルやヴェロアなど実に多彩。だがこのショップでの色バリは白、ネイビー、グレーなどが大半で、一見すると地味に感じるほどベーシックだ。
「ヴィンテージのリメイクやロックTにポケットを追加したものなどは例外として、“上品なポケTにお茶目なアイテムを合わせる”というのが我々の基本的な考え方です。オリジナルに関しては素材を徹底的に追求し、糸から選びぬいた生地を5種類展開しています。個人的には1990年代にギャップがアメリカで生産していたポケTのような、着込んで洗いを掛けて、育てる楽しみが味わえるようながっしりした生地が好み。だからアメリカ西部原産のコットンを使用した『29番手引き揃え天竺』がお気に入りですね」
上品で洗練された「スーピマ シルケット天竺」、スウェット感覚の「吊り裏毛」なども魅力的だが、理想的な経年変化のため、洗濯用洗剤にまでこだわる武井さんらしいチョイスといえるかもしれない。
オリジナルのポケットTシャツの中で、一番軽くソフトな素材。表面にはサンドペーパー起毛を施し、包み込まれるようね心地良さを実現。カラー・サイズ共に豊富なバリエーションが揃う。ポケット上部には"Charcoal"のプリント入り。「OC Super Soft CrewS/S」9,180円 商品を見る
デコボコのあるユニークな生地で製作したポケットT。角が立たない縁起物といわれる八角形のロゴを刺し子で施し、着用する方が幸せに包まれますようにという想いが込められている。「SC 凸凹 Soliod 刺し子 Poc Crew S/S」15,120円 商品を見る
そしてオリジナルについては全6色、7サイズ展開という幅の広さも見逃せない。女性から大柄な男性まで、ジェンダーレスでエイジレスに楽しめるものであることは、<チャコール トーキョー>が掲げるもうひとつのコンセプトだ。だからこそ、ポケTというカジュアルアイテムが主役の店にもかかわらず、高級住宅地として名高い広尾に居を構えていることも腑に落ちる。
セレブな街の小さなショップで手に入れる、“七つ道具”とは?
「どんなにいいお店でも、青山や原宿のようなファッション激戦区では、その他大勢に埋もれてしまいかねません。成熟した大人の方に届けたいという思いがあったので、そういった方々が訪れやすく、わざわざ目指して来ていただく甲斐のあるお店を目指しました」
そんな板谷さんらが目をつけたのが、“ゴルフストリート”という異名を持つ広尾の天現寺橋付近というわけだ。電車でもクルマでもアクセスのいい“穴場”なのだが、武井さんいわく、やはり想像通りの地域性があるようだ。
「ご近所にお住まいの裕福な方々が、ゴルフショップと勘違いしてふらっとご来店されることも多々あります。『とりあえず1枚』とご購入いただいたポケTをお気に召し、リピートしてくださったなんてことも……。今までは若い世代も多く、目的のはっきりしたお客様が多いエリア、ショップにいたので、広尾という街らしさを感じますね」
ポケTがすべての中心。だがそれだけでは終わらないのが、<チャコール トーキョー>の面白いところだ。長年の経験に裏打ちされた、確固たるスタイルと大人を満足させるに足る提案力。そしてそれに即した、他店では決して手に入らない魅力的な“七つ道具”的アイテムの数々が備わっている。
「ポケTが軸であることは間違いないのですが、あくまで気分をアゲてくれる七つ道具のメインという位置づけ。なにもポケTのみを扱っているわけではないんです」
"上品なポケットTに、お茶目なアイテムを合わせる"七つ道具を巧みに組み合わせた「チャコール トーキョー」おすすめのスタイリング。
“ポケットTシャツ”に傘を含めたハットやキャップなどの“被り物”、そしてドレスアップやアクセントに使える“巻き物”、サンダルやソックスなどの“履き物”、巾着やグローサリーバッグなどの“袋物”、セットアップを基本とした“着る物”、そしてポケットサイズの“宝物”という7カテゴリーを総じて、生活を彩るファッション七つ道具として提案しているのだとか。「かかとのある靴は置かない」「バッグは巾着が基本」など、板谷さん自身のスタイルを投影しているのが、揺るぎなき説得力の秘訣だ。
「ウィークデイに好きな格好をできる方ばかりではありませんし、例えば旅行のような非日常を意識しながら、休日に気分をアゲてくれるファッションアイテムをご提案したいんです。アイテム構成は、ポケTに合わせやすいというのが大前提。僕は1年を通じてほぼポケTしか着ないし、サンダルしか履かない。甲州印傳が好きなので、バッグは巾着ばっかりなんですよ」
さらに驚かされるのが、ショップオリジナルやヴィンテージの宝物だけでなく、買い付けアイテムすべてが<チャコール トーキョー>だけでしか手に入らない別注アイテムだということ。「ココでしか買えない!というのを、ショップの強みにしていきたい」と考えているという。
そんな<チャコール トーキョー>が、いよいよ初のポップアップストアをメンズ館7階=メンズオーセンティックで開催する。秋冬に向けた新作の七つ道具から、厳選された逸品を先行販売&限定発売する予定だ。最後に板谷さんに、イベントに向けての心境を訊いてみた。
「イセタンメンズという日本一のショーケースで、高感度な大人のお客様に<チャコール トーキョー>の存在や取り組みを知っていただけるのが、待ち遠しくて仕方ありません。我々は1年通してポケTで勝負していますから、トレンドに左右されず、夏にも冬にも対応できる商品バリエーションを意識している。タイムレスかつシーズンレス、長い期間着用できる“ポケT”を含めた“七つ道具”を、ぜひその目で確かめていただきたいと思っています」
Photo:Shunsuke Shiga
Text:Junya Hasegawa(america)
*価格はすべて、税込みです。
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