【Amvaiコラボ企画】名著から紐解く達人のファッション考vol.1|草野健一がインドの洗礼を受けて思い出した本(1/3)
テーマは、「名著から紐解く達人のファッション考」。なぜその本が刺さったのかという答えから、デザイナーたちの過去・現在・未来を紐解く。
【Amvai×徒然なるモノ語り】名著から紐解く達人のファッション考
好きな本を知ると、その人となりを知ることができる
今回のテーマ「名著から紐解く達人のファッション考」を企画したメンズ館上層階の住人 柴田は、「今は分からないことや知りたいことがあるとすぐスマホで検索します。その結果、なんとなく検索結果を会得した気分になりますが、実は全然浸み込んでないないんです(笑)。きちんとスクショしても後でほぼ思い出せない。
その反面、検索ツールが本になると、文脈含めて、意外と腹落ちしている。文字を追いかける作業って、ものすごく脳に皺が刻まれる感覚ってありませんか?」と言います。
<ケネスフィールド>の展示会で、草野さんが、とあるところで本を買ったらガンジス川の写真があって、“そうだ、僕はインドへ行きたかったのを思い出した”と言っていました。草野さんをそこまで動かすって(笑)・・・しかもインド(笑)。
<ケネスフィールド>はアメリカントラディショナルとさまざまな時代と地域のMIXが魅力。ケネスと草野さんの今を知りたくて、今回のテーマをオーダーしました」と続けます。
初めてのインドは、ラジャスタン州ジャイプール
草野 柴田さんから今回の企画を聞いたとき、何かを試されている感はかなりしましたが(笑)、本を選ぶのは悩まなかったです。今日は松山猛さんが書かれた『てすうと』(風塵社・1994年刊)を持って来ました。今年の2月に2回目のインドに行ってきて、その流れが今、自分の中にあり、松山さんの本に書かれていることと自分が体験したことが重なる部分があって、インドに行き始めたきっかけにもなっています。
インドにはオリジナルの「ブロックプリント」をオーダーしに行ったのですが、現地の人に紹介されたプリント工房へ行くと、工場長は、「日本人で初めての客だ」と歓迎してくれて、持って行ったプリントの見本を見せると、「出来る、出来る、早ければ1ヵ月ほどで出来る」と言ったので、工房の現場を見せてもらってから版代と生地代の前金を渡しました。
日本に帰ってきてあっという間に1ヵ月が経ち、連絡をしたら、既読スルー状態(笑)。
あ、これがインドの洗礼だな(笑)と思いました。
さらにこの洗礼から始まり、インドではいろいろなアクシデントに見舞われることになるんですが…
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