カフス 左から <ルイファグラン>14,040円、<ウォルトンデザイン>11,880円、<ウォルトンデザイン>11,880円、ゴムカフス 1,296円

シーン・服装に応じた材質を選びたい



また、最近は崩れつつありますが紳士靴にフォーマル・ビジネス・カジュアルの目安があるように、カフリンクスにもやはり種類ごとに「ふさわしい場」が存在します。

例えばモーニングや燕尾服のような正礼装では、銀枠で白蝶貝や真珠のなるべく目立たないものを用います。タキシードの場合は金枠で光沢のあるブラックオニキス製が最適ですが、厳粛さを求められる場でなければもっと派手なものを着用しても構いません。

一方、弔事ではカフリンクス自体を用いないか、使っても小振りなジェット(黒玉。樹木の幹が化石となって黒変したもの)のような黒くて光沢のないものがベストです。涙を意味する真珠や日本の場合は国石の一つである水晶も大丈夫との話もありますが、地味なものが大前提。
身に着けたいカフリンクスが、そのシーン・装いに相応しいものかどうか迷ったら、スタイリストにご相談ください。


カフス 左から <インプロヴィゼーション>7,452円、<ランバン>21,600円、<インプロヴィゼーション>8,640円

またビジネスシーンでは、円や四角形で材質や色柄も落ち着いた小振りなものを用意しておくと何かと重宝します。
身嗜みを意識してはいるが過度にファッショナブルに悪目立ちさせない=「仕事に誠実に取り組む人」という印象付けに役立ってくれるはずです。

さらに服だけに限らず、腕時計やベルトの材質や色調になるべく合わせるのが肝心。銀色のケースに黒バンドの腕時計に対して、ゴールド系のカフリンクスを合わせるのは色の相性が悪いので、どちからの色に統一するのがベターです。


*画像は参考商品です。

大切に使い続けるために、実は保管場所も肝心です



最後にお手入れと保管について。貴金属や石、それにエナメルなどカフリンクスには繊細な素材が使われているので、以下の点に注意しましょう。

保管は冷暗所=直射日光の当たらない場所
② 過度の湿気だけでなく、過度の乾燥も禁物
③ 個々のものをなるべく間隔を空けて保管
④ たまにはその材質専用の用具でお手入れ

使い終わった後は無暗に置きっぱなしにせず、専用のアクセサリーケースのようなものや、それが用意出来なければ一対単位で小さな巾着袋の中などに入れて、変色や割れを防ぎましょう。世代を超えた使用も可能になります。

手首だけでなく全身の装いが引き立つことに気付くと、カフリンクスへの関心がさらに高まるのではないでしょうか。大切に扱って、自らの個性をドレスシャツの袖口で語らせてみてはいかがでしょうか。

Text:Takahiro Ino
Photo:ISETAN MEN'S net

*価格はすべて、税込です。

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