2018.11.16 update

尾花大輔が語る<Timberland PRO®/ティンバーランド プロ®>の魅力──ミニマルな美学が昇華したコラボレーションの背景とは(1/2)

ストリートでも人気のカジュアルブランド<Timberland/ティンバーランド>が、未だ正式な日本上陸を果たしていないワークライン<Timberland PRO®/ティンバーランド プロ®>と<N.HOOLYWOOD/N.ハリウッド>とのコラボレーションを発表。数量限定のカプセルコレクション10アイテムを、11月17日(土)より販売開始する。このプロジェクトのキーマンである<N.ハリウッド>のデザイナー・尾花大輔氏に、<Timberland PRO®/ティンバーランド プロ®>の魅力、そしてコラボの背景について語ってもらった。


“プロ”っていう響きがヤバイな、と。


<ティンバーランド プロ®>というブランドに聞き覚えがないとしても、それは至極当然のこと。なにしろ日本国内では展開されていない、“ガテン”なリアルワーカー向けコレクションだからだ。もちろんその母体は、ストリートファッションやヒップホップカルチャーとの繋がりも深いブランド<ティンバーランド>。そしてその正式展開前、しかもブランドとして初のコラボレーションという偉業を果たしたのが、日本を代表するコレクションブランド<N.ハリウッド>だ。

まずはこのコラボを手がけた尾花大輔氏に、<ティンバーランド プロ®>とはどういうブランドなのかを訊いてみた。


「ストリートファッションとワークウエアというのは、密接な関係があるじゃないですか。でもファッションとしてのストリートではなく、リアルにストリートにいるアーティストやスケーターたちって、セレクトショップとかスケーターショップでは買い物しないんです。彼らは本物を求めているから、たとえばニューヨークなら14丁目の駅の近くにある『DAVE’S NEW YORK』というショップが支持されている。そこはガテン系のひとがガチで買いに来るワークウエアショップなんですけど、僕も(ニューヨークに)行ったら必ず1回は顔を出すんです。そこで2年くらい前に見つけたのが、<ティンバーランド プロ®>。最初は「何これ?」と。しかもプロっていう響きがヤバいなと思ったんです(笑)」

その“手垢”のついていないブランドのハイスペックなアイテム群に惹かれ、すぐに魅了されたという尾花氏。コラボレーションのチャンスは、ほどなく願ってもない形で訪れた。


オーバーオール 30,240円、カバーオール 各30,240円、パンツ 19,440円、パーカ 各21,600円、長袖Tシャツ 各12,960円


「プロユースの本格派でロゴも良かったから、それこそ並行輸入で(N.ハリウッドの)本店だけででも取り扱えないかと思っていたんです。そうしたらある日、ティンバーランドさん側からコラボレーションのお話が舞い込んできた。これこそ渡りに舟ですよね(笑)。もう『やるなら“プロ”しか考えられません』と……。でも<ティンバーランド プロ®>は正真正銘のプロユースで、過去に(コラボの)前例がない。だから最初は『やれるだけやってみます!』という返答だった。ティンバーランドのチームの皆さんの尽力のおかげもあって、厳しいレギュレーションも越え、ようやく実現させることができました」

尾花氏は国内外、さまざまな業種からラブコールが殺到し、数多くのコラボ企画を成功させてきたことでも知られている。そんな“コラボの魔術師”が、どのようにこのプロジェクトと向き合ったのか──そのアプローチの仕方も気になった。

左/オーバーオール 30,240円、パーカ 21,600円
右/半袖Tシャツ 10,584円


「コラボをする相手には、大抵どんな企業にも看板商品があります。僕のところに話が来るのは、数々のコラボレーションでさまざまな“色”が足され、そのイメージがマックスまで膨れ上がった状態。ワーッと派手にやり切った後に話が来るんです(笑)。そこで自分が求められているのは、(ブランドや看板商品の)原点とか根本、コアといったものを洗い出し、ブラッシュアップすること。実際自分もそういうことが好きですしね。(コラボ相手の)社内の方は、『灯台下暗し』で当たり前過ぎて、そのコアを正しく意識できていない。そこをフィーチャーしていくというのが、僕の(コラボの)方程式ですね。あとはブランドさんが置かれている状況を独自の数式に嵌めていけば、自ずと“きっちりしたもの”ができあがるんです。実はこうやってベースを作り直せば、新たな取り組みもしやすくなる。新しい“色”ものっけていけるんです。そういう“余白のあるデザイン”というのは、常に心掛けていますね」

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