2018.10.31 update

【インタビュー】<GUILD of crafts/ギルド・オブ・クラフツ>山口千尋|"メイド・トゥ・オーダー"が伊勢丹メンズに初登場(1/2)

直営店と海外を中心に行われていた<GUILD of crafts/ギルド・オブ・クラフツ>のトランクショーがはじめて伊勢丹メンズで開催される。今秋はこのトランクショーを筆頭にニュースが盛り沢山だ。その一つひとつをオーナー、山口千尋が語る。

イベント情報

<ギルド・オブ・クラフツ>パターンオーダー会

□10月31日(水)~11月6日(火)
□メンズ館地下1階=紳士靴
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──昨年のR.T.W(既製靴)に続き、いよいよM.T.O(パターンオーダー)が期間限定で開催されます。あらためて、その見どころを教えていただけますか。

山口 ビスポークのように木型を一から削るわけではありませんが、かぎりなくフィットするシステムを構築しています。サイズレンジ23〜28センチ、ウイズ3種類を用意し、左右それぞれベストの一足をチョイス、そこから木型に補正を加えます。底付けは出し縫いのみマシンの九分仕立て。手釣りのそれはお客さん一人ひとりの足を勘案して作業できますし、ビスポークと比べてもほとんど遜色ないと思います。リピーターになっていただけるか否かはつまるところ、履き心地。この点では一切の妥協をしていません。



──デザインのバリエーションも豊富です。ゆうに30を超えるサンプルが揃う。

山口 これでも絞り込んでいるほうです。デザインやマテリアルといった選択肢をある程度セレクトすることで納期短縮、コスト削減を実現しました。納期はおよそ半年となっています。

──初のトランクショーということで、スペシャルなモデルも用意されているとか。

山口 看板中の看板といっていいビスポークのハウスモデルで「トリニダード」といいます。ホールカットにサイドシューレースを融合させた、技術の粋を集めたモデルです。内側に入れたレースステイは紐を結ぶのにも楽なんですよ。ビスポーク限定のモデルですが、この期間中のみM.T.Oで承ります。




シューズ「トリニダード」302,400円(オーダー価格)
■お渡し:2019年5月下旬以降



──R.T.Wも順調とうかがっています。イセタンメンズでもその履き心地に感激するカスタマーが続出しているそうですね。ここでちょっと前回の原稿を引きます。

トウ・シェイプは創業ほどなくからつづくラウンドのG27で、デザインもやはり長い歴史を誇るストレートチップのブラッキーだ。アッパーはアノネイのボカルー、ライニングはデュプイ、そしてソール周りはブランドにこだわらない良質なものを選んだ。イギリスの名門スプリングラインにオーダーした純正のシューツリーももれなくついてくる。


そして──。

「(銀座の直営店ではじまったプライム・フィットは)かれこれ20年が経ちますが、ひとつの木型で足したり引いたりしているうちに現代日本人の足型の傾向が浮かび上がってきました。蓄積されたデータを集約する木型がつくれたら、それはかつてないプレタポルテとして成立するのではないか。そう考えたのです」

──そうして、無数のサンプリングをしてたどり着いたのが、従来踏みつけ部にあった幅の最大値を前方にずらした構造。まさにその正しさが裏付けられる結果ですね。

山口 1年後、気づいてみればこの靴ばかり履いていたな、となってはじめて成功です。これからですね。


シューズ 129,600円


──好調な滑り出しを受けて、あらたなモデルも加わります。

山口 セミブローグのブラックとダークブラウンをラインナップしました。R.T.Wは<ギルド・オブ・クラフツ>のポテンシャルを知ってもらうためのエントリーモデルです。デザインもオーソドックスなものから順に、という考え方です。

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