2018.10.17 update

世界の一流バイヤーが猛プッシュする次世代スニーカー<Flower MOUNTAIN/フラワーマウンテン>(1/2)

2015年のデビューながら、今はなきパリのコレット、ミラノのアントニオーリ、ニューヨークのキースなど、シーンをリードする海外の著名セレクトショップがこぞって買い付け、瞬く間に人気ブランドの仲間入りを果たしたフットウエアブランド<Flower MOUNTAIN/フラワーマウンテン>。今回は、デザイナーである太田圭輔氏にインタビューを実施。謎に包まれたニューカマーが、世界中で支持されているその理由とは?


ふたりの血が混ざり合うような、セッションのごときクリエーション


「フェスやキャンプ、野外でのアクティビティにもフィットする機能性がありながら、オリジナリティのあるデザインと履き心地の良さで勝負するフットウエアブランドです」

慣れないインタビューにいささか緊張しているという太田圭輔氏は、<フラワーマウンテン>というブランドをこのように紹介してくれた。そのアゴ髭は鮮やかなブルー。さぞかしエピソードに事欠かないこだわりのスタイルなのだろうと思われるが、今はまだ触れないでおこう。


国内外の有名ファッションブランドやセレクトショップのシューズデザイナーとしてキャリアを積んできた太田氏。<フラワーマウンテン>を立ち上げるきっかけとなったのは、契約していたとあるスケートブランドのスニーカーを製造している工場を視察で訪れたことだった。

「そこで同じように他ブランドのデザインを手がけていた、楊超(ヤン・チャオ)と出会ったんです。彼と話しているうち、その考え方や感性、デザイン理念にまですごく共感できたんです。フィーリングが合ったというやつでしょうか。僕は中国語が喋れないし彼も日本語は話せないから、間に入っていただいた人を通して、英語でやりとりしたんですけど(笑)」


スニーカー 左/22,680円、中/ 22,680円、右/17,280円



スニーカー 左/23,760円 右/22,680円


あっという間に意気投合したふたりは、それぞれ日本と中国を活動拠点にしながら、ともにデザイナーとしてひとつのブランドを手掛けることを決意。2015年に<フラワーマウンテン>をスタートすることとなった。「フラワーマウンテン」というのは、ヤン・チャオが度々ハイキングに訪れている山の名前なのだそう。「彼が勝手に名付けたものだそうですけど(笑)」と密かに明かしてくれた。

「僕もヤン・チャオも、どちらもデザイン画を描くし工場に出向いて細かな指示を出したりもします。僕が描いたデザインを彼が仕上げることもあるし、その逆もある。全部をひとりでやることもあります。でも最終的なプロダクトを見ると、ふたりの共同作業で創り上げた製品の方がおもしろいんです。ふたりの血が混ざりあうような感覚ですよね。指示していたのと全然違うアガリになることもあるんですが、それが逆に良かったりする。意外と流れ重視というか、臨機応変なんです」


彼らのフットウエアを唯一無二のものたらしめているのは、工業製品的なスニーカーに、ナチュラルで有機的なデザインと手工業的なディテールを融合させているから。だがなによりこだわっているのは、デザインよりも履き心地なのだという。

「僕はアウトソールの開発が大好きで、設計が大好き。木型から何から、すべてを一から設計しています。でも専門教育は受けていないんですよ。すべてはこれまでのキャリアで試行錯誤してきた積み重ね。つまりは独学なんです」

ボール・ガース(中足趾節関節の回り寸法。ウィズともいう)を広めに取るなど、日本人の足にフィットするラストを考案。足を柔らかく包み込むサケット(ボロネーゼ)製法を採用し、衝撃吸収性と反発力に優れるアウトソールを組み合わせることで、抜群の安定感と歩きやすさ、そして履き心地の良さを実現している。

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