2018.10.16 update

【連載】帽子デザイナーインタビュー①<グリ オム>デザイナー 内山グリ|無意識に吸収したものの先に見えてくるデザイン(1/2)

メンズ館1階=シーズン雑貨・装身具では、国内外の帽子ブランドの商品を多数揃えており、その中には個性溢れる日本人のデザイナーの帽子もご紹介しています。デザイン性に富んだものから、シンプルなもの、細部まで拘りが凝縮された一品まで。そして、その作品を手掛けるデザイナーの達も、帽子に対する想いや感性が魅力的な方ばかりです。

今回、そんな帽子デザイナーの方々へのインタビューする全6回連載企画としてスタート。担当アシスタントバイヤー豊田は、「帽子という個性を表現できるアイテムだからこそ、デザイナーの”想い”が千差万別。それぞれの想いを聞く中で、この熱い想いを多くのお客さまにお届けしたいと感じました。この連載を通じて、少しでも帽子の魅力を伝えられたらと思います。」と本企画に対し語っています。
さらに、そのデザイナーと一緒に帽子をお選びいただける特別なイベントを、10月下旬より開催。デザイナーの方々との会話を通して、作り手の想いが凝縮された帽子をご覧いただけます。
その第1回目は<グリ オム>のデザイナー 内山グリさんのインタビューをお届け。作り手の”想い”に触れて、帽子を被る。そんなきっかけとなる連載をお楽しみください。

<gris homme/グリ オム>2018秋冬新作オーダー会
□10月20日(土)・21日(日) *各日午前11時~6時
□メンズ館1階=シーズン雑貨・装身具


ハット 30,240円

―――まず、帽子作りのインスピレーションの源になっているものを教えてください。
帽子とは直接関係のないような事柄を自分の中へ取り入れていき、それを自分なりに消化や解釈をした先、形にすると帽子になります。
特に好きなモチーフは、モダンアートや日本の古いもの、生き物の色やシルエット。幸い、アトリエ近くには動物園や美術館が多く、意識せず触れていたものがインスピレーションの源になることが多いです。
もちろん、お客さまとのコミュニケーションの中から、アイデアが生まれることも多く、とても楽しく有意義な時間です。

―――帽子作りの醍醐味はどんなところに感じますか。
私は、あまりデザイン画を描きません。どんな帽子が作りたかったのかがぼやけてしまうのです。
頭の中でぼんやりイメージした帽子が、作っているうちに形となり、現物として形になった時は達成感があります。あまり奇抜で個性的なデザインではないけれど、細部にアイデアが宿るような帽子になった時はとてもうれしいです。


デザイナー 内山グリ氏

―――モノづくりに対してのこだわりや想いをお聞かせください。
昔ながらの木型を使い、ひとつひとつ手作業で型入れしています。古いものでは約100年前のものあります。
木型は日本人の頭の形に馴染む横幅が広いタイプで、欧米人向けの木型に比べ、被りやすくしっくりします。布の帽子の型紙も日本人の頭の形を考え、すべて立体裁断で作っています。
また、私の手の感覚を頼りに、木型より微妙にシルエットを変えています。これは私が作った帽子から、音楽が聴こえたり、絵を見たような気分になったり、どこか別の場所にいるような感覚になったりと、身につける人の五感を少しでも刺激できるようなモノであればと思っています。

―――どんなお客さまに被ってほしいですか。

「帽子をあまり被ったことがない、帽子に抵抗があるけれど被ってみたい」という方に。
初めての帽子がオーダーでは、ハードルが高いと思うかもしれませんが、デザイナーと相談しながら決められるのでおすすめします。最初はリボンの色を変えるだけでも、より愛着が湧くのではないでしょうか。

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