メンズ館地下1階=紳士肌着を担当する植松義雄バイヤー


植松「とにかくはき心地の良さだと思うんです」と、紳士肌着担当バイヤーの植松はいう。「色柄のデザインが良い靴下はほかにもありますが、履き心地まできちんと追求されているかというと正直なんとも言い難いものがあります。ただ並べてみただけでは判断できない部分です」。

<シックストックス>の靴下を見ると、Tラインやヒール&トゥの切り替えパターンなど、色柄は北欧風とでもいうかシンプルでモダンなデザインだ。だが、これくらいなら気の利いたブランドでも見つかりそうな気がする。だが裏返すと違いは一目瞭然だった。

 

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植松「まず触ってもらってわかるのが編みに関する部分です。カジュアルソックスは、132〜176Nのミドルゲージが多いのですが、<シックストックス>は、いわゆるビジネスソックスにあるような200Nのハイゲージです。しかも通常のニッティングの2倍近い時間をかけて織り上げているので密度が高く耐久性にも優れます。裏返すと底の部分がパイル地になっています。これが適度なクッションとなるので靴中でのフィット感が気持ちいいんです」


植松「また、アーチ上の甲部はゴムが編み込まれているのも靴下がズレないポイント。それから履き口部分を見ていただきたいのですが、2重になっていて表裏で素材が異なっているでしょう。表側はリブ編みですが、通常より長めに設定されています。裏側だけにゴムが編み込まれているので生地が違うんです。表はゆるくフィットして、裏できちんと留まる。締め付けはきつくないのに、ずり落ちない仕組みが考えられているんです。それから…」

横に座る前田さんが口を挟む余地が無いほどバイヤーの植松は熱く語る。

植松「<シックストックス>の魅力に一番最初に気づいたのは、お客さまです。とにかくリピーター率が高いんです。一度履いたら、すぐに2足、3足と揃えたくなる。私もいまやヘビーローテーションしてますから!」


ようやく前田さんに水を向けると「あまり派手ではなく、でも配色はモダンで、日本のブランドっぽくならなければいいかなって」と、短くコメント。「後は全部話していただけたので(笑)」と納得顔をしている。

<シックストックス>へ、バイヤー植松の惚れ込みようは今秋から一気に加速する。これまで色も柄もモダンデザインだったところへ、トラッド柄をオーダー。英国的なスクールストライプとアーガイル柄を伊勢丹メンズ別注モデルとして依頼したのだ。

前田「昔はいくらでもあったのに、いま実はトラッド柄のソックスってあまり無いんです。だからこそ需要があるんじゃないかと思って、前田さんに相談してみたところ、快く受けてくださって」


ソックス 
上:1,944円 ご購入はこちら 
下:1,944円 ご購入はこちら 


前田「<シックストックス>に限らず、やったことないことがやりたいっていつも思っているので、植松さんのお話はありがたかったです。ただ実際は職人さんと折衝するのが大変でした」

アーガイル柄は大きさにこだわって一周に3柄と決めた。しかし200Nの編み機に掛ける際、奇数柄は糸の本数が正確に3分割できないため、美しい柄出しに試行錯誤を繰り返したのだという。

前田「2週間に1回ぐらいサンプル持ってきていただいちゃいましたよね。でもだんだんクオリティが上がっていくのが手に取るようにわかったので期待していました。で実際、8月末のポップアップに出したら、2週間で400足売れた靴下のうち、100足が別注のトラッド柄だったんです!」

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