【第2回】私の"ONE OF A KIND"──稲葉智大|自分のキャラクターを体現してくれたテーラーとつくった想いの詰まったオーダースーツ
メンズ館5階=ビジネスクロージングのアシスタントセールスマネージャー稲葉智大(30歳)が選んだ【私のONE OF A KIND】は、ナポリのサルトリア<Luca Grassia/ルカグラシア>で仕立てたオーダースーツ。「秋冬シーズンは週に1回は着用していました」というスーツは、昨年春にオーダーし、9月に仕上がったもの。着ていると、お客さまから「そのスーツはどこのブランドですか?」と訊かれたり、フロアのスタッフからもよく見られていたので好評のようでした。
20代最後の一張羅を作りたい
こういう仕事をしていると、「こんなスーツが着たい」という想いが高まっていきます。最初はレディメイドでもオーダーでもよかったのですが、サイジングやシルエットなど、自分好みのスーツを探していたときに、ちょうどそのタイミングで<ルカグラシア>の取り扱いがメンズ館5階ではじまりました。
目に見えて手仕事の風合いが感じられるスーツで、「これはいいな」と思ったところに<ルカグラシア>のオーダー会があり、ルカに直接お会いする機会がありました。「パンツの股上を目一杯深くして、ワタリも広めで……」と、自分の希望を話しているうちに、ルカがどんどん話に乗ってきて、「じゃあ、ジャケットのラペルは太くして、共地でジレも作って」とオーダーすることになりました。
お前のキャラクターなら絶対メタルボタンがいい!
ジャケットのラペル巾は11cmあり、パンツの股上は28cm、プリーツの深さにまでこだわったスーツをオーダーしましたが、ボタンに関してはルカが「お前のキャラクターなら絶対メタルボタンがいい!」と押し切られました。
9月にスーツが上がってきたときに、同僚や先輩たちから、「稲葉、面白いスーツが上がってるぞ!」と言われて、確かにクラシックな素材やディテイルには似つかわしくないメタルボタンの付いた少し異質なスーツでしたが、着てみたらみんな「めっちゃいい!稲葉さんのキャラに合ってる!」と褒めてくれて、最初は半信半疑でしたが(笑)、今はとても気に入っています。
生地は、通年着られるように<ホーランド&シェリー>のバンチブックの中から、それほど重すぎない350グラムのクラシックな柄を選びました。ハリコシはありますが、なめらかな素材で、英国製生地ならではの仕立ての良さが伝わります。
同世代のサルトは、話も合うし、ノリも分かってくれる
ルカにオーダーするときに、「クラシックなものを遊び心がある着こなしで楽しめるスタイルを作りたい」とリクエストしましたが、薄手のニットやタブカラーシャツでのタイドアップ、今日みたいにオープンカラーシャツのカジュアルまで、本当に多彩な着こなしができるので、かなり満足度が高いです。
ハンドメイドの良さをよく訊かれますが、着るほどにサイジングが合ってくる着心地の良さはもちろん、それぞれのテーラーやファクトリーでしか出せない味はまさに唯一無二。ルカは自分の3~4歳上ですが、同世代にこういう服を作るサルトがいることを心強く思います。
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