2017.09.12 update

<+SOLE/アディショナル ソール>|最愛スニーカーを再生させる“新しい形のリペア”が登場(1/2)

履きつぶしたお気に入りのスニーカーや、ソールが加水分解などで劣化して履けなくなったスニーカーをお持ちの方に朗報!――福島県いわき市在中の靴職人、木田浩史氏が手がける<+SOLE/アディショナル ソール>は、革靴のリペア製法を用いて、スニーカーのソールを張り替え再生する新しいプロジェクト。9月13日(水)から18日(月・祝)まで開催する男の祭典「トウキョウ メンズ フェス 2017@イセタン」にて木田氏自らリペアを受け付ける。


オリジナルソールを作って、“新しい形のリペア”を


<ナイキ>や<アディダス>の名作スニーカーを、ビブラムソールやクレープソールへと、オールソール交換することで見た目も面白い<+SOLE>のリペアを手掛けるのは、福島県いわき市にアトリエを構え、リアルなハンドメイドにこだわっているシューズブランド<Hiroshi Kida>も手がけている靴職人の木田浩史氏。

SNSで<リーボック>の「ポンプフューリー」にビブラムソールを付けたスニーカーをたまたま見て、「このアイデアは面白いけど、アッパーとの組み合わせが惜しいな」と思ったのが<+SOLE>を立ち上げたきっかけだったという同氏。


「そのあとしばらくして、自分が履いているスタンスミスのソールを外してみようと思い立ち、ソールを剥がして、ウェルトを付けて、マッケイをかけて自分で履いていたら評判が良くて…、自分のブランドの展示会に試作を並べたら、イセタンメンズから今回のお話をいただきました」と続ける。

「自分は靴職人だから…」という木田氏が<+SOLE>でこだわったのは、“修理以上”のことをすること。既製品のソールを付けるだけでなく、<+SOLE>のオリジナルソールまで開発した。

「オリジナルソールは革とEVAとゴムのコンビのソールで、既製のソールに比べて厚くて軽いので、たとえばスタンスミスなどソールの薄いものと交換すると、『当たりが柔らかくなって履きやすい、足に優しい』という声もいただいています」と木田氏。

ソールをリペアした“違和感”ともいえる面白さも魅力だ。


クセのあるデザイン性が高い靴が好きです


木田氏は、福島から東京に上京してきた1990年代前半、代官山にあったセレクトショップ『READY STEADY GO!』で<ジョン・ムーア>のコンバットシューズに感銘を受け、製靴の世界に足を踏み入れた一人。

「僕たち世代の靴デザイナーや職人はほとんど<ジョン・ムーア>や<ダーク・ビッケンバーグ>の靴の影響を受けているんじゃないですかね」という木田氏は、自身も福島県いわき市にアトリエを構え、リアルなハンドメイドにこだわっているシューズブランド<Hiroshi Kida/ヒロシキダ>も手がけている。



「自分はハンドソーンとノルウィージャンが縫えるので、デビュー当時はハンドメイドでスタートして、今は9分仕立てで靴を納めています。靴づくりが飽きないのは、頭で考えたものが形になるのが面白いから。今でもクセのあるデザイン性の高い靴が好きです。いわき市で仕事をしていても、モノ作りに関しては東京とのタイムラグは感じませんね」

"クセ"のあるデザインを創造力が新たなリペアの形を生んでいるのかもしれない。

NEXT>3.11から丸6年が経って、今のいわき市で感じていること