3.11から丸6年が経って、今のいわき市で感じていること
「震災前のことですが、実は田舎が嫌いで、いわき市に戻ったときは知り合いから『木田はまた東京に戻る』と言われていたんですよ」と笑う木田さん。「震災の日は展示会の打ち合わせで東京に向かっていて、地下鉄の中にいました。妹からメールが来て、そのときは『そんなに大きかったのかな?』という感じで、地下鉄が動かないので知り合いの靴職人がいる浅草まで歩いて行って、震源地が宮城県沖だというのを初めて知りました。その職人の家に泊まったんですが、そこで津波の映像を見ました」。いわき市に帰る手段がないときに原発が爆発して、2週間ほど東京にいたそうだ。
「帰ろうと思って友だちに電話したら、『みんな逃げているのに、わざわざ戻ってくるの?』と言われ、やっと戻ったら、アトリエは地震でボロボロの状態でした。そんなひどい状況を見て、地元に住んでいる人たちは飲食や建設など、なにかしら地元に貢献しているのに、自分は靴を作っていていいのだろうかという違和感をもち、どこかに罪悪感がありました」
そんなときに紹介されたのが渡辺俊美さんで、福島で音楽イベントをやるようになり、ウェブマガジン「TYO magazine」編集長で福島県出身のカネコヒデシ氏が主宰するフクシマ ブンカハッシンプロジェクト『フクシマ+ミライ=“フクミライ”』に関わるようになってDJをやるようになったという。
「復興の意味を込めた音楽イベントは今でもやっていますが、つまらないのを街のせいにしないで、つまらないのなら文句を言ってないで、自分たちで面白くしようと思うようになりましたね。あれから丸6年経って、いわき市は人が増え、震災以降に面白い人が戻ってきています。自分も無関心だったのが、まわりが見えてきていますね」と木田さん。
「<+SOLE>では、お客さんが持ってきた素材をカスタムすることで、発見も多く、気づかされることもあります。これからもオリジナルソールを作ったり、製靴の技術を活かして面白いことにチャレンジしたいと思います」と続けた。
<+SOLE>スニーカーリペア
履きつぶしたスニーカーやソールが加水分解などで劣化してしまったスニーカーのソールを張り替え、再生するリペア企画。ソールは革靴の修理に使われるラバーソールなどを使用するため 耐久性にすぐれ、再修理も可能。*ウェルトを付けるためレザースニーカーのみリペア可能
□9月13日(水)~18日(月・祝)最終日16時終了
□本館6階=催物場
■価格:ソール交換19,440円から(1足1組)
■お渡し:約2ヵ月
*価格はすべて、税込です。
お問い合わせ
メンズ館地下1階=紳士靴
03-3352-1111(大代表)
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