男子には、コレクションしたくなる“サイズ感”があります


――ソフビに惹かれる理由を教えてください

吉水 ソフビを集め始めたのは1年ぐらい前からですが、僕らの世代はキンケシやソフビで遊んでいて、その延長線上で潜在的に好きなんだと思います。ソフビはプラモデルとは違って手荒に扱って遊んでも壊れないし。トイフェスに行ったり、オークションで毎日買う(笑)時期もありました。インディーズ系から古いものまで好きですね。


里見 デザインやっていて、ソフビはTシャツよりもなによりも自由なんです。僕の中には造形として「なにをしてもあり」という感覚があって、自由度が高いのが魅力。世の中にはまだまだ見たことがないモノがいっぱいあって、掘れば掘るほど面白い。最近は置き場所がなくなってきたので、どうにかしたいな(笑)と思っています。

古屋 おもちゃはいろいろ集めていて、古いものが好きなので、ソフビはアンティークなイメージでした。潜在的に眠っていた子どものときのキズ(笑)を取り戻すべく、お金が自由に使えるようになった大人になって買い戻したり。男子には、キンケシ、ソフビ、もう一つ大きいモノという3段階ぐらいのサイズ感があって、コレクションしたくなるサイズがあるんですね。自分はスタンダードサイズが好きなので、今回のソフビは本当に気に入っています。


安田 15~20年前ぐらいにあった“ソフビブーム”を覚えていて、本気でおもちゃを作っている大人を見てきているので、いつか自分も作りたいなと思っていました。おもちゃショーに行くと、ソフビを売買するマーケットがしっかりあったので、趣味や道楽で終わるより、作って参加したいと思って作りだしました。

作者本人による、ジェノメンズ「ソフビ」解説


吉水 1体が「父ライオン」、もう1体が「ウサギロボ」で、今回の2体には“物語”があります。ライオンのお父さんが帰り道にウサギを狩ったんですが、実はたてがみに乗っている子ウサギがいました。その子ウサギが猛勉強してロボットを開発して、ロボットに乗って、人参の剣を持って、父ライオンに復讐しにくるのです。ロボットの後ろにはスイッチがあります。


里見 PUNK DRUNKERSのメインキャラクターは「アイツ」なんですが、そのゾンビバージョンなので「ゾイツ」です。持っているのが自分の首で、アイツの首をゾイツが持っているのがシュール。アイツのゾンビ版は初めて作りました。


古屋 自分は歌川 国芳や河鍋 暁斎が好きで、猫モチーフの和柄の絵や置物が好きなので、中に人が入っているような感覚を残しながら、手におやつを持った「ネコリーマン」を作りました。猫2匹飼っていますが、猫アレルギーです(笑)。


安田 手にとって仕掛けがあったほうがうれしいので、昔の道化士を2パーツで作ったのが「ディミトリ」で、アメリカっぽいソフビを作りたいなと顔が出る仕掛けがあるのが「マッドキャップ」です。