2017.10.23 update

【特集|インタビュー】デザインで問題解決!生活に溶け込むプロダクトを世界へ発信する<NATIVE UNION/ネイティブ ユニオン>のガジェットアクセサリー

ブランド名の<NATIVE UNION/ネイティブ ユニオン>の意味を尋ねると、「NATIVEはオリジナル、UNIONは結ぶ。人と人、モノと人を結びつけるプロダクトを作り出したい」と答えるのは、デザイン部門長のファビエン・ナロイ(以下ファビエン)。コマーシャルディレクターのジョン・ボルゲッティ(以下・ジョン)は、「私たちにはユーザーの声がとても重要です。ガジェットアクセサリーは使ってはじめて使い心地がわかるので、ユーザーから『LOVE!』と言われるのが一番うれしい」と笑顔で語った。


<ネイティブ ユニオン>にてデザイン部門長を担当するファビエン・ナロイ(左)とコマーシャルディレクターのジョン・ボルゲッティ(右)

使うことでパーソナリティが際立つガジェットアクセサリーを


初来日のデザイナーのファビエンは、「日本のデザインや文化を見て、何か新しいインスピレーションを受けたい」と言い、日本は4回目というディレクターのジョンは、「<ネイティブ ユニオン>のアクセサリーはアメリカで多く使われていますが、iPhoneユーザーの多い日本も重要なマーケットです」と説明する。
ファビエン <ネイティブ ユニオン>は2009年に、フランス人インテリアデザイナー、イゴール・ドゥクとプロダクトデザイナー ジョン・ブルーナーのふたりによってイギリスでスタートしました。私は早い段階で入社し、デザイナーとして、ブランドコンセプトやデザインディレクションを築きました。
ジョン 私の仕事は世界各国でビジネスパートナーを探すことと、商品を通じて良いユーザーと出会うことです。日本は特に注目している国なので、より多くの人に商品を見てほしいですね。


ファビエン <ネイティブ ユニオン>の2人の創業時はプレミアムなインテリアデザインがベースでしたが、現在はデバイスアクセサリーが主力商品です。私がデザインで注力しているのは、「使うことでパーソナリティが際立つ」ことです。世の中には多くのデバイスアクセサリーがありますが、どれもマスプロダクトで没個性が多い。私は身の回りのモノを見て、“デザインされたものと、デザインされていないものの差”にがっかりします。デザイナーとしてはデザインされていないものをデザインして、新しい価値観を生み出し、多くの人と共有することを大切にしています。
ジョン <ネイティブ ユニオン>はデザイン性で他のブランドとは大きく異なります。一番大きな違いはブランドの特徴でもある「クオリティ」。本物のマーブル(大理石)や、本物のレザー、本物の木などどれも上質な素材を使っています。また、持ち歩くことが多いケーブル類も含めて、いかに現代の生活の中に自然に溶け込めるかという角度からデザインされているのもユニークな点です。


生活の中に溶け込んで“attach=愛着”になっていくプロダクト


ファビエン iPhoneは非常に優秀な工業製品ですが、そのカバーやケーブルは自分の個性や人間性を表すものです。大理石やレザー、木などのナチュラルマテリアルを使うのは、自然なものには一つとして同じモノがない、使っていくことで色や模様が微妙に違ってくるのが魅力だから。その魅力を活かすために限界に挑戦しています。
ジョン たとえば大理石は薄くするほど割れる素材です。iPhoneケースにするために1年ほど試行錯誤しました。
ファビエン 0.8mmに薄く削り出した大理石にファイバーガラスを貼り合わせることで、薄さと強度を保っています。木製のケースも使い込むほどにエイジング効果が出る素材を用いています。

デザインの力で、日常生活の利便性をソリューションしていく



ジョン クリックカードは自分も実際使っていますが、<ネイティブ ユニオン>のケースのシグネチャーである“スラッシュ”部分にはいつもは会社のカードキーを、出張の際には忘れないようにホテルのキーカードを挟んでいます。スラッシュ部分にはICカードも挟んで使えますが、Apple Payとの決済が干渉しないように工夫されているのも便利です。
ファビエン ケースのスラッシュは、セレブたちがレッドカーペットなどで自撮りするときにカバーがちょうど見えて、すごい宣伝効果(笑)にもなっています。
ジョン ケーブルはいろんな種類があるので、私たちは“ケーブルファミリー”と呼んでいますが、たとえばキーチェーン付きの充電コードは、持ち歩きに便利なだけでなく、会議室やカフェで自然と注目が集まって会話が始まるという“コミュニケーションツール”にもなります。


ファビエン ケーブル類にある“コブ”は何だと思いますか? 私たちは「モンキーフィスト=猿の拳(こぶし)結び」と呼んでいますが、iPhoneユーザーは夜に充電する人が約80%いるそうで、ベッドなどで充電するときに、スルッとコードが落ちてしまい、探すのが大変なのをソリューション(問題解決)しました。コブが落ちるのを防ぐストッパーの役目を果たします。
ジョン <ネイティブ ユニオン>のアクセサリーは機能とデザインのどちらも重視しています。デザインでソリューションしていくことで、身の回りに多くなったデバイス類を便利に快適に使えればと思います。
ファビエン 今は違うプロジェクトに関わっていて、デバイスが増えていくとケーブルも増えていきますが、それらをスマートに解決するチャージアクセサリーを今秋ローンチする予定ですので、ぜひご期待ください。

*iPhoneはApple社の登録商標です。iPhone本体の販売はありません。

Photo:Tatsuya Ozawa
Text:ISETAN MEN'S net

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