彫刻を立体造形物として捉えて、それを身につけられるように収縮する
豊福知徳の作品から、「空間の間の取り方などに刺激を受けています」と言い、専門学校で2年間、技術を学んだ後、身に着ける彫刻“wearable art”をテーマにブランドデビュー。工藤さんはアクセサリーを作るためのデザインは一切せず、「イメージが先にあって、物体を作ってそれを身につけられるように凝縮する」という独自のアプローチからデザインを作っていきます。
「この白のオブジェは2010年ぐらいに作ったもので、造形としてのレベルアップのきっかけになったものです。これを作るまでの自分の立体のとらえ方は“表と裏”で、それは“虚と実”の組み合わせでもあるのですが、このオブジェは虚の部分に造形を付け足すことができたもの。くり抜いた虚の部分に新たな造形を加えることで複雑さが生まれ、見え方の多面性が表出しました」と説明。
「いつも考えているのは“視点の分散化”で、見る人によってどこを見るかが変わり、どんなポイントを見つけるかによって見え方が多面的になります。自分は『モノと人のコミュニケーションの時間の長さが作り出すモノ』を大切にしているので、<ノード バイ クドウ シュウジ>では一見分かりづらいものが多いですが、大切に作っています」と続けます。