ここでしか見られない文豪の共演
今回もサロン内の壁面ギャラリーから、島地さんとっておきのコレクションをご紹介いたします。
一つの額に二人の文豪の愛用品が収まったもの。これは、柴田錬三郎先生が愛用した万年筆と北方謙三先生が愛用したパイプです。
柴田錬三郎先生は戦後、「書評」の編集長を経て創作に専念。1951(昭和26)年、『イエスの裔』で直木賞を受賞し、1956年より連載を開始した『眠狂四郎無頼控』など、戦国・幕末を題材とした剣客ブームを巻き起こしました。
また北方謙三先生は、1958年「眠りなき夜」で第1回日本冒険小説協会大賞、平成3年には「破軍の星」で第4回柴田錬三郎賞など、ハードボイルド小説・歴史小説を執筆し、数々の賞を受賞されています。
文豪のお二人を簡単にご紹介いたしましたが、皆さまのほうがもっとお詳しいかもしれませんね。
さて、そんなお二人の愛用品がサロンヘ行き着いた理由とは・・・
シマジ「シバレン先生(柴田錬三郎先生の愛称)がお亡くなりになった時に遺品としていただいたんです。何度か使ってみようと思ったんだけど、どうも私が使うのはもったいない気がして、使えずにいたんだ。ある日、昔から仲の良い北方謙三と会っている時に、”そうだ北方文豪ならお似合いだ!”と思って渡したんだ。」
お客さま「ではなぜ、北方先生のパイプと一緒にここにあるんですか?」
シマジ「それは、北方文豪もタイトルを書いただけで、荷が重いと返してきたんだ。そのかわり自分の愛用しているパイプと一緒に額装して飾ってくれと言われたんだ。そうしてこの二人の文豪のコラボレーションの額が誕生したわけです。」
お客さま「まさか、そんな経緯があったんですね。」
シマジ「シバレン先生には若いころ息子のようにかわいがっていただいて、担当の連載が終わってもその友情は続いたし、北方文豪とも今で交友がある。やっぱり友情は尊いものだね。」
大変貴重な、歴史的資料と言っても過言ではないようなペンとパイプ。巡り巡ってここにたどり着いたのは、島地さんとの運命だったのか・・・。
詳しいお話は次にサロンへお越しいただいた時に、ぜひ島地さんに聞いてみてくださいね。二人の文豪との思いで話と共に、語ってくださるかもしれません。
今週の格言
「もっとも尊いものは友情である。」
今週のお酒
「山崎12年」
繊細で複雑、深みのある味わい。ホワイトオーク樽熟成原酒由来のバニラ香と熟した果実香が特徴です。
島地勝彦
メンズ館8階=イセタンメンズレジデンス<サロン ド シマジ>のプロデューサー。1941年生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。「週刊プレイボーイ」に配属され、1983年に同紙編集長に就任、柴田 錬三郎・今 東光・開高健を回答者に据えた「人生相談」で一世を風靡し100万部雑誌に育て上げる。その後、「PLAYBOY日本版」「BART」の編集長を歴任。集英社インターナショナルの代表取締役を経て、2008年に退任。現在は作家・エッセイストに転向。
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