<Loud Style Design/ラウド スタイル デザイン>|“時代と寝ないクリエーション”から生まれるシルバージュエリーの圧倒的な魅力(1/2)
10月26日(水)よりメンズ館2階=インターナショナル クリエーターズで、新作ジュエリーを揃えたポップアップと、「お客さまの目の前でインプロビゼーション(即興)でジュエリーを彫っていく」というライブクリエーションを行う<Loud Style Design/ラウド スタイル デザイン>(以下、<LSD>)。シルバーが持つ原初的な金属の魅力に、エッジの利いた攻撃的なデザインを直接刻み込んでいくジュエリーを手がけるデザイナーの高蝶智樹氏を、江東区森下にあるショップ「GALLERY REFUSE」に訪ねました。
<Loud Style Design/ラウド スタイル デザイン>のデザイナー高蝶 智樹氏
メンズ館では初となるライブクリエーションを開催
ジュエリーは、ワックスと呼ばれる加工しやすい蝋(ロウ)を原型に、切ったり、削ったりという作業を加えてジュエリーの原型を作っていき、そこから型をとり、溶けた金属を型に流し込んで鋳造して作るというのが一般的です。それに反して、<LSD>のデザイナー高蝶智樹氏は、シルバーの塊に直接彫っていくという、ジュエリー界ではまったく常識外れの手法でトップブランドに上り詰めました。
「地金を直接彫っていくというライブクリエーションを初めて人前でやったのは、15年前のパリの展示会場でした。英語やフランス語で細かく説明ができないので、目の前で見せた方が早いと思って彫ったら、現地の人はみな“CRAZY!”とか言ってましたね。日本だと地金を直接彫ってると言っても誰も信じてくれないので、実演の為に全国をツアーして回りました」と高蝶氏。
高蝶氏にとって、「普段工房でやっている原型製作は、音楽のレコーディングのに近い感じで、ジャムセッションから好きなリフを取り出して、録音し一曲に仕上げていく様なもの。ライブクリエーションは人前だからこそ、逆にインプロビゼーションによって、自分の技術とセンスが合致するポイントをライブで見せられる面白味、何も用意されていない状態からのライブの予定調和じゃない楽しさ」と言います。
何も考えず、目についた板や工具を使うところから始まるクリエイション
工房を訪ねると、「旅に出てる以外は、365日ずっと仕事しています。アトリエで仕事しているのが一番落ち着きます」という高蝶氏。「バイクに乗ったり映画を観るのも好きですが、それよりもシルバーは、好きなだけ自分のイメージをカタチにしていけるので飽きることがない」
高蝶氏は、本当に「作業の直前まで何も考えないで、その日の素材と向き合って、自分の感覚で彫っていく」そうで、目の前で見せてもらって、その尋常じゃない集中力と力技に近い創作風景に度肝を抜かれます。
「最近のクリエーションでこだわっているのは“FLOW(流れ)”です。使う金属には必ず流れがあって、板を見て少し曲げたり、彫ったりしていって、その金属の流れをつかみ、カタチにしていきます。自分の中では、スカルやクロスなど、解り易いモチーフをストレートに表現して格好良いのが一番と思っていますが、それを追求していくと、金属自体の流れをしっかり掴まないといいカタチに向かいません」
「金属の流れとは?」と再度尋ねると、「説明は難しいんですが、金属の厚みや幅、角度によって出てくる質感のどこを見るかということですね。たとえば絵を描くときに、光を描くか、影を描くかでモチーフの印象がまったく異なるように、インプロビゼーションで何を選択するかということです。金属のリーディング(読み取り)は、その日の体調や気分によっても異なりますが、すべてその日任せです」と解説します。
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