2020.04.02 update

【特集】街からアウトドアまで万能な<ASPESI/アスペジ>のミリタリージャケットが愛され続ける理由

  1. ジャケット以上、コート未満のシティジャケット
  2. ジャケットでもない、コートでもない、ブルゾンでもない「M-43」
男のクローゼットに必然のように存在し、長く着ていくことを楽しむ──アウトドアウエアやミリタリーウエアが持つ機能性をタウンユースに落とし込んだ先駆者的存在である<ASPESI/アスペジ>もそんなブランドの一つだ。今回は、大人の日常着に欠かせない存在として君臨する大定番モデル「M-65」などタイムレスな名作を次々と生み出す<アスペジ>の魅力を伊勢丹メンズ館バイヤーに訊いた。



井波 亮

メンズ館7階=メンズオーセンティック
バイヤー


ジャケット以上、コート未満のシティジャケット


創業者のアルベルト・アスペジさんが、1967年にイタリア・ミラノ郊外にシャツメーカーとして設立した<アスペジ>は、イタリア人が"日常に欠かせない"と賞する良質なシャツで名を馳せた後、彼自身のアイデアから生まれたベーシックかつ機能的なファッションアイテムを次々と発表しました。特に、「M-43」「M-51」「M-65」と続くアウターの系譜は、ブランドを代表すると同時に、世界中のジェンツが愛用しています。

<アスペジ>といえば王道で大定番は「M-65」ですが、陸軍のフィールドジャケット発祥の「M-43」「M-51」を経た「M-65」はフィールドジャケットの完成形といえます。では、なぜ「M-65」が確固たる位置を築いたのか。

「M-43」「M-51」がフロントボタンなのに対し、「M-65」がジッパーを採用したことで抜群に保温性が上がり、さらに保温力を高めるライナーやドローコードが付きました。また、襟裏にフードを仕込んで全天候型となるなど、すべてのディテールがフィールドジャケットとしての機能性の塊(かたまり)になったんですよね。機能美が昇華した、云わばフィールドジャケットの完成形が「M-65」なのです。


ミリタリー派生のカジュアルアウターにおいて、マスターピースといえる「M-65」ですが、その人気の火付け役は、「Vespa(ベスパ)」*であることは広く知られています。イタリアのバイク乗りの通勤着として「M-65が」定番になり、生活に溶け込んでいる姿を見て、かっこいいなと思ったことから、街中の防寒着としての使い方を知ったのです。

フードを仕込んだ襟は自然に立てられたり、ドローコードを絞ることでシルエットが調整できるなど、もともとあるディテールで今っぽい着こなしにアレンジできるのも幸いしました。冬仕様のライナーを外したらほぼ一年中着られるユーティリティ性もポイントですね。

そんな「M-65」は、<アスペジ>がグローバルに展開する「ニューキャンプ」と、伊勢丹メンズ館でも取り扱うやや着丈短めの「ミニフィールド」というラインがあり、サイズアレンジが選べるのも世界的な人気の秘訣。素材はポリエステルナイロンですが、製品染めならではのパッカリングが最初から味になり、こなれ感が出ます。


  • <アスペジ>
    「ミニフィールド ベント」 68,200円


    <アスペジ>の定番モデル、M-65型の「ミニフィールド ベント」。今シーズンは、撥水加工が施された超軽量のナイロン素材し、雨天を問わず様々なシーンで活躍してくれる。コンパクトに畳んで持ち運べるパッカブル仕様も嬉しいポイント。


*イタリアのオートバイ・メーカー、ピアッジオが製造販売するスクーター製品。


ジャケットでもない、コートでもない、ブルゾンでもない「M-43」


<アスペジ>が「M-65」の次なるシティアウターでおすすめするのがこの「M-43」です。“スーツに合わせられるミリタリーアウター”という概念を生み出した<アスペジ>ですが、「M-43」はジャケット感覚で着られるテーラード風のノッチドラペルがクラシカルな雰囲気をプラスします。Tシャツの上に羽織っても上品に着こなせるのも魅力の一つですね。

また、ドローコードとフロントボタンでシルエットも自在に出やすく、襟を出して、ボタン中1つ掛けという着方から、襟元を開けて、ドローコードを絞らず着れば、ショートパンツなどと合わせてシティリゾート的な大人感も演出できます。

  • <アスペジ>
    「スモックパーカ」 121,000円

    M-43型の「スモックパーカ」は、前面にファスナー、胸元にポケット2つ、フロントポケットを備えるほか、撥水加工も施され機能的に使える一着に。

ミリタリー発祥のアウターながら、若々しい大人を演出しやすいのが<アスペジ>の大きな魅力。創業者であるアルベルト・アスペジさんの熱意が支えているクオリティの高さとともに、さまざまな着こなしを楽しんでほしいですね。

Photo&Text:ISETAN MEN‘S net

*価格はすべて、税込です。
*組織、役割に関する記載は、2020年3月現在の情報です。

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