【イベントレポート】<PORTER CLASSIC/ポータークラシック>|お馴染み「HAPPY HOUR」が藤原ヒロシをゲストに迎えメンズ館で開催(1/2)
「モノを大事にするって気持ちは、大事にした人にしか分からない幸せがあるんだよ。だから孫の代まで使える商品を作りたいんだ。絶対、使い捨てや流行じゃ味わえない幸福感があるから」 (ポータークラシック 2012年5月14日のTwitterより)
PORTER CLASSICのWEBサイトで、「HAPPY HOUR」は、お馴染みのコンテンツだ。吉田克幸・玲雄親子がゲストを招き、グラスを傾けながら、出たとこ勝負、行き当たりばったりの愉快な対談を不定期で行っている。
11月25日〜12月8日まで、吉田克幸氏が「最後のライフワーク」として取り組む、刺し子にフォーカスした、ポップアップイベント「SASHIKO LOVE」が伊勢丹メンズ館1Fで催された。これを記念して11月28日(土)には、8Fのカフェ「rejiig」にて「HAPPY HOUR」の公開トークショーを開催。ゲストに招かれたのは藤原ヒロシ氏。朝から並んで整理券を手に入れた50名ほどのファンを前に、克幸氏の「SASHIKO」プロジェクトについて、そして近況について語り合った。
藤原ヒロシ×吉田親子 旧知の親友(悪友?)が繰り広げるボケとツッコミの辛口トークショー
玲雄「実は先ほどヒロシさんから『今日、僕は喋りませんから』と言われておりまして緊張しています。トークショーなのに誰も喋らない、まるで現代アートのようなハッピーアワーになるかもしれません」
克幸氏が前職時代から交流がある藤原ヒロシ氏。3か月ほど前の昼下がり、玲雄氏を交えたランチ会が催されたという。その際の「2人の会話がとても面白くて、いつかこれをうちのスタッフにも聞かせてあげたいと思っていた」と玲雄氏は言う。
克幸「俺とヒロシくんが会話していると、ボケとツッコミみたいに聞こえるけど、いつもこうなんです」
藤原「決して盛り上がる話にはならないと思うんです。それと、克さんが途中でトイレに立つかもしれませんが、ご了承ください」
克幸「実際にあるかもしれない。そのときは5分ぐらい失礼しますので」
玲雄「さっきヒロシさんが席を外されていたときに聞かれたんです。トークショーの最中にトイレはまずいか?って(笑)」
藤原「3ヶ月ぐらい前ですよね、一緒に食事したときに、音楽を作ってくれって頼まれたのは」
克幸「いまリハビリなんだけど、水中ウォークってのをやってるんだ。隣で歩いてる奥さんが防水タイプの音楽プレイヤーで音楽を聞いているんだよ。それが、すごくいいなぁと思ってね」
藤原「それなのに僕は、まだなにもやっていないという(笑)。初盆ぐらいまでにはやりますので…」
2人の年齢差を感じさせないやり取りに、会場は笑いに包まれる。プロローグとしての導入では近況報告とイベントの趣旨に触れたが、一向に本題へと入っていかないのは、台本のないリアルな友達トークイベントならでは。そこで藤原ヒロシ氏が水を向けた。
藤原「今日はポータークラシックを世に広めるっていう話なんですよね。僕は、刺し子のことはよくわからないんです。なんで克さんが刺し子を好きになったのかとか、そういう話も聞かせてもらえますか。そもそも刺し子って、どういうものなんですか?」
克幸「いまから17〜8年前に東北の青森の民俗博物館にいったとき、たまたまスライドで見たんです。それから憑かれたように刺し子について勉強しました。世界中に刺し子があることが少しずつわかって、これを最後のライフワークにしようと決めました。やっているうちに、この素材はすごいってことがわかってきたんです。子供からおじいちゃんまで、シャネルのスーツからブリティッシュのスーツ、アメリカのスポーツウェアまで、ありとあらゆるジャンルに適応することがわかってきた。いまその素晴らしさに少しだけ酔ってます。ましてやこうやってヒロシくんがきてくれるなんて。今回、皆さんに感謝、感謝しかないですよ」
藤原「克さん、それじゃ、刺し子がなんなのかさっぱりわかんないです(笑)。生地の名前なんですか?」
克幸「針で刺すということです」
藤原「もしかしてお直しのことですか?」
克幸「そうなんです。ツギを当て、針で刺す作業を繰り返して、強度や厚味を増して保温性を高めたりもするんです。海外にも似たような文化があります。インドではおめでたいときに、おばあちゃんたちが何人もきて刺し子の布を作ります。アフリカにも、同様の文化があるようです。今日ここにあるのは庄内刺し子といって山形県の刺し子です。手作業で、ひと針ひと針縫いあげていくので、一個一個の表情が違います。まるで生き物のように」
メンズ館=1階プロモーションに構えるポップアップショップで展開されていた「SASHIKO LOVE」では、70~100年前の古生地に、リメイクやリペアといった手法によって様々な継ぎ接ぎとステッチワークが施される。1点もののジャケットや復刻版刺し子のコートなどとともにTシャツやカットソー、マフラーなどもコレクションされる。ショップではPORTER CLASSICの職人たちによるカスタムサービスや、組紐体験ワークショップも催されていた。
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