――三原氏と言えば職人的なモノづくりが特徴ですが、実際のモノづくりにおける過程で心掛けていることは?

前提にあるのは、見たことのないものや感じたことのないものを作り上げたいっていうこと。とにかくモノをつくる人が好きなんです。工場や材料屋さんであったり。そういう方々、一人ひとりが意思を持って作り上げていく。得意なことを集約したものっていうのは商品としてもモノとしても光り輝くような世界に見えるんです。


――日本人であること、日本でモノ作りすることで意識していることはありますか?

地場産業として地方でモノづくりをされている方然り、現状、日本でモノづくりをすることはすごい大変なことで…。日本人として何をやっていくか、何をつくっていくかが重要だと思うんです。ただただ「メイド イン ジャパン」って言葉を売り文句にしてる意味はないと思っているので、「メイド イン ジャパン」の持つ意味は常々考えてはいます。

日本において、モノづくりは斜陽産業と呼ばれていますが、実際、当事者である僕はそんなことは思っていなくて…。これから先もどんどんやれることはあるだろうし、新しい考え方やその当時できなかった技術が今できるようになったことだってたくさんあるわけですよね。日本人の気質として努力をしていくことって大好きじゃないですか、勤勉ですし。楽をしてしまった時の罪悪感とか、そういうのは嫌いなのでついつい茨の方に…。ある意味でドMかもしれませんが(笑)。

ただ、もっと手間をかけたり、難しいテクニックを使っていく方向性は、モノづくりにおいてはすごく大事な作業で、そのストーリーをお客さまにしっかり伝えてなくてはいけません。また、僕らがつくって売っていくことに対しての安心感だったり、信用っていうものをお客さまに感じてもらいたいですし、その信用は裏切りたくはないと思っています。そういった繋がりを含めてモノづくりを日本でやる意味があるのだと思っています。言語が通じやすいのでモノづくりに没頭できるのもまた一つですが(笑)。

NEXT≫注目のデビューシーズンのキーアイテムをチェック