平服で結婚式に参列する男性の服装は?平服の意味とおすすめスタイル4選を紹介
結婚式の案内状に「平服でご来席ください」と書かれていたら、男性はどんな服装で行けばいいのだろう。
「平服」という言葉の意味は「普段着」ですが、結婚式や式典、同窓会などの招待状に書かれた「平服」とはスーツを指します。
しかし、会社に着ていくスーツでよいのか、少しドレスアップするとしたら、あるいはカジュアルダウンするとしたら、どこまでが許容範囲となるのかを迷う方も多くいるでしょう。また、法事やお別れ会などの場合の平服はどういった服装なのかも気になるはず。
これらの疑問に伊勢丹新宿店メンズ館カテゴリースペシャリスト・口元勇輝がお答えします。結婚式におすすめの平服スタイルも紹介するので、結婚式にどんな服装で行けばよいか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
そもそも「平服」とは?言葉の意味から解説
「平服(へいふく)」は、「普段着。日常の衣服。」という意味の言葉です。しかし、冠婚葬祭における「平服」は、普段着ではなく、「少し簡易な略礼服、略喪服」を指します。
「平服でお越しください」という言葉は、参列者に向けた気遣いの言葉です。参列する式にあわせて適切な服装を着ていきましょう
参加する行事ごとの平服
結婚式
結婚式における平服は、ダークグレーのスーツに、白無地のワイシャツ、白やシルバーのネクタイがオーソドックスなコーディネート。派手な原色や目立つ服装、全身白もしくは黒のコーディネートはNGなので、気をつけましょう。
時代によって少しずつ変化はしていますが、いまの時代の「平服」は、控えめなスーツかジャケット&スラック
スに、ちょっとした季節感や時代性を取り入れながら、招待客や参列者を想いどこかに華やかさを添えることも大切です。
法事・お別れ会
法事・お別れ会において、男性は略喪服としてダークスーツを着ます。ほかにも、紺やグレーといった地味な色のスーツも可能。ワイシャツはレギュラーカラーの白無地、ネクタイは光沢のない黒無地が望ましいです。
光り物は良くないとされているので、光が反射するバックルのついたベルトや小物は身に着けないようにしましょう。靴も金具なしの黒い革靴が良いです。
結婚式の平服の服装選びで気にするべきポイント
結婚式に平服を着ていく場合に、ゲストの顔ぶれ、時間帯、会場の格式の3つのポイントを踏まえてどんな服装にするかを決めましょう。ゲストの顔ぶれ
平服で参加する際は、自分以外のゲストの年齢、立場を考慮した服装を選ぶ必要があります。出席者が会社の上司や取引先の上役など目上の方の場合は、よりフォーマル感のある準礼装に通ずるスタイルにするとよいでしょう。反対に、新郎新婦の友人をはじめとした若者が中心であるならば、多少カジュアルダウンした服装でもよさそうです。時間帯
平服のマナーは昼と夜で異なるため、式典の開催時間によって服装を変えます。男性に関しては、開催時間が夜であればシルクウールやベルベットなどの光沢感のある素材のアイテムを身に着けることも可能です。会場の格式
平服で参加する場合も、会場の雰囲気にあわせたコーディネートを組みましょう。ホテルにある厳かな雰囲気の式場なのか、カジュアルなレストランウェディングでにぎやかな雰囲気なのかを確認して、その場にあった服装を選ぶのがおすすめです。 伊勢丹新宿店メンズ館が提案する、緊張度別「平服」スタイル4選
1.フォーマル感を漂わせるスタンダードな礼装スタイル
まずは、もっとも一般的な礼装としての「平服」スタイルとして、ネイビースーツの着こなしです。ホテルや結婚式場で行われる、友人や親戚の結婚式など。列席者には招待者にとって目上の方々がいる場合は、たとえ友人・家族とはいえ失礼のない礼装が求められます。
オーソドックスな平服は、やはりスーツです。お手持ちのネイビースーツでも構いませんが、やはりここは会社に着ていく仕事着スーツではなく、上質な素材と仕立てのものを選びたいですね。ネイビーの色も、濃いめであればフォーマル感がより高まります。
シャツは白無地のレギュラーカラーを選んでほしいところ。セミワイドやワイドカラーは、ビジネス色が強いので、もっとも正装に相応しいレギュラーカラーがよいでしょう。
シューズは必ず黒を選んでください。ネイビースーツには茶靴を合わせがちですが、フォーマルシューズは黒と決まっています。ソックスはひざ下までの黒のロングホーズが最もおすすめです。
2.格式ある会場と目上の列席者に合わせた格調高い「平服」
ワンランク緊張度高めの「平服」スタイルをご覧ください。同僚の結婚式など会社の上司や取引先の上役が出席する宴席の場合、会場もホテルや格式ある結婚式場、寺社仏閣などで厳粛な雰囲気を求められる場所ならば、「平服」とはいえ緊張度は高い。そこでここでは「準礼装」にも通じるフォーマル感を取り入れたスタイルをコーディネート。
ちょっとお洒落したいとき用に、パーティ用ジャケットをお持ちの方もいらっしゃると思います。ブラックやネイビーが多いかと思われますが、今回は海外のフォーマルでも一般的なグレーのスーツをご用意しました。夜の室内の照明に映えるので、モヘアやシルクといった素材を選んでも良いと思います。
シャツはウィングカラーにし、ボウタイを合わせました。ウィングカラーシャツは、パーティなど晴れの席で着用するものですが、一枚持っておくと、いざというとき役立ちます。ボウタイはあまり明るすぎない色で、準礼装のブラックタイを意識しました。羽根が大きすぎるのもいただけませんので、適度なものをお選びください。
靴は黒のレースアップを。スリッポンはカジュアル靴の領域なので。ストレートチップもしくはプレーントゥが望ましいですね。時刻が夕方以降の場合は、オペラパンプスも相応しいです。
3.爽やかにリネンを纏うサマーパーティースタイル
今度は緊張度を落としたカジュアルなパーティスタイル。夏のガーデンウェディングのように季節を満喫できる席でのコーディネートです。明るいブルーのスーツ&ネクタイのスタイルは、爽やかさもあってこれからの季節に相応しいスタイルといえます。
ガーデンパーティで行われる友人の結婚式など、気の置けない仲間内のパーティスタイルなら、目立ちすぎず、地味すぎないこれぐらいの平服がよいでしょう。スーツはリネン混の素材感が引き立つ夏らしいもの。ネクタイもコットンリネンにしてスーツの素材感に合わせました。ポケットチーフも白のリネンを選びながら、縁取りにブルーを効かせることでカジュアルな気分を醸し出すのがポイントです。
ここでもあえて靴は黒。パンチドキャップトゥのレースアップシューズを合わせました。白のスニーカーでも合わせたくなるようなスタイリングですが、結婚式のような招待者にとって一世一代の席にご招待いただいたのですから、締めるところは締めて、しっかり礼を尽くされるのがよいと思います。
4.小物使いで華やかさを添えるカジュアルウエディング
今度はレストランウェディングや二次会など、カジュアル感のあるパーティーで着る「平服」スタイルをご紹介します。
カジュアルとはいえ晴れの席で着る服装なのだから、会場の雰囲気に合わせて華やかさを足すことも必要。そんなときは服そのものを派手にするのではなく、小物柄で洒落感を加えるのがポイントです。決して派手に悪目立ちして、主役を食ってしまうことのないスタイリングを心がけたいですね。
カジュアルなパーティの平服はネイビージャケットにグレーのスラックスが一般的です。ジャケットはアンコン仕立てのもので構わないと思います。グレースラックスもテーパードシルエットですっきりとスタイリッシュに。グレーの色も、ライトグレーより、チャコール〜ミディアムグレーが礼装向きと言えますね。
インナーはポロシャツを選び、気軽でリラックスした雰囲気にまとめてみました。その代わり、襟元にネッカチーフを巻いて、ネクタイ代わりの華やかさを加えています。ネッカチーフは、控えめな色柄の小紋柄。パンツの裾からすねが覗くように、フォーマルな席でも相手に敬意を払う事のできる紳士はあまり肌を露出しないほうが良いといわれますからね。
ここでの足元はローファーを選択。気軽な「平服」スタイルなら、あえて紐靴を選ぶ必要はありません。ただし茶色のローファーはカジュアル味が強すぎるので、あくまでパーティーシーンであることを心がけて黒を選びます。
伊勢丹メンズ館で相談するなら「会場」「立場」「時間」を伝えて
本記事では、平服の意味や、参加する行事ごとの服装、結婚式におすすめのコーディネートをお伝えしました。もし何を着て行けばいいか迷ったときは、伊勢丹新宿店メンズ館のカテゴリースペシャリストにお気軽にご相談ください。ご相談の際は必ず「会場」「立場」「時間」をお伝えいただければ幸いです。
どのようなパーティなのか、結婚式なのか、カジュアルなイベントなのかなど、イベントの内容だけでなく、どんな会場で、どんな列席者で、開催時間が昼なのか夜なのかもお伝えいただくと、ご提案がしやすくなります。時間帯によっても光沢素材の使い方や色味の選び方があるので、わかる範囲でお知らせください。
まずはお気軽に、なんでもご相談いただけるとスタイリストの豊富な経験が活かせると思います。私たちカテゴリースペシャリストは、メンズ館だけでなく本館まで全館通じたお買い物のご案内ができます。礼装のトータルコーディネートだけでなく、お手持ちアイテムとの合わせ方、お手土産品のご相談など、どのようなことでもご相談ください。かならず頼りになるアドバイスができると思いますので、ぜひお気軽にお声がけください。
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Photo:Tatsuya Ozawa
Text:Yasuyuki Ikeda
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