【特集】宮永えいとが変身!メンズ館バイヤーが選ぶ大人コーデ
セレクトスタート|宮永さんの“大人化”リクエストは「清潔感」
宮永 洋服は大好きなんですが、20代前半に買った服を今でも着ていて、ずっと黒ばかり着ています。さすがに30歳になってイメージチェンジしたい、大人っぽく見られたいと思ったんですが、どんなブランドで、どんな着こなしをしたらいいのか、皆目分かりません。稲葉 なるほど。メンズ館のお客さまからも、「20代前半の学生時代はファッション雑誌を見て好きなブランドを着ていたけど、仕事を始めて多忙になって、気がついたら30代になっていて、ファッションとは疎遠になってしまい、何をどう着たらいいのか分からない」というご相談をよく受けます。
稲葉 今回は、宮永さんからリクエスト頂いている「清潔感」がポイントになってくるので、清潔感を出しやすい「ネイビー」を中心にコーディネートを組もうと思います。
宮永 ネイビーは着たことがないですね。カッチリ感があって、大人の余裕のある色だとは思いますが、自分では「カジュアル過ぎる?」とどこかで敬遠していた色です。
稲葉 そんなことはないですよ。ネイビーは顔写りも良いですし、持っていて間違いなく着こなしの軸になるアイテムとして自信をもってご提案します。
メンズ館の2階・4階はよく来るけれど、5階を見るのは初めて
稲葉 まずはメンズ館5階のメンズテーラードクロージングからセレクトしましょう。
宮永 メンズ館は「良い服が揃っていて、服を買おうと思ったときに来る店」というイメージですね。2階や4階にはよく来ていますが、5階には初めて来ました。見るモノすべてが新鮮です。
稲葉 フロア全体を見渡していかがですか?
宮永 2階や4階で選ぶ洋服のテンションは、仕事の延長でも使える普段着=私服という感じですが、イタリアブランドがずらっと揃う5階は、どういうテンションで着たらいいんだろうと、正直分かりません(笑)。
稲葉 品揃えは、働き盛りのビジネスマンが「時代にフィットした、良い服を着たい」と、新しいものを発見しに来る方も多いフロアです。確かに、宮永さんには縁遠く見える世界ですよね。
宮永 仕事で接客もするので、ちょっと前までは人に見られることはかなり意識していましたが、最近は着こなしに自分の感覚を入れるようにしています。良い服を着たいと思いますが、相変わらず黒を着てしまいますね。
稲葉 30代になって洋服熱が再燃したときにアドバイスするのは、TPOを意識することと、見られ方を工夫することですね。今日は、大人の着こなしの足がかりになるようなキーアイテムを中心に、「オンでもオフでも着られるスタイル」と「カジュアル過ぎないキレイめな休日スタイル」の2コーデをセレクトしていきます。
5階では、大人に格上げしてくれるマスターピースをセレクト
稲葉 30代で服を迷っている人にもオススメで、大人に格上げしてくれるマスターピースを軸にご紹介しますが、まずネイビージャケットはイタリアの〈タリアトーレ〉のホップサックジャケットです。
宮永 〈タリアトーレ〉、初めて聞きました。しかも、ネイビージャケットは、人生初!です。
稲葉 オン・オフ問わず一年中着られる素材で、ウエストに絞りが入っているので、スタイリッシュに着こなせます。〈タリアトーレ〉のジャケットはマストで持っていたいマスターピースですね。
宮永 いわゆる“紺ブレ”ですよね。持ってないなぁ。
稲葉 日本人のなで肩にもフィットして、肩の作りも柔らかいので、Tシャツやカットソーとも合わせられるし、今の季節なら季節感のあるカラーニットやハイネックとも相性が良いですよ。
宮永 初めての紺ブレですが、こういうベーシックなアイテムは、普通に着ると、本当に普通に見えませんか?
稲葉 ジャケットコーデは、この〈タリアトーレ〉のジャケットに、同じくイタリアブランドの〈フェデリ〉のニット、ボトムスは〈ピーティートリノ〉のデニムパンツというコーディネートを考えています。アイテム自体は一見とてもオーソドックスですが、“大人化”のポイントは素材感の良さです。
宮永 確かに、まだ試着をしていませんが、ツヤっぽく感じるのは、素材の良さなんですか。勉強になります。デニムもいわゆるアメリカブランドのものとは違ってエレガントさを感じます。同じアイテムなのに不思議ですね。
稲葉 それが洋服の面白いところですね。もう一つの休日コーデは、リラックス感やコンフォート感をテーマにアイテムを選びますが、たとえばこの〈ジャブス〉のスラックスは、ストレッチが効いた素材に、クリースがデザインとしてしっかり入っているので、カジュアルパンツですがドレッシーに着こなせます。
宮永 なるほど。5階は、大人が着て上品に映える、エレガントでドレッシーなアイテムの集積なんですね。これまでは縁遠かったフロアですが、飛び込んでみるのも楽しいですね。早く着てみたいです。
1階でセレクトするのは、秋ならではの香りを運ぶ最旬ニット
稲葉 1階のセーター・カジュアルシャツフロアからは、もう一つのリクエストのカジュアル過ぎないキレイめな休日スタイルとして、カーディガンとクルーネックニットの「アンサンブル」をおすすめします。清潔感に宮永さんのイメージを加えて、ニットの質感と、気持ちゆったりめのフィッティングで“大人化”に挑戦しましょう。
宮永 1階にはいろんなブランドの、様々なカラーのニットが揃っていて、いざ自分が選ぶとなるとまた迷いますね。
稲葉 休日コーデは、ニットブランドで人気の〈グランサッソ〉のカーディガンを軸にしましょう。これもネイビーが宮永さんを大人に格上げします。
宮永 肌触りがなんとも気持ちいいカーディガンですね。これに5階で見た〈ジャブス〉のスラックスを合わせるんですね。
稲葉 宮永さんはこれまで身体にフィットした服しか着てこなかったので、ちょっとゆったりめのフィッティングには最初、違和感があると思いますが、着てみると、「これが大人の感じか」と理解してもらえるはずです。
宮永 今日は、稲葉さんの手のひらの上で遊ばせてもらいます!(笑)
オン・オフの着こなしも、休日コーデも、全体の印象を締めるのは靴
稲葉 では、地下1階の紳士靴で、靴を選びましょう。
宮永 すごい数の革靴がありますね。圧倒されます。
稲葉 品揃えでは世界一の靴売り場です。宮永さんは靴もほぼ黒ですよね。今回は茶系にチャレンジしましょう。
宮永 靴箱にない色ですね。似合うかなぁ。
稲葉 コンフォート感のある休日コーデには、〈バーウィック〉のコインローファーを合わせましょう。表革とスエードの両方履いてから決めましょうか。
宮永 このクオリティで33,000円はコスパが高くないですか。すごくしっかりしたローファーに見えます。
稲葉 〈バーウィック〉の「ミレニアルラスト」は、ブランドと伊勢丹メンズが共同で開発した日本人の足に合う木型なので、足の薄い宮永さんにもしっかりフィットするはずです。
宮永 “大人化”とは、革靴を履くことでもありますね。
稲葉 もう一つのオン・オフコーデには、定番中の定番、〈パラブーツ〉の「ジャンボード」にしましょう。これは一足持っていると、朝、つい手が伸びてしまうほど、どんな着こなしにもフィットします。
宮永 そんな靴がこの世にあるんですか!? 世の中には知らないことばかりです。
稲葉 さていよいよ全てのアイテムが揃いました。どんな着こなしになるか楽しみですね。
大人のオン・オフコーデ|まずはネイビージャケットから始めよう
稲葉 〈タリアトーレ〉のジャケットの着心地はいかがですか?
宮永 着心地がとても軽いですね。ずっと黒のテーラードジャケットばかり着ていますが、これは力まずに着られそうです。
稲葉 サイズ感も合っているので、ジャケットスタイルですが、リラックスして見えますよ。
宮永 昔から、服は「自分を律するためのツール」という感覚が強くて、ストイックに着たい、どこに行っても大丈夫な服でいたいという思いから、選択肢は黒でした。カジュアルだと緩い気がして、だからネイビーとか着るのが怖かったんです。
稲葉 このジャケットは宮永さんが着るとすごく都会的で、若々しいですね。自分が着るともっとクラシックになってしまいます(笑)。宮永さんのキャラクターには、あえてチーフを挿さないのも似合っていますよ。
宮永 カッチリ感はありますが、着ていて気持ちに余裕が生まれそうです。
大人の休日コーデ|ポイントは、適度なゆとり感と高級ニット
稲葉 色はたくさん使わないで、リラックス&コンフォート感をフィッティングで出してみましたが、どうですか?
宮永 着てみてとても新鮮です。いつもはモード感を出すためにタイトな着こなしばかりですが、適度なゆとりのあるシルエットって大事なんですね。
稲葉 同色系のニット&カットソーのアンサンブルの上品さに、クリース入りのカジュアルパンツでコンフォート感をプラス。リラックス感のあるパンツでゆったりめのフィッティングは、まさに今の“大人化”にぴったりです。
宮永 流行りのオーバーサイズを着たいと思いませんが、フィッティングで差をつけるというのはアリですね。
稲葉 着ているうちに宮永さんの表情も柔らかくなってきて、自分の狙い通りですよ。
宮永 稲葉さんが推すネイビージャケットとニットは、男性ウケですか? 女性ウケですか?
稲葉 清潔感メインで考えると、女性ウケですね。とてもベーシックですが、着こなしによってトレンド感を入れたコーディネートもできるし、仕事が終わって、レストランで食事というときにも好感を持ってもらえる色とアイテムです。ぜひ着てみてください。
宮永 今回はステキなアドバイスをありがとうございました。黒ずくめから脱却して、ネイビーで大人を目指します!
本掲載内容は、YouTubeチャンネル"オトナ男子LABO"にてご紹介予定です。お楽しみに!
Photograph:Natsuko Okada
Text:Makoto Kajii
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