【特集】スタイリスト松本祥音に聞く、「マイテーラードクロージングスタイル」2020秋冬
伊勢丹メンズのスタイリスト自身は、どんなブランドやアイテムを、どういう気持ちやシーン設定で、どう着こなしているのか。タメになる情報やおすすめを友人に聞くように、伊勢丹新宿店メンズ館5階=メンズテーラードクロージングのスタイリストに、知りたいことをどんどん深掘りしていく新シリーズがスタート。
第一回目に登場するのは、メンズ館5階=メンズテーラードクロージングのスタイリスト 松本祥音。27歳にしてテーラードクロージング担当歴は既に7年...。もともとカジュアルなファッションを好んでいた松本ですが、テーラードの基礎を学んでいくうちに「高いものにはワケがある」と理解し、今では自身の”個性”の出し方にこだわりながらテーラリングのファッションを楽しんでいるそう。「同世代の若いお客さまにも、もっとたくさんの方に魅力をお伝えし、テーラードクロージングを楽しむ仲間を増やしたい」、そんな松本の熱い想いがお客さまに届きますように...
秋のオススメ3ルックとともに、松本のユニークなファッション観もお楽しみください。
「ショーン」と覚えていただき、店頭でお気軽にお声掛けください!
──お名前の「祥音」は何と読むのですか。
松本 「祥音(しょうおん)」です。母親がつけました。イタリアなどからメンズ館のトランクショーにいらっしゃる招聘者の皆様には「ショーン」と呼ばれていて、覚えやすいみたいです。名前は気に入っていますよ。
──松本さんは2012年入社ですね。
松本 はい、93年生まれで、2012年入社組です。接客がしたくて三越伊勢丹に入り、14年に伊勢丹新宿店メンズ館5階のスタイリストになって現在に至ります。
──メンズ館5階=メンズテーラードクロージングの魅力を教えてください。
松本 年々ブランドや品揃えがボリュームアップしていて、セレクトの感度も高くなってきています。メンズドレスの面白みがアップデートしていますね。実は入社当時は若かったので、あまりスーツには興味がなかったんですが、年々スーツが好きになっていきます。
──松本さんの最近のヒットアイテムはなんですか。
松本 この春に買った<カルーゾ>のモデル「バタフライ」ですね。スーツなんですが、ゆったりしたフィッティングに絶妙の抜け感があって、ボーダーニットと合わせてよく着ています。バタフライの秋冬バージョンは、グレー地にヴィンテージ調のストライプで、これもカッコイイですよ。
──注目しているファッショニスタはいますか。
松本 ネクタイコレクションを展開する<スパッカ ネアポリス>の二コラ・ラダーノのスタイルは僕も好きですね。自分よりも若いし、どのルックも上手く着こなしていて、個性の出し方が上手いです。
同世代の男性を、僕がもっと格好良くしたいです!
──着こなしのこだわりを教えてください。
松本 スーツなら、隙がない着こなしよりも「崩しすぎない=カジュアルになりすぎない」ことに重点を置いています。たとえばスーツにニットやカットソーを合わせるなら、ネッカチーフを首元に巻いてドレス感を残すようにしています。
──そういった崩しのテクニックはどこで教わりますか。
松本 それはメンズテーラードクロージングの先輩をよく見て学んでいます。メンズ館5階の商品ラインナップの良さを知りつつ、先輩方の着こなしを参考にしているうちに、コーディネートの幅が広がって、今のスタイリングにたどり着いたという感じです。
──自分の個性をどう捉えていますか。
松本 僕はもともと派手好きで...メンズ館5階の落ち着いた雰囲気の中では少し浮いていると思うのですが(笑)、スーツやジャケパンスタイルのときでも、遠慮せずにもっと個性を出していいと思っています。お客さまに「こういう色を着たい」や「他人とかぶらない着こなし」などご相談いただけると嬉しいです。
──この秋冬シーズンに気になっているトレンドはなんですか。
松本 メンズ館5階=メンズテーラードクロージングがトレンドとして打ち出す「ラテ」と「モノトーン」のカラーリングで、特に黒をスタイリングに取り入れると、グッと今シーズンらしさが出てくるので要チェックです。ブランドでは<カルーゾ>がオススメです。
──接客・販売の面白さをどこに感じていますか。
松本 自分ぐらいの年齢・世代の人に、メンズ館5階で扱っている一格上のスーツやスタイリングを知っていただけたら、きっと発見があり、興味をお持ちいただけるはずです。接客で一番大切にしているのは、お客さまに楽しんでいただくことなので、意外性のある商品も積極的にご提案して、僕が必ず格好良くします!
松本祥音が着こなす、オン・オフの3つのスタイリング
正統派の装いも遊び心ある着崩しスタイルも、テーラーリングを自在に楽しむ松本が、オーセンティックなスーツからビジネスカジュアル、休日スタイルまで、オン・オフの3つのスタイリングをご紹介。テーマは「シーンの明確化」で、「普段、自分が好んで着ていて、しっかり自分のカラーが出せるカジュアルも、タイドアップしたスーツの挑戦も、秋らしさを意識しながらセレクトしました」。
Styling 1.スーツスタイル/オン
秋冬のクラシック回帰で、フランネルなど起毛素材がクローズアップされますが、「きちんとスーツを着たい」気分から、グレーのヘリンボーンのスーツをセレクト。正統派の着こなしに自分のカラーも出したいので、ストライプシャツに柄のネクタイで華やかさと遊び感を加えて、自分好みのスタイリングに仕上げてみました。
Styling 2.ジャケットスタイル/オン・オフ
今シーズンのテーマ「モノトーン」を意識しながら、シーンを選ばずカジュアル風味で着られる<タリアトーレ>らしい大人のダブルブレスト×金ボタンをチョイス。タートルニットとネッカチーフ、グレンチェックのパンツで程よく崩したドレススタイルです。着こなしのイメージは、仕事の後に遊びに行くスタイルで、この着こなしなら映画から食事までOKですね。
Styling 3.カジュアルスタイル/オフ
着こなしのコンセプトは「ミックススタイル」。スエードのアウターに、インナーにはラグジュアリーなモックネックニット、アメカジ風の軍パンを合わせて、きれいめな大人カジュアルスタイルです。レザーアウターはやっと似合う年齢になってきて、スエードのソフトな印象のアウターなら、場所を選ばず気張らないで着られるので、この秋冬はヘビロテしそうです。
外出自粛期間など今年は特に、ご自宅のモノを断捨離される中でワードローブを見直された方も多いと思いますが、お客さまおひとりおひとりが長く愛せる、上質なアイテム選びのお手伝いをさせていただけると嬉しいです。
三越伊勢丹オンラインストアで「メンズテーラードクロージング」特集ページを見る
photograph:Natsuko Okada
Text:ISETAN MEN‘S net
*価格はすべて、税込です。
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