2020.08.26 update

【特集】今秋の2大カラートレンドは「ラテ」&「モノトーン」


メンズクラシックのカラートレンドは、ゆっくりだが、しかし確実に進化と変化を伴うカテゴリーだ。では今季のトレンドカラーはなにかといえば、昨シーズンを継承しながら、ほんの少しニュアンスを変えるラテとモノトーン、2つのカラーパレットが提案されている。

〈アルフレッド リフュージオ〉のボンバージャケットは、ハンドステッチを入れた伊勢丹メンズの別注モデル。経年変化したかのように焼けた茶褐色は、重厚なレザーの味わいを存分に物語るものだ。この茶色こそ「ラテカラー」。茶はトーンによってキャメル、ベージュ、エクリュなど名称が変わるのだが、ブラウンとベージュの中間に位置するラテカラーは、今季伊勢丹メンズが推すトレンドカラーのひとつである。


〈アルフレッド リフュージオ〉レザーブルゾン 550,000円 
□伊勢丹新宿店メンズ館5階=メンズテーラードクロージング

〈サルトリア カラッチョロ〉が仕立てたダブルのスーツもラテカラーを纏う。現代では再現することが難しい、複数色の原糸を撚り合わせたメランジ糸で織られた生地と、4つボタンダブル×3パッチポケットというこだわりのデザインディテールを持つ一着に、スーツを愉しむ男の余裕が映し出される。


〈サルトリア カラッチョロ〉スーツ 286,000円 
□伊勢丹新宿店メンズ館5階=メンズテーラードクロージング

もうひとつのカラートレンドは、ここ数シーズン継続する「モノトーン」だ。それは例えば〈オラッツィオルチアーノ〉のスーツ。メランジグレーのチョークストライプは90〜00年代に一斉を風靡した柄だが、近年は落ち着きを見せているだけに、いま改めて新鮮に映る。アメリカンやブリティッシュに典型の、トラディショナルかつノーブルなグレースーツには、白無地のシャツと黒ベースのタイをあわせて。あえて色を使わないストイックなコーディネートは、どこかモード的感性を伴っている。


〈オラッツィオルチアーノ〉スーツ 396,000円 
□伊勢丹新宿店メンズ館5階=メンズテーラードクロージング

カラートレンドはシーズンごとに移り変わるが、メンズカラーはトーンやニュアンスの変化がその主である。モノトーンの傾向は継続しつつも、白のチョークストライプを取り入れることで新鮮味を増していた。茶系のカラーパレットもラギッドな昨シーズンから、今季は上品なトーンに白や黒とミックスすることで、配色の王道「アズーロ・エ・マロネー(紺と茶)」とはまた違った、テーブルの上のカフェオレの如き優雅な趣を醸す。ラテもモノトーンも、古い映画のフィルムのような、どこか懐かしさがを薫らせながら、そしてやはり新鮮なのだ。


Photograph:Natsuko Okada
Text:Yasuyuki Ikeda

*価格はすべて、税込です。

お問い合わせ
03-3352-1111(大代表)
メールでのお問い合わせはこちら