2020.07.06 update

【特集】注目株はアストロフィツム、 おうち時間を充実させる「BOTANIZE(ボタナイズ)」の塊根植物

年々人気を増す、コーデックスと呼ばれる塊根植物。無骨な幹や太い根を持ったユニークなフォルムが特徴で、多くの愛好家を持つ。その火付け役となったのがエキゾチックプランツショップ「BOTANIZE(ボタナイズ)」だ。

今回は、伊勢丹新宿店メンズ館でのポップアップを控え、約一年ぶり、2度目のインタビューを敢行。オーナーの横町健さんに、”おうち時間”が増えたことによるインテリアとしての需要の高まり、またポップアップの内容などについて話を聞いた。


自粛期間中はひたすら”土遊び”


──今回は、約一年ぶりのインタビューとなります。ここ一年で観葉植物、とりわけボタナイズさんで扱っているような塊根植物(通称コーデックス)やサボテンなどの動きについて大きな変化はありますか。

ここ数年の盛り上がりは変わらずで、依然として人気が高まっていると感じています。同じようなこの植物を扱うお店も増えましたよね。これからは、アパレルやグッズなども含めて、いろんな仕掛けで、ファンの方を飽きさせないような工夫が必要だなと思っています。


──コロナ禍での影響はありましたか。前回のインタビューはお弁当屋さん(代官山の「TOKYO BENTO STAND」)を開店する直前くらいだったのですが。

テイクアウトの需要が増えるとは思っていたのですが、これまでにテイクアウトをやっていなかったような高級店なども参入してきて、思ったほどではなかったですね。とはいえ、しばらくするとベーシックな”弁当”に対する需要も帰ってくると思うので、今は我慢の時というか、努めてポジティブに考えるようにしています。


──逆に、ボタナイズはどうでしたか。自粛期間中にインテリアや植物を購入して、”おうち時間”を豊かにしようとする方も多かったと思いますので。ボタナイズでもそういったお客さまは多かったですか。

インスタグラムを見てる方が多く、インスタにアップするとすぐに売れてしまう、というようなことはありました。また、自粛期間中にボタナイズでも何か面白いことができないかなぁと思って、インスタグラムのライブ配信でオークションを毎週金曜日にやってました。これがすごく反響が良くて。採算関係なく、みなさんに楽しんでいただけたと思うので、いい取り組みになったかと思っています。

──とりあえずみなさん、家の掃除、片付けはやりましたよね。

僕も断捨離というか、部屋の整理はやりました。身の回りのものも極力無駄なものをなくしていって、より本質というか、新しくものを買う時にも本当に必要なものなのかどうか、考えるようになりましたね。


──自粛期間中、横町さん自身はどのように過ごされていましたか。

鉢も当店の主力アイテムの一つですが、事務所にろくろを入れて、ひたすら土遊びというか、鉢を自ら作るというのをやってみました。これがとても面白くて、没入感があるというか、土と向き合うみたいに言ってしまうとちょっと言い過ぎかなと思うのですが、時間を忘れて楽しむことができるんです。時間がたっぷりあったからこそできたことだと思うので、それは逆によかったことの一つです。焼いて仕上げるのですが、そのための窯も購入しました。

ジオメトリック調なサボテン、「アストロフィツム」に夢中



──今回2度目のポップアップになります。ズバリ目玉は何でしょうか。

今回は、通称”兜丸(かぶとまる)”アストロフィツム属のサボテンです。馴染みのない方には見分けが難しいのですが、トゲ座があるものは基本的にサボテンの仲間になります。上から見ると、星のようにも見えるので、有星類とも呼ばれることもあります。いろんな愛で方があると思いますが、真上から写真に撮った時など、すごくかっこいいですよ。

──兜丸って、名前もチャーミングですね。アストロフィツムの魅力はどこにありますか。

もともと塊根植物は成長に時間がかかり、それが希少性などにも繋がってくるのですが、アストロフィツムは見た目によってスーパー兜、ミラクル兜、ゼブラなど呼び方が変わっていって、トゲ座と呼ばれる白い斑点が多ければ、どんどん白さが増していって、希少なものになります。



また、稜線が8つのものが基本なのですが、それが10あったり、また逆に少なくて稜線が5つのものだったりすると、こちらも希少性の高いものになります。

──アストロフィツムは熱狂的なファンもいらっしゃるようですね。

愛好家も多く、インスタグラム上には「アストロボーイズクラブ」というアカウントが存在します。今回のポップアップでは「アストロボーイズクラブ」とコラボレーションしたTシャツやキーホルダーも展開します。


ちなみに、アイコンはカミソリの刃。これはなんなのかというと、兜丸を早く成長させるために接木をするのですが、その時に、別のサボテンの先端をカミソリの刃で鉛筆のように削って、その上に兜丸を乗せるんです。カミソリは、アストロフィツム愛好家には重要なアイテムなんですよ。

──前回のインタビューでは、鉢も大事な要素のひとつだとおっしゃられていました。今回はご自身が手掛けたものも登場したり…。


あるとしたら、それは次回ですね(笑)。今回は、ボタナイズでも高い人気を誇る〈Konect/コネクト〉とコラボレーションした鉢も目玉のひとつです。クラックの模様が入ったものや、ボックスのロゴがあしらわれたものなど売れ筋を持っていきます。オンラインストアに出すとすぐに完売してしまうものも多いので、注目していただきたいですね。


また、香港のアーティスト、スコット・チャンによる陶器も特別なアイテムです。スコット・チャンは、レシートにアートを落とし込むことで有名なアーティストなのですが、〈ボタナイズ〉と〈ヴァンズ〉とのコラボスニーカーを陶器で再現した鉢を出品予定です。また、それをプリントしたTシャツも持っていきます。ボディにはコーデュラナイロンを織り込んであり、耐久性のある一枚に仕上がっています。もちろん引き続き、定番のユーフォルビアなどのコーデックスも展開します。

──最後に改めて、今回のポップアップについて、意気込みや見所などを教えてください。

希少性なども重要ですが、ユーフォルビアもアストロフィツムも、植物なんです。やっぱり、育てる楽しみが第一にある。特にアストロフィツムは比較的成長もわかるので、育てるという意味でも愛着が感じられると思います。それなりに値段がするのものが多いのですが、だからこそ大事にするというか。これを機にひとつ購入してみて、育てる楽しみを見出していただければと嬉しいですね。もちろんマニアの方も大歓迎です。温めておいた希少種もたくさん持っていきますよ(笑)。


横町 健

よこまち けん●1973年生まれ、東京都出身。anea design 代表。2008年に店舗などの内装デザインを手掛ける「アネアデザイン」を設立し、自身がディレクションするカフェ「アネアカフェ」を都内4カ所で運営。その後、大の植物好きが高じて2016年に塊根植物を中心としたエキゾチックプランツショップ「ボタナイズ」を代官山にオープン。2019年1月には、港区白金に「ボタナイズ」と「アネアカフェ」を複合した店舗を新たに立ち上げた。

イベント情報
「ボタナイズ」ポップアップ
  • メンズ館6階=メンズコンテンポラリー

Photo:Yutaro Tagawa(CEKAI)
Text:Ryuta Morishita

*価格はすべて、税込です。

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