【特集】進化する名靴、<JOSEPH CHEANEY/ジョセフ チーニー>の革靴がミレニアル世代に支持される理由
今回は、「PURELY MADE IN ENGLAND」の靴づくりを標榜する同ブランドの魅力に焦点をあて、伊勢丹メンズ館の紳士靴担当バイヤーの田畑智康と、正規輸入代理店・渡辺産業のセールスを担当する吉村健太さん、PR担当の椿望美さんの3名に、<ジョセフ チーニー>が今求められてる理由について聞いてみた。
「初めての英国靴」として<ジョセフ チーニー>をすすめる理由
田畑 伊勢丹新宿店メンズ館地下1階=紳士靴では、ドレスシューズを中心に、2万円代から20万円以上まで多彩な革靴を揃えています。その中でも<ジョセフ チーニー>は、インポートシューズを集積したゾーンの中核を担い、5万円台からお買い求めいただけるという点でも、若い世代から絶大な信頼を得ています。ブランドの顔でもある「ALFRED(アルフレッド)」は、特に人気ですね。
――人気の理由はどこにあると思いますか。
田畑 伝統的な英国靴ならではのグッドイヤーウェルテッド製法や堅牢な作り、総合的なコスパの良さなどはもちろんですが、トレンド感を上手につかみながら、新しいプロダクトを生み出す積極的な姿勢が若い世代に共感を呼んでいますね。また、時代のキーワードになっているサステナビリティ(持続可能性)やエンゲージメント(愛着心・思い入れ)などが靴の世界にも求められてきて、「モノを大事に長く使う」ことに英国靴が合致しているのも人気の理由の一つです。
――なるほど。吉村さんはこの人気をどう分析されていますか。
吉村 私どもの直営店「ブリティッシュメイド」でも、英国のドレス靴を求めてこられる30代の方が多くなっています。<ジョセフ チーニー>は2009年にリブランディングをしたのですが、それ以来、オリジナルプロダクトを打ち出しつつ、他ブランドとのコラボにも積極的で、ファッションに敏感な方にもブランドのポリシーなどが徐々に浸透しているのを感じます。
田畑 作りに関しては、レザーのカッティングから最後のポリッシュまでの全工程を自社工場で一貫して行っているので、当然クオリティが高く、ラスト(木型)も常に修正を加えているので、値段に対する満足感とともに、「現代にフィットする革靴」の代表としても人気があります。
吉村 コレクションは、ラスト毎にモデルに特徴があって、ドレッシーな内羽根や時代が求める外羽根、カジュアルにもキレイめでも履けるワーク系まで、ラインナップは充実しています。一度履いてラストのファンになる方や、着こなしに合わせて選ばれるなど、選択肢が多いのも大きな魅力だと思います。
永遠のマスターピースとして存在感を強める「125ラスト」
――<ジョセフ チーニー>で人気を高めているのが125ラストです。
吉村 125ラストは、2011年にブランド125周年を迎えたときに新たに開発したラストです。「日本人の足に合う木型」として開発されましたが、別名コンビネーションラスト(*)と言われていて、普遍的なラウンドトゥのトゥシェイプの良さを活かしつつ、ヒールカップの収まりの良いのが特徴です。(*足幅Fウィズに対して、D1/2ウィズ程のヒールカップが入っている)
――125ラストのどういう点に惹かれるのでしょうか。
田畑 インポートシューズの長年の課題である、踵のシェイプ感やノーズの程よい長さが上手に設計されているのはもちろん、英国靴ブランドで2011年にまったく新しいラストを創り出そうという意欲も非常に貴重です。マーケットを捉えて時代に対応するプロダクトを作る力は大きな魅力ですね。
吉村 125ラストでは、代名詞的モデルの「ALFRED(アルフレッド)」のほか、セミブローグモデル「WILFRED(ウィルフレッド)」も人気です。ブローギング(飾り穴)がカジュアルな遊び心を感じさせますが、着こなしをちょっと崩してもスニーカーには出せないエレガントさがあり、アルフレッドで125ラストのファンになった方の2足目として売れています。
最強カジュアル靴として話題の「ケンゴン」の人気の秘密
――125ラストはドレスラインの主役ですが、そのほかのお薦めを教えてください。
吉村 独特の存在感がありながら、キレイめにも履けることで人気のモデル「CAIRNGORM Ⅱ R(ケンゴン)」がおすすめですね。<ジョセフ チーニー>のカジュアルラインであるカントリーコレクションの靴で、本国では75年以上前からあり、130年の歴史の中で最も長く作られ続けている4436ラストを採用。いわゆるミリタリーラストにコマンドソールという最強コンビです。
田畑 私も履いたことがありますが、ダブルソールなのにソールの硬さがそれほど気にならなくて、独特の顔つきは靴箱に1足欲しくなります。“カントリー調のドレスシューズ”として時代感を上手く捉えているので、店頭でも人気です。吉村さんが履いているのはケンゴンですよね。
吉村 はい、2013年頃に買ったものです。ダブルソールですが"返り"がとてもいいので、履いていて革靴だということを忘れます(笑)。とにかく強靱な靴で、アッパーのレザーはドイツのタンナーで、キズにも強いシボなので、そのままガンガン履いてもいいし、手入れ次第で味になっていくところも気に入っています。そうそう、弊社の会長が25年以上履いているケンゴンがありますよ。
田畑 これぐらいになるまで履きたいですね。コマンドソールは減ってないですね。
吉村 これぐらいで「やっと自分の一足」という良い味が出ています。
田畑 ケンゴンは、今の革靴に求められる“ファッション・デザイン・機能性”のバランスが整っていて、まさに「全天候型」。雨の日でもガンガン履けるし、ドレスにもカジュアルにも合うというお客さまのニーズとマッチしています。
──今シーズンはビジネスシーンでも活躍しそうな「ケンゴン ハイブリッド」がデビューします。
田畑 そうです。今シーズンの目玉が、この「CAIRNGORM H(ケンゴン ハイブリッド)」です。ブランドの魅力と考え方が凝縮している一足になりましたね。
吉村 このハイブリッドモデルは、本国では外羽根モデルに多用されている175ラストを採用しています。トゥシェイプは125ラスト的なクセのないラウンドトゥで、アッパーにはクロムエクセルを使用しているので雨に強いですね。ハイブリッド=ドレスとカジュアルの融合という意味で、ケンゴンのコマンドソールよりドレス顔をしているダイナイトソールになっています。アッパーとウェルトの結合部分は、隙間から水や砂が侵入してくるのを防ぐストームウェルト仕様です。
田畑 まさに<ジョセフ チーニー>のドレスシューズの強みを活かしたシューズに仕上がっています。ラストもソールも仕様も変えて、日本人ビジネスマンのリクエストをすべて満たしていますね。ライニングもモード感のあるブラックで、脱いでもカッコイイ。
吉村 アッパーのシボ感も個性に繋がって、今の時代のドレススタイルにしっかり対応するモデルです。
田畑 ミリタリーシューズ好きにも、カントリーシューズ好きにも響く都会派モデルですね。
伊勢丹メンズ館にウィメンズモデルが登場。女性の目から見たブランドの魅力は?
――今回の<ジョセフ チーニー>モアバリエーションポップアップには、レディースモデルの定番3モデルもラインナップします。男性にはぜひパートナーの方を連れて見に来てほしいのですが、PRの椿さんは、女性から見て、ブランドのどんなところに惹かれますか。
椿 私も直営店に立つことがありますが、若い男性にも「良いモノを長く大事に使っていく」というサステナビリティのムードが高まっていて、125ラストを中心に人気です。また、おしゃれが好きな男性や2足目という方には、125ラストのウィルフレッドやカジュアルなケンゴンが好評で、特にケンゴンはアウトドアの雰囲気がある人に選ばれていきますね。
田畑 今日、椿さんが履いているのは何年ほど経ちますか。
椿 今日履いているプレーントゥは4年ほどになります。シンプルなデザインですっきりしているので、きちんと装いたいビジネスシーンはもちろん、カジュアルなスカートにも合わせやすく、ヒールじゃないので楽なのも気に入っています。
吉村 <ジョセフ チーニー>のレディースモデルは、レディース専用のラストを採用し、メンズと同じ工場、製法、使っている素材も同じなので、大人の女性に選ばれているのも特徴です。
椿 ラストは細身ですが、ウィングチップはブローグが細かく繊細なので、足元から上品な雰囲気を感じられます。ローファーもトゥがほっそりしていて、とてもきれいです。
田畑 今回はポップアップに出るモデルを中心にお話を伺いましたが、エイジングの楽しみ方などを知ると、より愛情を持って履くことができると思います。
- 3月4日(水)~10日(火)
- メンズ館地下1階=紳士靴
Text:ISETAN MEN‘S net
*価格はすべて、税込です。
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