【インタビュー】世界で1本のリーバイスを“仕立てる”テーラー・山本美緒氏に訊く、「LOT No.1(ロット・ナンバーワン)」の魅力とこだわり(1/2)
アジア人初のリーバイス®テーラーが手掛ける、ビスポークジーンズ。
19世紀末に炭鉱夫のためのワークウエアとして誕生し、現在では世界で最もポピュラーなカジュアルウエアのひとつとなったジーンズ。そのオリジンとして、コアなマニアから高感度なファッショニスタまでを魅了し続けているブランドであるリーバイス®が、「世界に1本だけ」の完璧なフィットのテーラーメイドジーンズを仕立ててくれるサービス、「LOT No.1(ロット・ナンバーワン)」をご存知だろうか?世界でもサンフランシスコ、ニューヨーク、パリ、ロンドンという非常に限られた都市の店舗で提供され、アジアでは唯一「リーバイス®原宿 フラッグシップストア」でのみ展開されているこのサービスが、2月20日(木)から3日間限定(事前予約制)で、伊勢丹メンズ館7階の特設コーナーにて体験できるという。
カウンセリングから採寸、型紙製作、カッティング、仮縫い、フィッティング、そして縫製まで、そのすべての作業を一手に請け負う最高レベルの技術者。それがテーラーであり、アジア人初のテーラーとして多くの顧客を抱え、本イベントでも辣腕を振るう予定の山本美緒氏に直接話を訊くことができた。
「舞台などの衣装の製作を手掛ける仕事を経て『リーバイス® ストア 新宿』のテーラーショップで働くことになったのですが、リーバイス®の魅力はなんといってもひとつの品番、モデルであっても、着る人それぞれ千差万別の着方や楽しみ方があるということ。マニアというわけでもなかった私が、ジーンズについて知れば知るほど魅了されてしまったポイントでもあります」
そんな山本氏は、あのリーバイス®初のアジア人テーラーという立場から想像していた “職人気質の偉丈夫”というイメージを見事に裏切る、細腕の麗人。素直にその印象を本人にぶつけてみた。
「カスタマイズを手掛けるテーラーショップでは、『この復刻モデルのオリジナルが生産されていた頃から生きてるんだよ』っていうジーンズにとても詳しい年配のお客さまがいるなかで、本当に自分なんかでいいのかな?って思うことも確かにありました。今でも毎日勉強させていただくことばかりですし。でもそういうお客さまがいる反面、ビンテージなんて何も知らない若い世代のお客さまもたくさんいらっしゃって、ジーンズそのものにはあまり興味がないけどカスタマイズを楽しみたいという、エントリーとしての反響が凄かった。私が思っていた以上にお客さまはマニアだけではないし、ビギナーの方も多いんです。ビスポークの『LOT No.1』についても同様で、あらゆるモデルを所有してきて、ただ完璧なサイジングのみを求めてオーダーされるという方もいれば、人生で初めてジーンズを穿くという方もいるほど。アスリートの方などは特に一般の方とは違う極端な体型をされていらっしゃる方も多いので、そもそも(ストレッチ素材でない)ジーンズという選択肢があり得なかったとおっしゃいます」
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