【インタビュー】デニムで消費スタイルを変えていく、<EVERY DENIM/エブリデニム>が目指す未来(1/2)
移動販売で、デニムを売る──。<EVERY DENIM/エブリデニム>は”世の中の消費行動の在り方を変える”という信念のもと、キャンピングカーでオリジナルデニムの販売を行っているブランドだ。立ち上げたのは、山脇耀平さんと島田舜介さん。二人は兄弟である。この時点で食指が動いた方も多いだろうが、8月21日(水)からは、メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンスにてプロモーションを開催。2年間で全国47都道府県を回ったゴールが、このメンズ館となる。
今回は、デニムに掛ける思いや、型にとらわれない販売手法、そして未来のヴィジョンまで、デザインを手がける兄の山脇耀平さんに話を伺った。
イベント情報
<エブリデニム>ポップアップストア「47都道府県旅の終着展」
□8月21日(水)~9月10日(火)
□メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンス▶イベント詳細はこちら
モノだけでなく、モノが生まれる瞬間の感動まで届ける
──まずは、ブランドを立ち上げたきっかけについて教えてください。
「立ち上げたときは、僕も弟もまだ大学生でした。弟が岡山の大学に通っていたのが全ての始まりだったのかもしれません。ご存知の方も多いかもしれませんが、岡山県倉敷市は世界に誇れるデニム産地です。当時は軽い気持ちだったんですが、弟と工場を見に行ってみようという話になりまして、行ってたみら、とにかくすごくて、感動しました」
「ダメージ加工など、様々な加工を行う工場だったのですが、職人さんたちの手つき、真剣な眼差し、そして次々と生まれていく美しいデニム、そういったものを目の当たりにして、これはもっと多くの人に知ってもらうべきだと思いました。そこで工場やデニムブランドを紹介するブログを立ち上げるんです。その時から『エブリデニム』という名前を掲げています。2014年の時ですね」
──活動資金のほとんどがクラウドファウンディング。しかも目標額を大幅に超えたものもありますね。
「それはテレビで取り上げられたというのが、たまたまタイミングが良かったと言いますか。今回の、日本中を移動しながら販売会を行うというプロジェクトには多くの方にご協力いただきました。2017年のことです。作り手と買い手の距離を縮める、そこにフォーカスしようとブログを立ち上げたのが、2014年12月。それから9か月後の2015年9月に自分たちでデニムを作ってみようと、ものづくりをスタートさせました。今は弟がプロジェクトの進行役を、僕がデザインや生産管理などを担当しています」
──現在、工場の状況はどのようなものなのでしょう。
「ファストファッションの流行は言うまでもなく、優秀な熟練工をたくさん抱えているにも関わらず、危機に瀕している工場もあるんです。知られていないという理由だけで、国内のジーンズ文化が廃れていっていいのかと、優れた技術を繋いでいくためにも、業界の構造自体を変えなければと、そういう思いで最初のクラウドファウンディングを行ったんです。幸いにしてプロジェクトは目標額に達し、ブランドをスタートさせることができました」
──デニムって、ハリウッドスターから僕らまで、いろんな人が身につけられるアイテムですよね。古着市場では、それこそ数百万で取引されるものがあるほどです。デニムの魅力はどこにあるとお考えでしょうか。
「ファッションアイテムでも珍しく、デニムは『これが頂点』というものがあるんですよね。『リーバイスの501』なんですが。ここまで神格化されているものって、他のアイテムだと中々無いんです。そこから様々に枝分かれしていったのですが、トップが明確であるということは、やはり大きいと思いますね。細分化する過程で、オリジナルとの差異を楽しめるわけですから。マニアと呼ばれる人も多くて、人を惹きつける理由はそこにあるんじゃないかなと思っています」
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