──今回メンズ館でのポップアップの目玉がトラベルアイテムになります。フィレンツェの自社工房で作られたラゲージや、スマートウォッチなどが並びます。触れてみた感想はいかがですか。
「まず自社工房で作られているというのは知りませんでした。バックパックはレザーのクオリティが高いですね。あとは開閉しやすいデザインで、空港での荷物の調整などもストレスなく行えそう。トローリーはインダストリアルで男心くすぐるデザインに惹かれました。あと、ホイールがかなりスムーズなのもポイントですね。スーツスタイルにも合いそうですし」
──スマートウォッチは、NASAが開発した時差ボケ解消アプリと連動しています。ナビゲーションシステムや翻訳ソフトも入っていて、使える機能が詰まった一本です。
「子供の頃憧れたスパイ映画に出てくるような時計ですね(笑)。クロノグラフっぽい文字盤もかっこいいですし。トローリーも時計も、時間を掛けて自分のものにしていくといった”育て甲斐”がありそうです」
──先ほど香港の話が出ましたが、シンガポールや香港ではモデル活動をなさっていたとお聞きしています。
「まだ駆け出しの頃、二十歳くらいの時ですね。モデルとしての仕事もそんなになかったですし、この持て余す時間をどうしようかと。英語も話せない、シンガポールや香港についての知識もない、そんな状態で飛び出しました。今考えると焦りもあったんだと思いますね。向こうの事務所にも籍を置いていただいていたのですが、そこでの経験はすごく大きかった。人生観が変わるような経験でした」
──駆け出しのモデルの多くが海外で”武者修行”して、ひとまわり大きくなって帰ってくるというのは業界内ではよく聞く話ですよね。
「僕の場合は周りにほとんど日本人がいなかった。現地の人たちに囲まれて、それこそ自分を見つめ直すいい機会になりました。日本で過ごしていて、自分が日本人だと意識することはほとんどありませんが、外に出たからこそ自分のアイデンティティとは何かと自問する時間ができました。今振り返っても、いい時間を過ごさせてもらったなと感じています」
──そう考えると、4月に改めて訪れる香港は楽しみですね。
「当時は本当に貧乏留学生というか、仕事もなければお金もなかったですからね。屋台で一番安い料理を頼んで腹を満たしたのもいい思い出です。あれから20年弱経ちますが、改めて香港の景色がどう見えるのか楽しみにしています」
──櫻井さんはモデルという極めて競争が激しい世界で、ずっと第一線で活躍されている印象があります。もし人生を”旅”に例えるならば、最終目的地はもうお決まりですか。
「子供の頃はクジラになりたいと思っていたので、クジラですかね(笑)。冗談はさておき、実はあまり先のことまであれこれと考えないようにしているんです。僕はずっと目の前のことを必死にやってきました。運にも、人の縁にも恵まれていたと思います。常に常に目の前のことを全力で。今でも、”なんでもやってやる”という気持ちでいます。年を重ねた時にふと気づいたらクジラみたいに大きくなってた、というのが僕にとっては理想なのかもしれませんね(笑)」
Photo:Tatsuya Ozawa
Text:Ryuta Morishita
<モンブラン>ポップアップストア
□4月24日(水)~5月28日(火)
□メンズ館地下1階=ラゲッジ
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お問い合わせ
メンズ館地下1階=ラゲッジ
03-3352-1111(大代表)
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