【第1回】<PRISTINE Gents/プリスティン ジェンツ>|一人ひとりの“今”が、未来を創っていく

渡邊 智惠子
株式会社アバンティ代表取締役、NPO法人日本オーガニックコットン協会副理事長。1985年、会社設立後、現在は講演やテレビ出演など、さまざまな活動を通じてソーシャルビジネスに従事している。
朝の身支度時になにげなく袖を通す下着。この一枚の陰には、あらゆる工程があり、数多くの人がかかわっている。綿花の栽培、採取、紡織、裁断、縫製。そこからさらに流通、販売を経て、消費される。各段階で多くの廃棄物が排出され、なかには自然に悪影響を及ぼすものもある。
連載の記念すべき第一回は、そんな下着づくりを徹底して見つめ直し、オーガニックコットンにこだわったブランド、プリスティン ジェンツを取り上げる。代表である渡邊智惠子氏は、未来には「人、コト、モノ、そして思想」を残していくべきだと考えている。

「染めない。これが、20年間徹底していること。通常であれば、綿を脱脂・脱色し、染色し、色の定着剤を使い、防縮剤を使います。この過程で、たくさんの水とあらゆる薬剤が必要となるんです」。
脱脂工程を極力経ていない同ブランドのアウターは水を弾く。ゆえに汚れが付きにくいという利点がある。環境に配慮した結果、実用性も加味された。

脱脂前の原綿は脂を多く含むため、水に浮く。吸水性の高い脱脂綿とは対照的だ。

脱脂しないスウェットは、天然のウォータープルーフ。保温性にもつながる。
「昨年から、『22世紀に残すもの』というラジオ番組を始めました(HPで視聴可能)。また、東日本大震災で被災した方のための雇用創出や、子供たちが大自然のなかで学ぶ私塾も開設から3年を数えます。人が未来をつくる。一人ひとりがもっとフォーカスされるような世のなかになればいいなと思います」