<Y. & SONS/ワイ&サンズ>プロジェクト・ディレクターでやまと取締役の矢嶋孝行氏
<Y. & SONS/ワイ&サンズ>ゆかたお仕立て上がり 52,920円
<KIJIMA TAKAYUKI/キジマタカユキ>帽子 21,600円
普段身につけているものをどう合わせて楽しく装うか
渡邉 今回の<ワイ&サンズ>のコンセプトショップには、社会の様々な事柄がボーダーレス化する中で、洋装と和装を垣根を越えて表現をしたいという思いがあります。ですが、ただ境界をやみくもに取っ払うのではなく、「和服の理にかなっている部分」やそれぞれの本質を理解した上で表現したいという思いがあり、<ワイ&サンズ>とイセタンメンズの編集力を組み合わせた面白い提案をしたいと企画しました。二村 コンセプトショップでは、<ワイ&サンズ>のアイデンティティを保ちながら、和柄のバッグや小物類、和装で持つと自然におさまるクラッチ、夏らしい帽子など、和とリンクするコーディネートの楽しみを提案します。さらに、スニーカーやサンダルやスリッポンなどもチョイスしています。
渡邉 同時期にメンズ館地下1階=紳士靴では、世界のサンダルを集積した「ワールドサンダルマーケット」が開催されているので、サンダルはそちらにたくさん揃いますので、それらとコーディネイトするのも百貨店の醍醐味ですね。
矢嶋 二村さんの言うとおり、今は、ゆかたやきものを着るために、一からすべてを揃える時代ではありません。普段身につけているものをどう合わせて楽しく装うかが、<ワイ&サンズ>が発信する役割でもあって、「ねばならぬ」と思われがちな和装の世界をまず破壊して再構築することが私たちに求められています。
きものやゆかたに負けないパワーを持った小物や雑貨を
二村 シーズンで変わるきものの着こなしに合わせる洋雑貨は“シーズンレス”がいいと、<ワイ&サンズ>の小物・雑貨のセレクトは、まず普遍的なものにこだわりました。矢嶋 <ワイ&サンズ>がスタートしたときに二村さんと話し合ったのは、「きものやゆかたと同じパワーを持っているブランドをセレクトしたい」というのがあって、流行り廃(すた)りのないきものやゆかたに対抗できる普遍的なブランドにこだわりましたね。
渡邉 ゆかたは夏の風物詩の花火大会や盆踊りなどで着る機会が増えますが、初心者は「ゆかたは着るのが大変」というイメージもまだありますね。
矢嶋 今回は、幅30cm、長さ4mほどの綿の「兵児帯(へこおび)」をご用意します。この帯は、ゆかたの前を合わせて、ぐるぐる腰に巻いて差し込むだけなので、温泉のゆかたと同じ感覚で簡単に着ていただけます。また、アートディレクターの平林奈緒美さんが製作した着物を収納しやすいオリジナルボックスで納品しますので、家で収納に困ることもありません。
日本の男たちよ、誇りを持って和装を楽しもう
渡邉 矢嶋さんはきものを着る機会が多いと思いますが、ご自身が日本の男というのを意識される機会はありますか。矢嶋 二村さんから、「JUTTA NEUMANN(ユッタ・ニューマン)のサンダルが良いですよ」と言われて、人生で初めてニューヨークで着物を着て、買い付けのために会いに行ったんです。<キジマタカユキ>の帽子をかぶって、<WANT Les Essentiels/ウォント レス エッセンシャル>のクラッチを持って。それで本人に会ったら、私のきもの姿に説得力があったようで、いろいろ説明する前にこちらの気持ちが通じました。そのとき、自分がやりたいことが体現できたなと思いましたね。
二村 今日、矢嶋さんが履いているのが<ユッタ・ニューマン>ですよ。
矢嶋 きものは私たちの民族衣装なんですね。私は海外の方に会うと、必ずその国のナショナルコスチュームを尋ねるんですが、今はほとんどが洋服です。きものは先進国では最古の民族衣装ではないかと思います。この形を今も保っているのは稀なこと。<ワイ&サンズ>のお客さまはビジネスの第一線で活躍されている方が多いのですが、男性には海外へ行くときにきものを着用してほしい。日本人として発言するときの説得力は間違いなくあります。ぜひビジネスのときもきものを着てほしいですね。
二村 「働く場で着てみませんか」と言いたいですね。まず政治家が着て発言してほしい。多様化の中の一つの選択肢ですが、リアリティと説得力があるし、そういう人がいたら楽しいじゃないですか。<ワイ&サンズ>はそんな日本人の心意気に一番近いブランドだと思います。
Photo:Okada Natsuko
*価格はすべて、税込です。
お問い合わせ
メンズ館2階=インターナショナル クリエーターズ
03-3352-1111(大代表)
- PREV
- 2 / 2
- NEXT