JAPAN 靴博 2015|【インタビュー】あのワクワクを、もう一度 靴業界の未来を担う学生デザイナー(2/4)
- 10.28 Wed -11.10 Tue
- 伊勢丹新宿店 メンズ館地下1階 紳士靴
正月のお節がヒントになりましたーー櫛野情園
むかしの日本はちゃぶ台でご飯を食べて、寝るときはちゃぶ台をはじによせて布団を敷いていたんですよね。狭い土地だから生まれた無駄のない生活ってすごい。この発想を靴で表現するとしたらーー閃いたのが正月のお節でした。団らんが終われば重ねてしまうから邪魔にならない。で、下駄でお重をつくろうって思ったんです。
木でつくることも考えたんですが、新しさが欲しくて塩化ビニールを選びました。学校に成型できる機械があったんです。色は日本伝統のトーンを意識しました。ベースの木型は足裏の起伏を再現しているのでフィット感もちゃんとしています。耐久性を考慮した塩ビの厚みもこだわりのポイントです。
美術だけはきちんと授業に出なさいっていう母親でした。もちろん他の教科もちゃんと授業に出てましたけど(笑)。母は洋服でもなんでもつくれるヒトでした。
うちは4兄弟で玄関にはいつも靴があふれていました。あのころの我が家にあったら、あの玄関もずいぶんとすっきりしたんだろうな。