『ISETAN MEN'S net』 Special Interview #1 | 俳優 別所哲也
ーー誰にでも愛用しているものがひとつはあるはず。長年使用してきたアイテムにはどんな想いが込められているのだろうか。
俳優、ラジオナビゲーターとして活躍されている別所哲也さん。別所さんがライフワーク的に続けている仕事に「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」がある。今年も6月4日から14日までの11日間、世界各国から厳選された200作品以上のショートフィルムを東京・横浜の6会場で上映されます。
別所さんとショートフィルムの出会いは1997年のこと。「実は、この年、僕の心をショートフィルムへと突き動かす出来事が重なったんです」と、当時を振り返る。俳優として若くからスクリーンや舞台で活躍していた別所さんですが、ショートフィルムとなると「上映時間も短いし、学生映画的、実験映画的という思いもあって、正直避けて通っていた部分があった」そうなのですが、97年にサンダンス映画祭で、10本のショートフィルムのプログラムを見る機会があったと言います。
「その時の作品が、どれも驚く程面白かったこともショートフィルムの概念ががらりと変わる契機になった」と別所さんは語ります。そして、ジョージ・ルーカスやクエンティン・タランティーノもショートフィルムからキャリアをスタートさせたことを知り「まさに天動説から地動説への、コペルニクス的転回のように、自分自身の中でショートフィルムへの考え方が変わった」のだとか。その時から現在に至るまで、別所さんを魅了し続けているのがショートフィルムなのです。
映画祭など、晴れやかな場に足を運ぶことが多い別所さんに、普段から愛用されているファッションアイテムを聞いてみました。インタビュー時にもスタイリングされていたスカーフやチーフは「プレゼントで頂いたのがきっかけでしたが、今では旅先で購入することもありますよ」と別所さん。
そして、もう一つの愛用アイテムは、大きめのバッグ。「鞄を選ぶ時は、ざっくり感で選びますね」と言いながら肩にかけるのは、別所さんのイニシャルの入った<ルイヴィトン>のモノグラムトートバッグ。
中には愛するお嬢さんとの2ショット写真のキーホルダーが付けられていて、普段から愛用されているのが伝わります。「洋服を選ぶということは、自分の価値観と向き合うということ」だという別所さん。「一つのものを繕いながら経年変化を楽しみながら、想い出を服に刻んでいくのもいいですよね」と話して頂きました。